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2008年7月 3日 (木)

『ベルセルク』32巻の感想

 また遅くなってしまいましたが、『ベルセルク』32巻(三浦建太郎 白泉社)の感想を申します。ネタバレですから、ご注意下さい。
 去年の11月に発行して、何千万部売れているのか、アニメ化もされましたし、どメジャーなファンタジー漫画ですよね。ま、あらすじといっても、簡単なもので、クシャーンの大帝・ガニシュカの雷撃に打つ手がない主人公ガッツは、何と宿敵グリフィス側の武人(怪物といった方が正しいかも)で、不死のゾッドと協力(正確には、首にあの剣を押しつけて脅迫)し、ガニシュカをちょこっと負傷させます。それだけでもう、ガッツは限界。ゾッドも、今は対等に闘えぬと、引き下がります。一方、グリフィスの方は、どんどんうまくいきます。クシャーンの大群を退却させ、シャルロット王女からミッドランド正規軍総司令官に任命され(すでに王女の婚約者になっていましたが)、法王に頂礼させて、「救いの御手」と呼ばせて、貴族庶民、他国民すべてを信服させてしまうのです。戻って、傷の癒えたガッツは、仲間とともに海を渡り、ファルネーゼはまた一歩、魔女として進歩する、というものです。簡単と申しながら、長くなってすみません。

 まあ、有名になった分、ベルセルクは批判もされていますよね。特に、グリフィス受肉後から、ストーリーが平坦で間延びしている、と。グリフィス自身も、かつて人間であった時は、超美形であるにも関わらず、結構短気だったし、鷹の団を出ようとするガッツに、抜刀して勝負を挑み、自分のモノにならぬなら殺してしまおうとするあたり、私は単行本を胸に抱いて、畳の上をごろごろ転げまくったものですが(未婚で実家にいた大昔です)、それなのに(遠い目)。今のグリフィスは、悪い意味で天使ですから。
 そういうのは百も承知ですけれども、やっぱり私はベルセルクから目が離せません。私の大嫌いな人間蔑視の表現が入らない限り、ずっと単行本を買い続けるつもりです。なぜなら、ファンタジーでハードな格闘系、しかも時々、ドイツかイタリアの中性史っぽい漫画は、ありませんもの。作者の三浦さんが、どのようにこの大長編漫画を締めくくるか、とても楽しみにしています。
 軽んじるわけではないですが、私はファンタジーって、製作者にとって都合のよいお約束のような気がしてならないのです。ハリー・ポッターの映画を見た時もそうでした。それでも、指輪物語やゲド戦記(原作!)、闇の公子に死の王がおもしろいのは、登場人物が安易に魔法や神様、悪魔に頼らず、逆に魔法によってピンチになったり、頼みの神様や悪魔はかなりいい加減だったりと、先読み不可能なところにあるのでしょう。
 なーんて、私のお気に入りなのは、ファンタジーだけど、ちっとも明るくないです。エロと残酷のオンパレードではありませんか。ファンタジーというと、つい、おとぎ話や童話を連想してしまうのですが、そういう明るい夢の、きらきらしい世界に、あえて暴力や流血、性欲という正反対の要素をぶつけると、おいしいのですよね。それでは、また。

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