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2009年5月 4日 (月)

『ゴスペラーズ坂ツアー2009“15周年漂流記 春夏”』の感想

 本日、なら100年会館で行なわれた、『ゴスペラーズ坂ツアー2009“15周年漂流記 春夏”』の感想を申します。いつものネタバレに加えて、今回、私はニューアルバム『Hurry!』をほとんど聞いていないという悪条件ですので、勘違いや思いこみもひどいと思います。何とぞ、悪意あってのことではないし、ファンといっても日頃の生活にふり回されている無知なやつもいるのだと、ご了承の上で、ご覧になってください。一般的なゴスペラーズの批評というより、一ファンのちょっとした感想のおつもりで。

 ニューアルバムをろくに知らない。そんなとんでもないファンが一名いる(私です、私)という中で、推定17時45分から50分頃、ライブがスタートしました。「1,2,3 for 5」からです。
 こんな私にチケットを譲って下さった、左隣のKさんのお話によりますと、「新曲はもちろんのこと、なつかしい曲もバランスよくそろっています」。確かに、そのとおりでした。「終わらない世界(私にとっては、ゴスペラーズのライブ定番曲)」「ミモザ」「永遠に」「FRENZY」など。やはり、私はそういった曲にいっそう盛り上がってしまいました。
 また、別の闘いもありました。私は仕事で悩みを抱えていて、それを忘れたい、憂さを晴らしたい一心で会場入りしたのですが、ニューアルバムからのスローな曲に入ると、どうしても数々の問題が想起されて、「うわぁ、明日から仕事かぁ」という気分になってしまうのです(感想だっていうのに、こんなことを申してごめんなさい)。
 しかし、「気が晴れないのなら、仕方ないさ。それでもいいや」と開き直った途端、不思議と曲に集中できました。だから、酒井氏の「ゴスペラーズ名物アカペラ」で、「The Longest Time」は初めてだったのにも
関わらず、気がつけば会場内の皆さんと声を合わせて歌えましたよ。酒井氏が言うには、「会場が一体になった方が、感動が八倍になります!」、本当ですね。うれしかったです。
 メンバーは相変わらず、明るくて楽しかったですね。もちろん、私hゴスペラーズのそういうところが大好きなのですけれど。村上氏の、「せんとくんは知っていましたが、まんとくんは知りませんでした。まんとくん、結構かわいいですね」に、会場は爆笑。私もまんとくんファンだから、大いに同感。黒沢氏、「前回の奈良はウォーミングアップに力を入れすぎて腰痛になりましたので、今回は最高の体調になるように調整してきました」。
 私のひいきの酒井氏は、かなりテンションが高いようでした。アカペラだけでなく、最初のトークでは妙な踊りをやっていましたし、メンバーを仕切っているみたいでした。こういう役目は、村上氏か安岡氏ではなかったかと、私は思いましたが、Kさんにたずねる間がなかったので、なら会館でたまたまそうなったのか、他の会場でもそうだったのか、不明です。まあ、Kさんによれば、ゴスペラーズは曲の構成やトークも場所ごとに変えているので、飽きないらしいです。いいなあ。私も、好きな歌手なら2回くらい見たいです。
 アンコールは3曲。バンドメンバーが先に退場してから、村上氏が「ひとり」を歌い始めました。これが本当のラスト曲です。終了は推定20時28分頃。
「ひとり」は、今のダンナと出会うきっかけにもなった、思い出深い曲ですが、現在の窮状に立つ私に向かって、ゴスペラーズが力づけてくれる歌のように感じられてなりませんでした。私は「ひとり」だけど、「ひとり」じゃない。遠くか近くかで、一心に私を思ってくれる人がいる。ゴスペラーズもその中の人達なのだ、と。
 ええ、お笑い下さい。ゴスペラーズは私のものではありません。でも、人生なんて90パーセントの思いこみという名の幻想でできているのですから、少しの間だけ甘い夢を見ていたいのです。こういうのが、エンパワーメント、力を与えられることではないでしょうか。
 気晴らしはできなくとも、充分に前向きになれました。ゴスペラーズは、やはりすばらしい。明るい彼らに、大感謝です。それでは。

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