『総員玉砕せよ!』感想・補足
もちろん、この漫画は作者の水木しげるさんの実体験が元になっています。以前、私は水木さんのマンガ自叙伝を読みましたが、多くのエピソードが重なっていました。
異なるのは、作者の分身らしい丸山が、原住民と交流がなかったこと、マラリアにかからず、左腕を切断されなかったこと、でしょうか(その代わりに、むごい死に方をしていますが)。
シリアスで重い話だから、いつもとは絵柄も変わっているだろうと、思われますか?
いいえ! 人物は大方、すっとぼけた雰囲気で、一本線にて描かれています。省略しましたが、吹き出してしまいそうな愉快なエピソードも含まれています。
ユーモラスな人物達と、天国のように美しい島の情景、そして、累々と横たわる死体のシリアスさ。「死にたくない!」と、叫んでいるような、もがれる手足、飛び出る目玉の生々しさ。
このお話の深さ、重さ、魅力は、読んでもらうしかないように思います。
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