『クロサギ』の感想・昨日の続き
昨日、ちょこっと載せた、『クロサギ』(原案:夏原武 絵:黒丸)の感想の続きです。
一般人をだまし続ける詐欺師を、同じ詐欺の高等テクニックによって、立ち直れないほど葬り去るというのが、お話のすべて(短い話ならば、前編後編の2話で終わっています。長いエピソードは10話以上)のほぼ同一パターンです。読み手は、「こんな詐欺師を、どうやってはめるの?」と、ほぼ予測不可能なストーリーにドキワクし、「やーい、悪者がひどい目にあった。いい気味だ」と溜飲を下げ、一方、「へえ、そんな詐欺があるのか。気をつけなくちゃ」と、詐欺対策の知恵を得られるという、3つの利点があります。
絵としては、私はやはり連載初期の、喜怒哀楽がはっきり表情に出る黒崎の方が好みです。回を重ねるにつれ、とてもぽやーっというか、人畜無害そうな顔になっていったようです。
様々なお話の中でも、一番印象に残ったのが(すみません、全巻読破したわけではないのですけど)、第84~86話の「出張ホスト詐欺」〈単行本8巻・コンビニ版第10弾収録)です。これは、「年齢・容姿不問」のホスト募集新聞広告でカモ(詐欺の被害者ね)をひっかけて、実際は仕事を回さず、3万円の入会金のみ奪い取る詐欺です。経緯が恥ずかしいだけに、カモはだまされたと知っても、ほとんど訴えられないというわけです。
こちらへいらっしゃる方には、男性もおられるでしょうね? 私は結構、チェックをするようになりましたが、それでも不届きな書きこみやトラックバックをする連中がいます。
「ちょっと年いってたけど、沢○エリカ似。バキュームフェラされて、3発中出し。こんだけで10マンだぜ。オレ、もうマジではたらけないって(^_^)」
などと書いてますよね。
一応、上の例文(笑)は、私があのパターンとおりに作りました。この程度のコメント、女の私にも、何百でもできます。そして、「出張ホスト詐欺」では、黒崎がカモの青年に、
「女とカネ どっちか手に入れるだけでも大変なのに、」/「何も努力せずに ふたつとも同時に 手に入れられると 考えているのが 間違いなのさ。」
「陳腐な言い方だけど、女にモテたきゃ 結局自分を 磨くしかないし、」/「カネがほしけりゃ、なりふりかまわず 働くしかないのにね。」
・・・・珠玉の名言ではありませんか。どうぞ、皆さん、だまされないで下さいね。
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