『凍牌』6巻の感想
ご無沙汰して、すみませんでした。メール及びメルマガの整理に終われ、気がつけば、日付が変わっていたということが、重なっていたためです(お願い、学習してよ、私)。
今回は、コミックス『凍牌』(志名坂高次・秋田書店)6巻の感想を申します。ネタバレですから、ご注意下さい。
入院中、クラスメートの上野の単純なイカサマに大負けしたKは、幼なじみの優と一緒に、彼の家へ向かいます。そして、上野、彼の友人(さして活躍しませんでした)、優とともに麻雀勝負になりました。事実上、上野VSKの一騎打ちです。牌は竹牌というもので、すべて微妙に柄が異なるものです。半荘2回で、すべてを記憶できるはずのKですが、上野もまた覚えておりました。最初、上野は押してきますが、上下の区別なく記憶してしまうKが徐々に押し返します。切羽詰った上野は、何と優と示し合わせてイカサマ。ところが、それを見破ったKは牌をすり替えて、上野の手をフリテンにしてしまうのでした。優は泣いてあやまりますが、Kは許しません。これが前半。
後半は桜輪会の一軍として、どんどん強くなるKに対し、先輩としてアドバイスする松本。そんな松本が謎の美女代打ち、アイによって、指十本を切断されてしまいます。驚いたものの、大金と、彼女の指及び自分のそれを賭けて勝負するK。しかし、彼女の鋭い眼差しによって打つ手打つ手をすべて見抜かれ、いつもの「自らが氷になる」という戦法も通じず、あっという間に三連敗。「残り6本の指 全部を賭けなさい」「いやなら 指4本は今すぐ切断!! さぁどうする?」と、アイにすごまれ、Kは呆然と冷や汗を流します(松本の指切断現場をみた時とこの表情が、すごくいい。珍しく泣きそうな顔です)。見かねた松本が、「逃げるな」と忠告。途端に、Kは両親との凄惨な過去の情景(具体的には不明)を想起し、安い手でしたが起死回生の一勝。それでも、アイの優勢は変わりません。そこで、Kは手牌をオープンにします。すべて見えるゆえに、かえってアイは戸惑い、Kはフリテンの奇妙な勝ちになります。ついに、指十本を賭け、、Kに続いてアイのリーチ。勝利を確信するアイですが、Kは不敵に笑い、「ボクは逃げたりなんかしない・・・・ あなたのそのリーチこそ『逃げ』・・・・」「狩る!!」と断言します。
うほっ、後半がとてもおもしろいです。とてもストーリーが予測できません。やはり、上野のようなイカサマの小物と、美人だがサディスティックなアイとの貫禄の違いでしょうか。
省略しましたが、6巻ではKの過去について触れられている部分が多いです。前半、優は麻雀をやりながら、彼女とKの父親同士が同じ大学のサークル仲間で、彼女の父親がKに麻雀を教えたことを語りましたし、後半はKが幼い頃、海辺で抱き合う男女のうち、母親らしき女性が悲しそうなふりだけをしていることを発見しています。次回予告のセリフで、弟を両親に殺されているというのと関係あるのでしょうね。
他の見どころとしては、先に述べたとおり、冷静沈着なKがひどく取り乱した表情をするところですね。生々しいというか、何かエロいです。
ちょっと残念なのは、性悪な堂嶋と小悪魔(?)のアミナの出番がなかったことでしょうか。7巻の登場を待望します。
今までのパターンから推測するに、上野や優の再登場も大いにありうるでしょう。相変わらず、上野やアイにまでプレッシャーをかけるKの性格の悪さも健在ですし、6巻を買ってよかったぁと安堵すると同時に、7巻がとても楽しみです。志名坂さん、がんばって下さいね。それでは。
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