『るくるく』10巻の感想
コミックス『るくるく』(あさりよしとお・講談社)10巻の感想を申します。ネタバレな上に、批判的な内容ゆえ、お読みになれば不愉快になられるかもしれません。ご注意下さい。
・・・・これはひどい。いつもなら、あらすじを紹介して、あれやこれやと、私は思ったことを述べさせていただいているのですが、まず出てくるのが、「ひどい! なぜ?」なのですから、ある意味、すさまじいものです。
さあ、いつまでも腐っていないで、手っ取り早く申しましょう。
10巻のあらすじは、るくに瓜二つの少女が出現します。彼女こそ、るくの究極の敵とも言うべき、大天使ミカエル。わずかに異なっているのは、ミカエルがるくの飲み物を受けつけないことと、るくが無表情なのに比べ、非常に感情が激しい点だけ。ミカエルは数回、るくと衝突するものの、六文が割りこむなどして、決着がつきません。ミカエルは対決をあきらめて去りますが、同時に、るくもまた、六文に別れを告げて、悪魔達をともに消え去ります。気がつけば、六文がるくとともに過ごした日々、暮らした家は、すべて神社の階段から転倒した際に見た、夢にすぎなかったのです。数(かずえ)や他の人々も、るくのことは知らないままでしたが、六文だけはなぜか、るくに関する記憶が濃厚に残っています。地獄の姫、るくがどうして六文を選んだのか。その問いかけに、るくは付き添いの悪魔にも微笑して答えませんでした。
はい、これで最終巻です、完結です。最終回の形にもなっています。しかし、このような完結はありでしょうか。今まで、9巻分も引きずってきた謎やギャグが、すべて夢オチでした、なんて。あさりさんが突如として、やる気を失ったのではないかと、私は疑っています。
私にとって、最大の謎であった、大食いで天然で明るいけれども正体不明の少女、ペロ(仮名)について、大方解明されていないのが、とても不満です。彼女は他の悪魔達に混じって、るくと一緒に去っていましたから、悪魔なのでしょうけれども(これは意外でした)、ならば、なぜヨフィエルの破壊活動を止めようとしたのか、捨て犬を拾って飼おうとしたのか・・・・いや、もうグチはやめましょう。あさりさんは巻末ではっきりと、「コノオ話ハ ココデ終ワリデス」と書いておられるのですから。
うがって考えれば、『るくるく』は宗教や信仰についてのブラックな笑いが満載でしたから、もしかして、萌に関する毒や皮肉もこめられていたかもしれません。るく、ペロ、数(素顔はコスプレ趣味で、ヨフィエルが出現すると、過激でツンデレになる)など、男性うけしそうな要素が満載でしたからね。それをおちょくるだけおちょくり、男性ファンの期待をもたせた上で、あさりさんは、さようならしたのでしょうか?
私は不勉強ゆえ、萌というものが今でもよくわかりません。不思議と、「こんなひどい終わり方ってあるか!」と、激怒する気もないのです。
何となく、これが、あさりさんらしいかなと、思われてならないのです。絵はかわいくて特徴があるし、ストーリーも悪くないし、パロディのセンスは抜群、なのに、何となくマイナーだなと感じてきましたが、こういうところに原因があるのかもしれません。
とにかく、これで、あさりよしとおさんの作品の感想は今回で終わりにするつもりです。怒りは感じなくても、失望はさせられましたから、ささやかな仕返しです。それでは。
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コメント
なんにせよ、るくるく面白かった。
でも10巻ですっきりしなかったなぁ
続き書いてほしいよ!!!
投稿: 通りすがり | 2011年2月15日 (火) 01時05分
通りすがり様、コメントを寄せていただき、ありがとうございました。
お言葉のとおりです。
あさりよしとお作品で、数のような女の子はいたと思うのですが、陰りがあるけれども、たまにかわいい表情を見せる、るくは珍しかったのですけど。
惜しい作品でしたね。
もう今となっては、落ち着きましたので、また楽しい新作が見つかれば、ご紹介したく思っています。
表現は少々、辛辣になるかもしれませんが。
投稿: 紅林真緒 | 2011年2月15日 (火) 10時04分