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2008年7月17日 (木)

『生まれ変わりの村①』の感想

 遅くなりましたね。『生まれ変わりの村①』(森田健:河出書房新社 発売)の感想を申します。今回はネタバレに加えて、スピリチュアルな内容がありますので、苦手な方はご注意下さい。
 作者の森田健さんが、中国奥地にある、「生まれ変わりの村」に行き、前世及び(人によっては前々世も)死んだ瞬間、あの世の記憶を持つ84人の村人の、インタビューメインの調査記録です。もっとも、調査は続行中でして、この本は第四次調査まで、事例も二十三にとどまっており、タイトルに①とある以上、さらなる発見は次号以降になるようです。

 これで、ストーリー説明は大方できてしまいましたが、23人の老若男女は前世で様々な人生を体験し、死んであの世へ行き、再び現世に生まれ変わってきたわけですが、ここでどなたも奇異に思うはずです。なぜ、この村以外の人々は、ごく少数を除いて前世の記憶とあの世の記憶がないのか、と。それはこの村に、古事記の「よもつへぐい」みたいな伝説があるため、あの世へ行っても、スープを飲まなかった。そのため、生まれ変わっても前世を覚えていられたというわけです。それで、インタビュー中には、男性でありながら母性のある人、年上になった前世の子に会いに行った女性など、なんとも摩訶不思議な言動を起こすわけです。
 しかしながら、私が一番驚いたのは、あの世の様子と生まれ変わりの瞬間です。あの世は現世と、ほとんど変わりません。お店や畑もあります。自殺者や犯罪人も易々といけるし、煉獄のような浄化や反省の場はないし、閻魔大王、鬼、またはそれらに近い存在もいない、というわけです。さらには、生まれる瞬間は、「いきなり玉のようなものに包まれた」「妊婦の後にくっついて行ったら、手が小さくなって、自分が赤ちゃんになっているのがわかった」と証言され、「はずみ」「偶然」「たまたま」というわけです。そして、前世で死んだ場所からあまり離れていない所で生まれているのです。
 さぁて、今まで、前世、臨死体験、守護天使、天国地獄煉獄などの関係の本を読み、両親や祖父母からお話を聞かされた方々、ハイヤーセルフの存在を信じ、自らは生まれる前に場所や両親を選んで生まれてきた、現世における使命は何か、と考えておられた方々、さぞやショックでしょうな。私も驚きました。では、私の読んできた、何百年も時や国を越えて生まれ変わってきたという壮大な前世ストーリーや、自殺者は成仏できないという霊能者のお話は嘘八百かと思いもしました。なぜなら、森田さんの本の説によれば、人間は自在に前世、あの世、現世と、魂か霊は忙しく活動し、ぽーんと、はずみでまた生まれてくる、というわけですから。生まれ変わりって、フレキシブルでおもしろいものですね。
 あなたが読めば、「人間はすべて、罪穢れはない。天国地獄なんて、現世の人間がつくった方便だ。私達は自由なんだ」と、明るい気分になりますか。それとも、「そんなぁ! ヒットラーみたいなやつも許されて、ちゃっちゃっと生まれ変わって、今頃は幸せに生きてるの!」と、やりきれない気持ちになるでしょうか。私は後者に近いですね。
 理由として、身近に霊感のある知人がいて、様々な興味深い体験談を語ってくれるからです。その人の言葉は、あまり矛盾を感じさせません。それゆえ、文字通り自分を殺した自殺者が、大半が地縛霊などの困った存在になっているにも関わらず、すんなりとあの世へ行って生まれ変われるとは、とても信じられません。日本と中国では、事情が異なるということでしょうか。
 ②が発行されるまで答えは出せませんが、私は「生まれ変わりの村」も知人の言うことも、どちらも正しいように思います。神様というか、時空様は今、壮大な試みを行なっているのではないでしょうか。あるいは、あの世は思念の世界でもあるから、「天国地獄はある」と思いこんでいる人には、それらしいもののある世界へ行く、とか?
 とにかく、見逃せない内容です。

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