『サザエさん』1の感想
漫画『サザエさん』1(長谷川町子全集1巻・朝日新聞社)の感想を申します。ネタバレですから、ご注意下さい。
長い『サザエさん』を読みだして、いきなり、感想かという自主ツッコミを入れたいところですが、この姉妹社版1から3巻を収録したこの本は、サザエの人生が劇的に変わっていきますので、記録しておきたく思ったからです。
本編は、「夕刊フクニチ」に昭和21年4月から、昭和23年6月まで連載されていたそうです。だから、食料の配給、闇市といった、いかにも戦後直後といったようなエピソードが多いです。
最初、サザエは家事手伝いをやっていましたが、波平の東京転勤にしたがって家族が引越し後は、出版社、ハロー社に勤めます。それから、姉妹社版3巻の巻頭の「ことば」によれば、サザエは「読者のみなさまへ」と題して、「フグ田マスオと結婚して、タラちゃんが生まれた」ことを文章で報告しています。それから、漫画では、新居である借家を、大家が勝手に売り払ったため、近所にある実家、磯野家に夫や子供をつれて引っ越してきた、というわけです。3巻になって、ようやく『サザエさん』のバックグラウンドがそろうわけですね。
そのせいか、マスオとタラちゃんの存在感が薄いです。タラちゃんは赤ちゃんで、サザエによって、ねんねこに包まれておんぶされていることが多いです。さらに、ワカメはまだ小学校に行っていないようですが、よく泣いて、いたずらもする、なかなかのやんちゃ者。
様式としては、1ページ2つの大コマが2ページあるという、超特大ともいうべき4コマが所々に入っています。他はほとんど、1ページに収まる4コマです(1ページ8コマという、現在、定番の4コマスタイルではありません)。『似たもの一家』『仲良し手帖』でも感じたのですが、線が太めですね。筆のように見えるのですけれども、何なのでしょう? 一度、長谷川町子美術館に行ってくるべきかもしれませんね。
「カツオの髪型が違う!」「サザエは、いつも同じ服ばかり着てる」などと、ツッコミを入れながらも、私は結構はまっているかもしれません。それでは。
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