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2008年2月25日 (月)

シグルイ10巻の感想

 昨日、問題の本を読了しました。ネタバレですよ。ご注意下さい。
 感想は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すごかったです。
 と、いうのではいけませんか? すみません。でも、インパクトのある表現物って、言葉を失いますよね。
 伊良子対牛股の最終決着です。加えて、失明したばかりの伊良子の狂ったような修行と、必死に支える、いくの姿という過去話(ここまで尽くすとは、かなり不気味。彼女もまた、愛という名の狂乱にいるようです)。死んだはずの牛股が復活し、さすがの伊良子も窮地に立たされる。瀬戸際で打ち倒したものの、伊良子は自ら右足を負傷する。こうして、岩本虎眼派の者は、左腕を失った藤木と、虎眼の一人娘、三重しかいなくなった、というお話です。

  私は9巻がやたら間延びしているように感じられ、もしや作者の山口貴由さんは、超人気作品によく見られる欠点、つまりクライマックスをいたずらに引き伸ばして盛り下げてしまうのではないかと、危ぶんでいたのですが、取り越し苦労でした。
  いや、それにしても、すごい。言葉足らずで申しわけありませんが。
  たとえば、9巻で牛股が自分の倒した犠牲者の臓物を一帯にばらまくシーン、残虐さを強調するだけの無駄なものかもと思っていたら、ちゃんと伊良子の攻撃を防ぐための手段だったのですよ。血まみれの臓物が雨あられと降る中で、死力を尽くして闘う伊良子と牛股。切断された左腕を縫合するため、麻酔なしの手術を受け、目をむき、脂汗を流して苦悶する藤木。彼らの姿は、確かにおぞましい。けれども、情け容赦のない描写は奇妙にすがすがしいとも、美しいともいえます。もちろん、流血と残酷がお嫌いな方は絶対に読んではいけないと思いますが。
 もう一つ、この作品は他の巻でも男色っぽい描写が、時折現れますね。ま、江戸時代はそれが普通だったのでしょうけれども、どうか有害図書の指定を受けませんように。
 次からは新章スタートということで、これにて1巻における御前試合のそれぞれのエピソードがわかったはずなのですけれども。 私がもっとも注目したのは、終了近くの三重の気持ちです。かつて伊良子が好きだった彼女は、彼が自分を捨てて、いくと結ばれたのを「憎い」とばかり予想していたのですが、違ったようです。縫合された藤木の左腕の傷口から、未来の夫が自分よりも伊良子(!)に、激しく執着していることを悟った。いつまでも、そしてどこまでも、自分は捨てられた女であり、部外者なのだと、感じ入るわけです。だから、三重は、自分も、そして藤木の心をも奪った伊良子を全身全霊で憎み、1巻で「斬って下さいまし」と、藤木に祈念するわけです。
 こ、怖い・・・・。シグルイは男も女も、怖いですよ。男が武士道に狂うのならば、女は恋に狂って人の道を踏みはずし、怪物になるのですね。

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