鉄腕バーディー18巻の感想
バーディーが今夏、アニメ化されるそうですね。一度は見ておきたいです。楽しみ!
そういうわけで、18巻の感想です。いつものようにネタバレなので、ご注意下さい。
今回にて、「千年の鼓動」、謎の鬼との闘い編は終わりです。クラスメイト達と取材旅行(温泉旅行?)に行った先で、突然、鬼が出現して犠牲者も出る。この鬼と宿を経営する姉弟が、どうやらアルタ人と深い関わりがあるらしい。バーディーが解決しようにも、村人達は妙に閉鎖的で大変そう・・・・というのが、今までのストーリーでした。18巻では、問題の鬼にバーディーは予想外の苦戦を強いられます。ところが、思いがけず、宿の娘、紅葉(なぜかバーディーと容姿がよく似ている)が弓に似た武器によって加勢し、どうにか鬼は倒せました。紅葉の要請により、バーディーが宿の地下に行くと、その秘密の部屋(本当は地球に不時着した、アルタ王家の宇宙船)には、三年前死んだ紅葉の母を初め、千年間の歴代当主がぞろぞろと。リーダー格たる初代当主は紅葉に、家すなわち王家を継げ、そしていつの日かアルタ星への帰還を果たせと、命令しますが、紅葉は、「アタシはここで生まれ育った」と大反発。バーディーも紅葉に加勢し、宇宙船動力部を破壊するも、爆発の巻き添えになりかけます。あわやというところで、何と初代以外の先祖達が助けてくれたのでした。宿は崩壊してしまったけれども、紅葉と惟光の父は親戚衆を気にせず、自らの考えで警察に届けることにしました。「有田本家は、どこへ行ったって生きていける。それを示すのがご先祖の惟家公への供養だ」と、古臭い因襲から自由になることを表明して、という、なかなか後味のいいお話でした。
この巻で度肝を抜かれるのは、先に申したとおり、とっくに死んだはずの初代や歴代当主が、なぜ出現するのかということです。トリックは簡単、宇宙船のコンピュータが記憶した、歴代の当主の仮想人格を容姿ごと、つくり出していたからです。だから、初代に都合のいいことしか言わぬはずが、急に「血脈こそ大事」と紅葉に味方したのは、地球で生まれ育った二代目の意志があってこそでした。ま、そんな烏帽子をつけていたり、まげを結った人々が、「スパイ」「アルタ人」「検証用ドライブ」だのいうのが違和感ありありで、おもしろかったです。時代劇とSF、伝統とSFなんて、水と油じゃないかと思っておりましたが、いやぁ仮想人格同士の対談とは、こういう方法がありましたか。脱帽です。
ま、世界各国にはオーパーツがあるのですし、バーディーで語られていたとおり、宇宙人の子孫が様々な形で現在も続いていると考えた方が、きっと自然なのでしょうね。
最後のページで、つとむが、「本当の鬼ってのは、有田惟家〈初代です〉の執念のことだよ」と語っていたのが、印象的でした。人を幸せにしない因襲、家を継ぐというシステムをSFの形をとて批判しているのでしょう。でも、どうして人は人を不幸にするものを継いでいくのでしょうか。明るくてパーッとしたアクションもありながら、しみじみさせられる読後でした。
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