2022年1月16日 (日)

『影御前 水神の宮』『影御前 刀剣奇譚』(小林薫・朝日新聞出版)の感想

 コミック『影御前 水神の宮』『影御前 刀剣奇譚』(小林薫・朝日新聞出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 

 影御前シリーズも、第3、第4となりました。どちらも、短編6話と、描き下ろしのあとがきがつく構成です。やはり、怖いというより(怖いシーン皆無というわけではありませぬ、念のため)、何とも不思議、神秘的、時には、しみじみと感動する読後感のものが多かったですね。
 それでは、まず、『影御前 水神の宮』から参りましょう。
 第14話「水神の宮」は、厳島神社お参りのお話。ここで、何と、伊勢神宮で出会った神様と再会! 偶然? 何でも、私の霊感のある友人が言うには、「神様は独立しているけれども、孤立していない」とのことでした。しかも、伊勢との意外な共通点には、平清盛が? 私も一度、お参りしてみたいです。
 第15話、桐生さんの霊感ルーツというか、お祖母さんのお話。後半、優しい人柄同士の交流が、心温まります。
 第16話、出雲大社のお話。時空をも揺るがし、桐生さんばかりか、霊感のないはずの作者様をも、一時的に体調不良にした原因は、悪いものではなく、古代からの、壮大な……。こちらも、お参りしてみたいですなあ。
 第17話、後半の作者様の言動に、私はちと、目頭が熱くなってしまいました。ただ、心をこめて、亡くなった人とお別れすればいいのですね。
 第18話、何と、御前が、どこかへ。作者様のパワーチャージのため、桐生さんがスカイツリーや東京タワーに誘いますが、そこにはどちらも、巨大で不思議な存在に守られていた、という。私は、そういうものに興味があるので、ちと、うらやましくなりました。

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2022年1月10日 (月)

『影御前』『影御前 失われた川』(小林薫・朝日新聞出版)の感想

 コミック『影御前』『影御前 失われた川』(小林薫・朝日新聞出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 このシリーズは4冊あって、私はすべて読了していたのですが、こちらにまだアップしていなかったみたいですね。すみませぬ。
 そこで、まず、№1と№2の感想について申し上げます。

『影御前』は2009年、『失われた川』は2012年の発行です。前者は短編7話、後者は6話が収録されていて、登場人物は作者様と、そのアシスタントで本業が小説家の(仮名)桐生仁美さん、そして、作者様の守護霊であり、自然霊(これは割と特殊だそうで)の、白拍子の姿をした通称「影御前」。桐生さんと影御前が、作者様の霊的ピンチを助けたり、助言したり、はたまた、一緒に行動して……というもの。どれからでも読める、親切仕様です。
 いただけない点は、私的に、特にないのですが、摩訶不思議、時には感動するエピソードもあって、味わい深い反面、「身の毛もよだつ怖さ」という意味では、少々物足りないかも?
 ちょっと怖い、ドキッとする場面はありますよ。でも、怖くて眠れないほどではないですね。
 なので、あらゆる恐怖漫画が受け付けられない方と、背筋が凍るようなお話が読みたい方には、不向きかと思います。

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2022年1月 8日 (土)

