『鋼の錬金術師』21巻の感想
コミックス、『鋼の錬金術師』(荒川弘、スクウェア・エニックス)21巻の感想を申します。またネタバレですから、ご注意下さい。
ブリッグス兵にひそかに送られ、ウィンリィが故郷リゼンブールのわが家に戻ってきました。着替えかけていた時、先に潜んでいたエドと鉢合わせ。危険な闘いが始まるから、安全な外国へ行けと忠告するエドを、ウィンリィはスパナで一発殴ってから、「この国を守ってよ! エドもアルも元の体に戻ってよ!」と、強く訴え、エドは優しい顔で、「アップルパイでも焼いて待ってろ」と、言うのでした。このシーン、連載当初はほんの中学生だったエドの成長がうかがわれて、とてもいいです。
一方、エドに合流しようと焦るアルは、ホムンクルスのプライド(セリム・ブラッドレイ)のいくつもの目を持つ影(?)に乗っ取られてしまいます(これで、アルが敵側につかまるのは二度目ですね。眠らず、疲れず、食べずと無敵のはずだけど、妙に弱いですな)。そうして、プライドのあやつり人形となり、プライド+グラトニーのホムンクルス側とエド+グリード(リン)+キメラ二人の闘いが始まります。
ホムンクルスの戦闘力の高さに、エド達は一時、ピンチになりますが、グリードがリンに成り代わり、ランファンが加勢して、形勢逆転。さらに、影は閃光弾の光で打ち消して、アルを取り戻します(けれども、アル自身は気絶状態。大丈夫でしょうかね?)。ついに、プライドは体力を回復するため、影によって仲間のグラトニーを喰らってしまいます。そこへ、ホーエンハイムが現れて・・・・。ここで次回へ続きます。
エド側のストーリーはこんなところですが、平行して、ホムンクルスのラースことキング・ブラッドレイがイシュヴァール人の列車爆破によって生死不明になります。中央は混乱しますが、ホムンクルスの父たる「お父さま」が代わって軍に君臨する模様。マスタング大佐はかつての部下、ホークアイ、ブレダ、フュリーと合流、来るべき闘いに備えるのでした。
何というか、大勢の人物がいっせいに動きだしたという感じですね。少々わかりにくいのが難点です。それでも、冒頭のウィンリィとエドの触れ合い、中盤以降のメインとなる、姿格好は愛らしいが冷酷非情なプライドとの闘いといったツボは、ちゃんと押さえられています。作者の荒川さんによれば、この巻から最終章の始まりだそうで、皆が幸せになることを祈りたい・・・・のですが、今までのハード展開からすると、幸せや平穏と同時に、大きな喪失もあるかもしれませんね。それでは。
関連記事 来月で、ハガレンが最終回だそうです。
『鋼の錬金術師』20巻の感想・補足
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