« 『似たもの一家』『仲良し手帖』感想の補足・『サザエさん』3の感想 | トップページ | 『サザエさん』4の感想 »

2009年10月 6日 (火)

『凍牌』7巻の感想

 漫画『凍牌』(志名坂高次・秋田書店)7巻の感想を申します。ネタバレですから、ご注意下さい。
 6月の発行なのに、どこまで遅れているのでしょうか。もう、次の新刊が出るのでは? こういうのろさが私の本質なので、どうかご容赦下さい。たぶん、他の方の感想は、もっとおもしろいと思います(おいおい)。私としては、愛想を尽かさず、買い続けてよかったというか、新しい漫画本のうちで、もっともおもしろかったです。麻雀のルールをよく知らず、うまく説明できないのが本当に残念。
 ストーリーですが、3つに分かれます。女性雀士アイとの決着、イカサマが得意な同級生、上野との再対決、全日本麻雀鳳位トーナメント出場というもの。メインで一番おもしろかったのが、上野との勝負。3つとも割りと独立していますから、あらすじ紹介は軽い方からいきましょう。
 トーナメント編は、高校二年に進級したKが、久しぶりに平和な大会に参加しますが、いきなり小学生みたいな少年に大負けし、またコンビ打ちの不気味な二人組みに遭遇したところで、次巻へ続く。
 冒頭のアイとの闘いは、カンによってKのあがりを阻止しようとしたアイですが、ハイテイ(最後の牌)はカンできないルールによって、逆にKにロンされてしまいます。こうして、流れはKへ。総合的に読むKに対して、アイは瞳からしか読めない弱点を露呈、Kの逆転勝利となりました。最後に、アイは父親から性的虐待を受けていたためにこの洞察力がついたと打ち明けたところ、Kは「弟を両親に殺されている」と答えるのでした。

