『生まれ変わりの村』②の感想
『生まれ変わりの村』(作者:森田健・発売:河出書房新社)②の感想を申します。ネタバレですから、ご注意下さい。
内容的には、①と同じです。前世記憶者の頻出する、中国奥地のある村で、森田さんがインタビュー形式で聞き書きしたものです。①よりも死後の世界である、「あの世」の詳細な情報が述べられています。恐らく、敬虔な信仰者の方々、ハイヤーセルフ・守護天使(守護霊)・ソウルメイトを信じる方々にとっては、「ウソだろう」と、思われることでしょう。
しかし、私は①の方が衝撃的でしたね。気休めではなく、亡くなった人達とつながり合える方法があるのだと知って、安心しました。それで、実際に、二人の親戚へ手紙や必要な品物を送りましたが、②は私にとってディープすぎて、何だか辛くなってきましたね。
なぜなら、村人の証言が正しいのならば、あの世は友人知人と会うことはあまりなく、いじめにあうかもしれないからです。いじめられっこの私は、すっかり沈みましたね。死ぬのが怖くなりましたよ。
それに、自殺してもあの世へ行ける反面、下手をすると、死んだことに気づかないで、さまようこともあるそうです。生まれ変わるにしても、どんなふうに、何のきっかけか、本人には理解できないまま、気がついたら生まれてしまうわけですよ。
要するに、この世同様、あの世は各人の努力や思いとは関係のない、ランダムな運命の力が働いているようです。時間の観念がなくて、肉体の苦痛もないから、あの世の人々はぼんやりしていることが多いようです。あの世とは、生まれ変わるための肉体ができあがるまですごす、待機場所のようなものですかね?
やはり、想像よりも体験者の言葉は重いらしく、私は終始、「えーっ、そんな・・・・何で?」と心の中で叫んだり、不満を言ったりしながらも、一気に読んでしまいました。信じる信じないは、皆さんの自由です。たぶん、村人の証言は間違っていないでしょうけれども(①の感想とダブりますが)、自殺名所や邪気、悪霊、さらには私達を守ってくれるご先祖(?)や精霊の存在は、これだけでは説明しきれないと思います。一つの強烈な答えであり、問いかけでもあるわけですね。
読書好きの方、精神世界に興味のある方は、ぜひ一読下さい。そして、疑問や不満がおありなら、はさみこまれているアンケートハガキに書くか、ブログや森田さんのHP、不思議研究所にコメントしていただきたいです。
アンケートの特典は、日本における生まれ変わりの実際のCDです。こういうところは太っ腹でいいですなあ。私? もちろん、アンケートに答えさせていただきますよ。それでは。
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コメント
『生まれ変わりの村』1〜2を近頃読んだ者です。
私は、生まれ変わりの話もそうですが、現代中国の田舎の風習や人々の生活を興味深く読みました。
自殺は瓶でするとか、間引きの現場の生々しい話、中共軍の裏切り行為、崖をくり抜いて家にするとか。
あと、インタビューの待ち合わせは他人の家というのも多くて、どういった風習があるのか不思議に思うようなことも多くありました。
生まれ変わりについては、若いうちに変死したりするとこの世やこの世に近い世界に留まり、早く転生する(させられる)ことがあるという感じでしょうか。
webでも読める『500に及ぶあの世からの現地報告』と比べて考えると、霊界で生活して高い世界に行く人もいれば、地上付近をうろうろするような人もいるのかなと思いました。
投稿: だいべ | 2011年3月26日 (土) 15時17分
だいべ様
コメント、ありがとうございます。興味深く、読ませていただきました。
森田健さんの著作の他、漫画雑誌の『ほんとにあった怖い話』『HONKOWA』でも、生まれ変わりについて載っていますよね。
知れば知るほどに、「あの世というのは、よくわからない!」と、私は頭を抱えてしまいます。
そうですね、中国と日本では習慣が異なるように、生まれ変わり事情も違っているのでしょう。
『500に及ぶあの世からの現地報告』、じっくり読ませていただきます。
また、森田健さんの著作や『HONKOWA』の感想などアップすると思いますので、よろしかったら、ご訪問ください。
投稿: 紅林真緒 | 2011年3月26日 (土) 17時43分
紅林真緒さん、こんにちは。
『ほんとにあった怖い話』は昔ちょっと読んだくらいで近頃は全然読んでないのですけど、ネムキで連載していた『栞と紙魚子』は全巻持っている者(諸星大二郎好き)でございます。
『生まれ変わりの村』の3まで読みました。(全部図書館で借りたのですが)
このシリーズは、あまりにも想像を超えたことが書かれていて、時々笑ってしまうのですけど、3ではあの世の店の売れ筋はケーキというのが可笑しかったです。
興味深かったのは、臨死体験と生まれ変わりの差ですね。森田健さんは、生まれ変わりだけでなく臨死体験も中国で取材して考察をしています。
私は、この本を読むまで邪霊、イタズラ霊がいることが不思議に思えていました。悪いことをするような人間は、死後の世界で責任をとらされる状態や、苦しみの中を過ごさなければいけないので、この世の人間にちょっかいをだす余裕なんかないのでは?と思っていました。
しかし、『生まれ変わりの村』を読んで、そういう良くない霊がこの世の人間に近づくこともありそうだなと思うようになりました。
投稿: だいべ | 2011年4月 9日 (土) 01時06分
だいべ様、コメント、ありがとうございました。そして、返信が遅めですみませぬ。
私は森田健さんのファンであるくせに、『生まれ変わりの村』は2までしか読んでいないし、雑誌ネムキのことは知っていながら、単行本の1冊も買っていない、無精者です。反省。
しかしながら、お勧め本の紹介は、ありがたく覚えておきます。『栞と紙魚子』諸星大二郎ですね。メモ、メモと。
『ほんとにあった怖い話』と現在の『HONKOWA』を愛読してはおりますが、スピリチュアル系には、どうも精神的ドン引きをしております。『前世療法』またはソウルメイトに関する本、『生まれ変わりの村』など、どれもこれも、読めば読むほど、信じられなくなります。
こんな平々凡々な私が、様々な国で人生経験を積んできた? さらには、知人よりも赤の他人様の方がはるかに多いのに、ソウルメイトなんて、ありがたい仲間がいる?? あの世からこの世へ、すんなり生まれ変われるなら、どうして、悪さをする霊がいるのでしょう??? と、謎は深まるばかり。
それでも、霊感のある知人の証言と、森田健さんの本の内容には重なる部分が多いです。
なので、読むのも更新も遅いですが、じっくりと、森田健さんの本の感想を述べていくつもりですので、よろしくお願いします。
投稿: 紅林真緒 | 2011年4月 9日 (土) 22時44分