『隠れ貧困』(荻原博子・朝日新書)の感想

『隠れ貧困』(荻原博子・朝日新書)の感想を申します。ネタバレが含まれていますが、私ごときの文章から推測して、実践するのは不可能ですよ。
 サブタイトルは、「中流以上でも破綻する危ない家計」です。朝日新聞出版ですから、この名前だけで、拒否反応を起こされる方もいらっしゃるでしょうけれども。
 何だか、ある意味、呪われた心霊実話やうさん臭いスピリチュアルなんぞ、裸足で逃げ出すほど、怖い、恐ろしい、でも考えざるを得ない、直視しなればならない、そういうエピソード満載でした。
 そもそも、「隠れ貧困」とは、収入が少なくて貧しいという、通常の貧困ではなく、安定した高収入を得ているのに、日々の生活がかつかつだったり、貯金が極めて少なく、将来の老後の生活が危ぶまれたりしているという状態のことです。
 もちろん、家族の誰かがギャンブラーで浪費しているのではなく、一生懸命働き、子供達も勉強に励んでいるにも関わらず、貧困状態から抜け出せないという異常(非常?)事態なのですが、この隠れ貧困が日本で増えているそうです。
 構成としては、第1~4章で、「隠れ貧困」の実態を、資料といくつかの家庭のケースを挙げて、具体的に示されています。第5章以降は、隠れ貧困対策として、Q&A方式で、作者様が答えていて、参考になりました。

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2022年1月 3日 (月)

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』(川上和人・技術評論社)の感想

 書籍『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』(川上和人・技術評論社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 いやぁ、ビッグイシューで紹介されていたのを思い出し、ようやく読了したのですが。
 小説よりも、科学、評論系が、ある意味、おもしろいと、わかってはおりましたけれども。
 何だか、ちょっとしたSFというか、古代ファンタジーを読んだような気分になれました。

 あらすじというか、内容としては、鳥類学者の作者様が、「恐竜は鳥類の先祖である」という前提のもとに、発掘される化石のこと、そもそも、恐竜とはどのようなものか、鳥類と恐竜の共通点と相違点、鳥類から推測される恐竜の生態(ここが私的に一番おもしろい)等々と、スムーズに論理が展開され、興味深く読めました。

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2022年1月 1日 (土)

2022年の目標

 明けましておめでとうございます。
 今年も何卒、この辺境(偏狭)ブログと、餓狼MOWというゲームメインに同人誌活動を行なっている、フリーライターで看護助手でもある主婦、紅林真緒をよろしくお願いいたします。

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2021年12月30日 (木)

『毎日かあさん カニ母編』(西原理恵子・毎日新聞社)の感想

 コミック『毎日かあさん カニ母編』(西原理恵子・毎日新聞社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。さらに、まさかとは思いますが、作者様や出版に関係された方、この作品と作者様のファンの方は、読まれないことをお願いいたします。
 なぜなら、私はこの作者様の唯一、かもしれない、アンチファンだからです。
 ゆえに、必要以上に辛辣な表現になるでしょうが、ご了承ください。

「アンチファンなら、どうして、この本を持っているの?」ですか?
 夫の所有物で、居間に置いてあったから、手に取ったのです。
 ふだんなら、読まないところを、ちょいと学術的な本を読んでいて、疲れていたのですよ。
 それで、読みました。読み終えました。
 大後悔。
 ああ、やっぱり、不満しか残りませぬ!

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2021年12月29日 (水)

『水子霊の呪縛』(小林薫・監修 斎・ぶんか社)の感想

 コミック『水子霊の呪縛』(小林薫・監修 斎・ぶんか社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
「強制除霊師・斎」シリーズの第11冊目です。収録作品は5作と、書き下ろし番外編。
 身の毛もよだつような、怖いお話はあまりなく、不思議で神秘的な感じがしました。
 斎さん自身の、切ない話も、まあニュアンスは薄目だったような? もっとも、そうでなければ、悲しすぎますが。
 それでは、簡単に感想を。

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2021年12月26日 (日)

『心の森に花の咲く』(永島慎二・大都社)の感想

 コミック『心の森に花の咲く』(永島慎二・大都社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 手元にあるのは、昭和53年10月20日発行の初版です。収録作品は8編で、プレイコミックから少年ジャンプ、高一コースと、掲載誌もバラバラという、おもしろい単行本です。
 けれども、作者様の個性らしく、ジェットコースター的ストーリー展開や、血まみれの格闘といった、漫画のお話及び演出でありがちなものはなく、個性はありながらも、ごく普通の(若い)一般人が、平凡(平穏というべきか)な生活の中で悩み、あがき、時には誰かと触れ合う、という、淡々としながらも奥深く、リアリティーを感じさせながらも、不思議なロマンティックさに彩られています。
 それでは、1編ずつ、簡単に感想を。