 上野編では、不良とトラブルを起こした上野は、金を要求されてしまいます。得意の麻雀で稼ごうとしますが、相手が強すぎて(畑山と堂嶋)、逆に多額の借金を背負わされます。それはKの所属する高津組と対立する、佐々山組系の昇心会。上野は借金をチャラにしてもらう代わりに、Kに勝つため、とんでもない策略を持ちかけます。
 そして、互いのシマを賭け合った、高津組対昇心会の麻雀勝負が始まります。高津組はKとイケと呼ばれる男。Kは直前まで誰と闘うか、まったく知りませんでした。昇心会側は上野、そして幼なじみの優。上野はKの秘密を教えるとだまして、帰宅途中らしい優を連れて来たのでした。事情を知らされていない優は、代打ちを断ろうとしますが、上野、さらに昇心会の男の暴力によって強引に席に着かされます。真っ向勝負では勝てないと察した上野は、Kの情に訴える形で、優へ当たり牌を出させる作戦を行なおうとします。優は昇心会の人質なのでした。
 呆然とする優に、昇心会側は激しく責め立てます。見張り役の男から、制服を破り捨てられて上半身裸にされ、一本のアイスピックで左手の甲をサイドテーブルまで貫かれ、縫い止められます。平然と、Kが一勝したため、上野が見張り役に要求し、優はさらに二本のアイスピックを突き立てられます。激痛を必死でこらえ、優は開き直りのような心境でKに、「大好きだよ」と、涙を流しながら微笑します。すかさず、優の捨て牌であがるK。「もう殺してもいいよ」と、優は見張り役に言います。
 上野は、優が人質にならないことを察して焦り、昇心会側に、「自分と優の二人勝負に変更してほしい。自分が勝ったら、Kを絶対に殺す」と、持ちかけて了承されます。優は自分の負ければ、Kが危なくなると動転して必死。上野は殺人鬼のようにキレたふりをする一方、優へ「また抱いてやる」などと言って、純情な彼女を慌てさせ、降り打ちをさせてしまいます。優は号泣しますが、上野との力の差は歴然。次は上野が親。困惑して泣く優に、袖口にわざと牌を引っかけて、中をのぞく上野。イケは上野をののしりますが、Kは無言。ただ、目つきが鋭くなっていきます。やがて、上野がまたリーチ。イケは勝負できず、優は絶体絶命かと思われた矢先、一つの牌をつかんだKの右手首を、上野はとらえます。「Kはその手の中にもう一枚の手持ちの牌を握りこんでいて、山の牌とすり替えた、イカサマだ」と、叫びます。これぞ、上野の本当の秘策でした。
 イカサマと聞いて、高津組、昇心会ともにどよめきます。上野はKに手を開くよう命じますが、高津は「イカサマでないとしたら、シマと現金は倍もらう。イカサマならば、こちらが倍払い、Kを差し上げる」と、皆に言い渡し、何とKは応じます。あまりに冷静なKの様子に、逆に上野が狼狽します。高津、昇心会側、何よりも無表情なKの威圧感に耐えかね、上野は逃げ出そうとしますが、イケにつかまって、めった打ち。上野棄権で、高津側の勝利に終わりますが、開いたKの手の内には、二枚の牌が。Kはイカサマをしていたのです! 昇心会は上野と優を3千万で売ってやろうかと持ちかけますが、優は断り、Kは立ち去り際に、「さようなら・・・・優」と告げます。他人行儀な「桂木さん」でなく、名前を呼ばれて、またもや号泣。Kの命がけのイカサマと、人質としての取引に応じなかったのは、ひとえに優のためだったのでした。結局、優は高津によって5千万で買われます。
 ふーっ、簡単にすませるつもりが、夢中で長くなってしまいました。今回の見どころは、上野編の予測不可能なところです。Kは負けないで、優を助けるためには、見捨てるしかなかったとは、いかにもKらしい。上野の小心さゆえの卑劣も、いいです。私も本気で腹を立てましたよ。
 なぜか、Kはアイ編から一人称が「ボク」から「僕」に変わっており、私としては彼の成長を見た気分でうれしかったです。上野編では、優をさんざん嘲笑する上野に対して、Kの鋭くなった瞳のアップが、八神庵そっくりで、わくわくします(わからない方は、スルーしてください)。逆に、トーナメント編では、眠たそうな平和な顔と、Kのいろいろな表情が楽しめます。
 私は志名坂さんを、失礼ながら、絵に色気がないと評したかと思いますが、ごめんなさい、撤回いたします! Kがかっこいいばかりでなく、優がとてもかわいくて魅力的です。「大好きだよ」という表情がいいですが、萌え絵もオーケーなのではないでしょうか。
 次回は本当に、平和な大会ですむのでしょうか。高津の、アミナが爆弾を抱えている発言も気になりますが、「Kは俺から 逃れられない/死ぬまでな」という意味深な薄笑いとセリフには・・・・助けて下さい! 妄想が爆発しそうです! それでは。

ご協力お願いします。
人気ブログランキングへ

|

« 『似たもの一家』『仲良し手帖』感想の補足・『サザエさん』3の感想 | トップページ | 『サザエさん』4の感想 »

凍牌」カテゴリの記事

コメント

感想拝見いたしました。
凍牌は最近のマージャン漫画とは一線を隔す感じがして、
単行本派の私は毎巻発売をとても楽しみにしています。
ちなみに本日⑧巻が発売になりましたので(笑)、
また感想を書かれるのを楽しみにしております。

投稿: galileo | 2009年10月21日 (水) 01時00分

コメント及び貴重な情報を、ありがとうございました。
素早い投稿ができない上、ブレまくりのブログですが、よろしかったら、またお立ち寄りくださいませ。

投稿: 紅林真緒 | 2009年10月21日 (水) 01時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224628/48193776

この記事へのトラックバック一覧です: 『凍牌』7巻の感想:

« 『似たもの一家』『仲良し手帖』感想の補足・『サザエさん』3の感想 | トップページ | 『サザエさん』4の感想 »