『素晴らしい一日』の感想
小説集『素晴らしい一日』(作者:平安寿子 発行:2001年4月10日 文藝春秋)の感想を申します。少々ネタバレがありますから、ご注意下さい。
タイトルそのままの作品他、5編の短いお話が収録されています。主人公は、ちょいとひねくれたシングル女性だったり、そろそろ本気の恋をしたい30歳過ぎの男性、苦い失恋の傷を持つ中年男性、商店街でがんばって働く奥さんと、様々です。私は後書きを読んで、スラプスティック・コメディを期待していたのですが、割と真面目なお話が多くて意外でした。
本当に、境遇や性別など、主人公は様々に違いますが、みんな屈折しています。しかも、平安寿子さんという方は、そんな彼ら彼女らなりの美学や笑うに笑えない行動を描くのが、実にうまい! こういうアプローチ法もあるのかと、感心させられました。
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