『鉄腕バーディーDECODE』第12、13話の感想
すっかり遅くなりましたが、『鉄腕バーディーDECODE』第12、13話の感想をまとめて申します。いつものようにネタバレですので、ご注意下さい。
見終わった直後、私は思わず、「はぁーっ」と長いため息が出ました。最上のトロまたはフィレ肉を、ああだこうだといじくり回した挙句、出てきた変てこな料理を食べさせられた気分です。えーい、だから、あらすじも簡単にいきますぞ。
12話、中杉を手中に収めたシャマランが、ついに本性を現します。全国にテレビ放送して、自らの理想社会建設のために、競争力のない劣等な人々を強制的に排除することを宣言するのでした。そうこうするうちにも、リュンカが本格的に発動した中杉は、見境なく光線のようなものを放ち始め、シャマランは呆気なく、もろいガラス状態になって砕け散ります。破壊は建物にも及んで、カペラ・ティティスは慌てて逃走。ネーチュラー・ゲーゼの所属する神祇庁は、宇宙空間からリュンカ=中杉を攻撃しますが、地上に多大の被害を与えたのみ。つとむとバーディーは、あまり活躍しませんでしたね。
13話、最終回、バーディーはリュンカを排除し、中杉を救う方法を思いつき、実行しようとします。つとむは船に潜入し、中杉と再会しますが、彼女はかなりリュンカに意識を征服されていました。寄生して成長しながら、すべての知的生命体を滅ぼすのが目的だと、リュンカは告げます。バーディーが割って入り、つとむを引き離すものの、リュンカは次の形態に成長。つとむはバーディーをふり切って、中杉を「小夜香!」と呼び、異様な姿のリュンカから離れさせますが、それこそトラップでした。中杉の姿で、リュンカはつとむを殺しにかかります。駆けつけるバーディー。「君のやろうとしていることは、こうすることだろう?」と、つとむはバーディーに言って、中杉にキスをし、わざとリュンカを自分の体に乗り移らせます。その上で、自分を殺せと、つとむは命じ、涙を浮かべながら、バーディーは従います。宿主を失って分離したリュンカは、あっさりとネーチュラーに捕獲されました。翌日、テレビは六本木の消失と、シャマランの行方不明を大々的に報じます。つとむの高校では、最近の記憶を失った中杉が転校することになり、皆で別れを惜しみます。すべての事情を知るつとむは、ただ微笑します。再び破壊された体は連邦に引き取られ、バーディーの肉体に意識を移されて、もう一度、二心同体となったのでした。闊達に飛び回るバーディーを、ゴメスと彼の上司(?)クリステラ・レビは、皮肉な表情で見やってEND。
いいたいこと(苦情)は、山のようにありますゆえ、そういうのがいやな方は飛ばして下さいませ。
まず、DECODEなどと大げさなタイトルをつけておくのなら、もっといいやり方があったでしょう。大して活躍しなかった、ゴメス、レビ、スケルツォ、カシュー・ゲーゼなど、出さなくてもよかったのでは? 原作を知らない人は、いたずらに混乱してしまったのではないでしょうか。
それにねぇ、カペラ・ティティスは以前にも申したと思いますが、バーディーと同じ連邦捜査官で、幼い外見ながら先輩格、情け容赦ないやり方はするが、正義だったのに、このお話では単なる小心者。私はカペラが好きなだけに、がっかりです。
オリジナルキャラクターも〈遠い目)、中杉に毒はないし、一応悪役だったシャマランは、強者による理想社会創造なんて、使い古されたことを述べ立てているし、最期はあっさりしすぎ! 最終回の前に、死ぬなっつうの。
バーディーに関しては(むせび泣き)、りょーちもさんのキャラクターデザインでは、フィットしていません。バーディーの変装たる、有田しおんの印象が強いし、しかも有田は天然バカキャラなんですから。原作バーディーの体育会系プロポーション(身につけているのは、皮膚と一体化したスーツです。アップのコマでは、乳首のラインもほの見えて、思わずにやけてしまいます)、自らの魅力に無頓着な者特有の色っぽさが感じられません。たぶん、もう一人のヒロインたる中杉を目立たせるためなのかもしれませんが、当の彼女があれではねえ。
はい、これでラストのぼやきにいたします。リュンカは寄生生命体ですよね? それが宿主の心身を乗っ取るばかりか、地球のすべての人々を消し去ってしまおうなんて、そんな途方もないパワーを行なえるものなのでしょうか? 寄生虫は大方、弱肉強食の世界からはずれており、宿主との共存を目指す、平和な生き物のはずなのですがねえ(回虫みたいな例外もおりますが)。
まとめとして、「このアニメーションを見て、バーディーを判断しないで下さい。原作の方が、ずっとずっとおもしろいですから!」 ・・・・お騒がせしました。以上です。
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