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2009年10月12日 (月)

『ベルセルク』34巻の感想

 漫画『ベルセルク』34巻(三浦建太郎・白泉社)の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意下さい。
 クシャーン帝国大帝ガニシュカが使徒でしたが、グリフィスの実力だか魅力だかに焦り、ゴッド・ハンドをもしのぐ魔獣に転生。その姿は天まで届く、巨大などす黒い柱のようで、先端が手のような形をした、無数のこれまた大きな触手を持ち、何百、何千人と、自国の兵士を踏みつけて歩きます。ガニシュカの意識でさえも、断片化して、ほとんど思考ができません。そうこうするうちに、ガニシュカは火の玉をまき散らし、地からは彼の顔に似た木の根やウニに似た巨大怪物を数多く出現させながら、接近。ブリタニア正規軍の新(?)鷹の団、グリフィスの軍隊は、戦魔兵を本来の使徒の姿にさせて応戦。一般兵士と貴族は、いったんそのおぞましい姿に浮き足立ちますが、巫女のソーニャが一喝、「鷹とともに戦うか戦わないか」と叫んで自ら、根の怪物の元へ。その勇ましい姿に、皆、奮い立ち、使徒と人間が協力し合うという、信じられない光景が展開するのでした。

 根の怪物は掃討されていきますが、ガニシュカ本体は、びくともしません。グリフィスはゾッドに乗って飛行し、天の果て、ガニシュカの意識のある中心部へ到着。かつてのゴッド・ハンド、「フェムト」の姿になっていましたが、突如として、背後からゴッド・ハンドをねらう「髑髏(どくろ)の騎士」が出現。そのまま、「喚び水の剣」でグリフィスを切りつけますが、その勢いはガニシュカにまで及びます。霊的存在になっていたのか、グリフィスは無傷。代わりに、剣は空間をゆがめて、ガニシュカを深く切り裂き、滅します。その裂かれた空間からは、もう一つの太陽のような凄絶な光があふれ、海上にあるガッツをも呆然とさせるのでした。
 ところが、ガニシュカ崩壊(?)で平和になったはずが、あらゆる人々が驚愕する事態になります。ユニコーン、ヒュードラ(? レヴィアタン?)、ハーピー、ドラゴン、コボルト、エルフと、今まで伝説として語られ、想像されてきたけれども、決して見えず感じられなかった存在が次々と、数限りなく現れ、人々の生活をおびやかすのでした。ここで続く。
 まるで、謎の画家であるボス(ボッシュ?)の奇怪な名画、『快楽の園』をイラスト化したかのようなお話でした。私の不満としては、ガッツの出番が少なーい! ガニシュカVSグリフィスは、数巻続行するような派手な展開を期待していたのが、拍子抜けするほどに、あっさり片付いてしまいました。
 それにしても、「髑髏の騎士」は何者なのでしょう? 今回はゾッドの翼に隠れていましたが、あの奇妙な「悪魔」は、髑髏の騎士の部下、あるいは仲間なのでしょうか? 以前の巻で、キャスカやガッツになついていたけれども、いつの間にか立ち去った、口をきかない、髪の長い男の子の正体も不明ですよね。
 長期連載のダレは、残念ながら、今の『ベルセルク』に認められます。けれども、以上に挙げた謎の正体と、物語の収束、何よりもガッツとグリフィスの宿命の対決まで、見逃すことはできません。やはり、途中からお読みになるのは、おすすめできませんが、この巻にしても、ガニシュカや使徒のすさまじい奇怪さ、おぞましさは、とても言葉にできず、実際に見ていただくしかありません。永井豪さんが、漫画『デビルマン』の最終回頃に、ひどく体調を崩されたと、何かで読みましたが、三浦さんもそうならないことを願います。それでは。

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