『ベルセルク』33巻の感想
とてもうれしいです。やっと、こちらで普通に感想が述べられるようになりましたよ。そういうわけで、トップはコミックス『ベルセルク』(三浦建太郎・白泉社)33巻です。さらっといきますが、ネタバレはいつもと同じですから、ご注意下さい。
読了してまず思ったことは、「・・・・すごい」「作者様、大丈夫だろうか」の二つでした。あらすじの方は、至ってシンプル。ガッツ、キャスカ、ファルネーゼ、シールケ達は、ファルネーゼの婚約者、ロデリックの軍船に乗りこんでエルフヘルムへと急ぎますが、途中で海賊船に遭遇。が、ロデリックの卓抜した知恵と指導により、難なく撃退。一方、ウインダムの子供達がいっせいに不思議な夢を見るという奇跡が起き、そのお告げに従って市民はすべて無事に脱出します。ところが、クシャーン兵の命を喰らう魔の霧の正体は、新生鷹の団団長グリフィスに圧倒されたガニシュカ大帝が焦るあまり、さらなる邪悪な力を求めたがためのもの。自ら魔の子宮に入ったガニシュカは、使徒から空前絶後の魔に転生。その異様な姿、または雰囲気は、「現世が裂ける様」(シールケ)、「世界の理が 今 終わる」(ソフィア)、「大帝御自身が 魔界そのもの!!」(ダイバ)と、敵味方を驚愕させるものでした。いよいよ、ガニシュカVSグリフィスの恐るべき闘いが始まるか? と、またいいところで終わってるのですわ。
今回、ガッツは存在感が薄かったですが、グリフィスは台詞もあまりなかったのでは(表紙はバッチリアップで登場してますけど)? ガッツ自身の心はキャスカにありますが、ファルネーゼもシールケもかなり嫉妬している模様。特に、キャスカの世話役であり、我慢強いはずのファルネーゼが、キャスカに怒鳴るシーンが印象的でした。ロデリックといういい男が婚約者なのに、ファルネーゼよ、いいのかな。でも、彼女の乱れる思いを知りながら傍観しているとしたら、ロデリックもただ者ではないかも(可能性は充分あります)。
私が少し心配なのは、ガニシュカが何百何千というクシャーン兵を踏みつぶしながら歩く、とてつもない魔に変じたことなのです。とにかく、巨大。触手のような腕をいくつも持ち、無数の眼球を見開く顔もいくつかあるという、とても表現しきれない異様な姿。何だか、永井豪さんの傑作漫画、デビルマンの最終回のようなムードなのです。あのような悪魔、怪物を描いていると、ひどく消耗させられると、永井さんがエッセイ漫画の中で述べておられたような気がします(タイトルは忘れましたが)。その上、そちら方面の感覚も敏感になるのだとか。
ですから、三浦さん、どうぞお体を大切に。間延びしても、ベルセルクが途中休載になりませんように。以上、心霊世界を少し感知できる知人のおかげで、少しばかり懸念している紅林でした。
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