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2009年12月 2日 (水)

『月刊化石コレクション』no.03の感想

 雑誌、月刊『化石コレクション』(朝日新聞出版)no.03の感想を申します。ネタバレのオンパレですので、ご注意下さい。
 no.03はアンモナイト特集です。アンモナイトといえば、ペルム紀末に絶滅した、ゴニアタイトの後を引き継ぐようにして、三畳紀からジュラ紀にかけて栄え、白亜紀末に絶滅した、もっとも有名な化石です。その特徴的な渦を巻く殻のフォルムは、私が今さら説明するまでもありませんが、しかしまた、謎めいた生き物なのです。
 もっとも驚いたのは、場所によってはボコボコと大量に発見される、ポピュラーな化石であるのに、殻の部分しか発見されていないことです。軟体だから化石になりにくいのかというと、よく似た仲間のイカ(ちなみに、オウムガイ、タコ、イカは、ペルム紀末と白亜紀末の大絶滅を両方とも生き延びています。すごい。私は回転寿司で、もっと感謝と敬意をこめて、タコやイカを食べることにします)の化石はちゃんと発見されているのです。だから、アンモナイトのイラストはすべて、殻をのぞけば触手も目玉も、オウムガイの姿を参考にした、想像の産物であり、いつか、世界のどこかでアンモナイトの軟体部の化石が見つかったら、世紀の大発見となるそうです。がんばれ、化石マニア、化石フリーク!
 その殻も、様々な色や形状があります。何よりも、ホースをぐちゃぐちゃに曲げて放置したかのような、奇妙な巻き方のアンモナイトが白亜紀に出現しているそうです。これをニッポニテスと呼び、その名のとおり、日本で初めて発見され、ロシアやアメリカでも見つかっているとか。曲がりまくった殻では、泳いだり隠れたりするのも大変だったはずなのに、どのようなライフスタイルだったのか、謎であるそうです。
 はーい、紅林の仮説では、幼いうちに寄生虫にやられていたのではないかと思います。現在もカタツムリに寄生して、ツノの部分を太く大きく(しかもエグく)、すっかり変形させてしまうものもいるのですから。そして、寄生虫は浮気をしない、じゃない、種の違う生物に寄生しません。アンモナイトのみに特化したその謎の寄生虫は、アンモナイトの絶滅および軟体部とともに、永遠に消失したのではないでしょうか。
 そのようなわけで、目からウロコが落ちっぱなしの特集でした。でも、しかし、肝心なおまけの化石が小さい! 地味! 当たりハズレが大きいのでしょうか。
 それでも、科学情報誌は、下手な時代小説、大河小説、携帯小説なんぞよりも、ずっとおもしろくて、わくわくして、人生観や価値観を揺るがしてくれます。私なんぞは、90パーセント以上の生物が死んでしまった、ペルム紀末の大絶滅を知って、神様はいないのかと、悲しくなってしまいましたね。そして、タコやイカの存在により、救われた気分になりましたけど。
 科学情報誌は種類によりますけれども、イラストや写真でイメージがふくらむところがいいと思います。絵本や図鑑に夢中になった子供の時の感覚が再現されますし、視覚によってダイレクトに伝わるところも、小説などでは味わえませんから。やっぱり、化石はロマンだ、新しく知るのは至上の快感だと、私は感じ入るのでした。それでは。

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