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2021年12月25日 (土)

『夜叉』全3巻(作:東史朗 画:川崎三枝子 芳文社)の感想

 コミック『夜叉』全3巻(作:東史朗 画:川崎三枝子 芳文社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 発行年度が、昭和55年なので、絶版なのでしょうか。札束や車のデザインなど、古臭さは否定できませんが、それにしても、おもしろい作品でした。
 主人公は、26歳の香取憂子。あらすじとしては、一人暮らしの平凡なOLだったはずが、銀行強盗の巻き添えになったことから、自分の平穏な生活に疑問を持ちます。そして、在日アメリカ兵士のジョーと知り合って、ひそかに危険な銃火器類を入手します。
 彼の死後、暴力団幹部の由木勇人とコンビを組んで、抗争に参加。間もなく、憂子は由木ともども、暴力団組織から命をねらわれることになり、対立する組織、一般人、警官まで巻きこんで、窃盗、暴力、殺人といった犯罪を重ねつつ、北海道を目指します。そんな憂子を追跡する警察の中には、地獄の速水と恐れられる、凄腕刑事までいるのでした。
 というわけで、ストーリー自体はシンプル。2巻以降は、暴力と流血シーンが、これでもかとばかりに続きます。
 ジャンル的には、ハードボイルド系と呼んでいいのでしょうね? ただ、今まで読んだ中で、女性はせいぜい、主人公の男性のお飾りやパートナー、セックスっぽいサービスシーンの添え物でしかないはずですが、この憂子は、由木に銃火器を与えるだけでなく、あれやこれやとアイディアを出してピンチをしのぎ、時には信頼しているゲイボーイを裏切って殺しまでもして、自分の目的を果たそうとします。タイトルのとおり、まさに夜叉!

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2021年12月18日 (土)

『傳説と奇談』全18集(山田書院)の感想

 書籍、それとも、豪華版雑誌と呼ぶべきか、『傳説と奇談』全18集(山田書院)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 何と、発行年度が昭和38~40年という、半世紀以上前の、カラー写真や折り込み色絵、白黒写真つき、A4サイズ版の本です。
 ページ数は、80ページ(第17集 元禄忠臣蔵)がもっとも少なくて、最大は142ページ(第18集 旅と伝説)、他はおおよそ112ページで、かなり厚めの本文紙が使われております。2か月間、通勤と昼食の合間に読んでおりましたが、なかなかの重さです。
 これは本のせいではないのですが、経年劣化で、残念ながら、カラー写真は、もやっとした、妙な色合いです。
 そして、18集の内訳は、次のとおり。

 第1集 東京篇/第2集 近畿篇 1/第3集 伊豆・東海篇/第4集 関東篇/第5集 四国・山陽篇/第6集 近畿篇 2/第7集 九州篇/第8集 東北・北海道篇/第9集 北陸・近畿篇/第10集 中部篇/第11集 中国・近畿篇/第12集 中部・北陸篇/第13集 東北・関東篇/第14集 総合篇 1/第15集 総合篇 2/第16集 特別号 城と古戦場/第17集 特別号 元禄忠臣蔵/第18集 特別号 旅と伝説

 はーっ、ただ文字を打つだけでも、大変ですわ。
 日本各地の『傳説と奇談』を集め、掲載した本というわけで、大いに期待が持てるでしょう?
 これで、私の日本史&地理ダメっぷりも改善されるかなあと、浮き浮きしながら、読み始めたわけですよ。
 そして、2か月かかって読了した今。
 現在も、この出版社と、編集や執筆に関わった方が、この辺境(偏狭)ブログに訪問されることがあるでしょうか?
 あいにく、批判的なことを書きますので、どうぞ、ご了承ください。

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