『月刊化石コレクション』no.01の感想
『月刊化石コレクション』(朝日新聞出版)no.01の感想を申します。超ネタバレですから、ご注意下さい。
いよいよ、今週、私は福井県の恐竜博物館へ参りますが(要するに、夏コミは一般でも不参加)、この本はその名のとおり、小さな化石がついてくるので、ちとお値段は張りましたが、購入しました・・・・いえ、ダンナに買ってもらいました(オイッ!←自主叱責)。大きさ3センチほどの、最古のアンモナイト、ゴニアタイトの精緻なフォルムは、やはり手に入れてよかったなあと、しみじみ思ったものです。
私の望んでいたのは、あくまで化石で、20ページにも満たない、どちらが付録かわからない、薄っぺらい解説書なんぞ、資源ゴミ扱いするつもりでしたが(朝日新聞出版の方々、ごめんなさい!)、暇つぶしに軽く目を通した内容によって、私は衝撃を受けました。
白亜紀末の恐竜の絶滅は、言うまでもありませんよね? ところが、地球上の生物は白亜紀のみならず、大絶滅を経てきたのです。しかも、一度や二度ではありません! オルドビス紀末は85%、デボン紀後期は82%、三畳紀末は78%と、恐るべき生物の絶滅率が判明しています。ちなみに、白亜紀末は76%・・・・。しかしながら、この本の化石である、ゴニアタイトも絶滅した、約2億5000万年前のペルム紀末は、何と96%もの生物が絶滅しております!
・・・・知りませんでした。私は恐竜のスケールにばかり、気を取られていたのです。この古生代や中生代の生物達の大量絶滅を思うと、本当に神様はいらっしゃるのか、という気分になるのですが、反面、生命というリレーのバトンを渡されたかのように、また別種の生物が繁栄していくのは、実に不思議であり、すばらしく思われます。
大量絶滅の原因は、噴火、地殻変動、それらによる気候の激変(温暖化もあり)などが挙げられています。今、地球温暖化だエコだと言われていますが、ひょっとして、自然の猛威の前には、人間なんて、まったく抵抗できないのかもしれません。でも、ペルム紀末の大量絶滅に耐えた生物達がいてこそ、人間も存在しているのです。彼らのバイタリティーと克服方法は、もっと研究されるといいですね。
そんなわけで、非常に興味深い解説書でした。次号は9月7日発売で、化石は直角石、特集は「カンブリア大爆発からはじまる、生命の多様化」だそうです。次は、私が買いますよ。それでは。
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