『セキララ結婚生活』の感想
漫画『セキララ結婚生活』(けらえいこ・講談社文庫)の感想を申します。ネタバレですから、ご注意ください。
イラストレーターのえいこさんと、雑誌編集者のしんじさんが新婚生活を始める、という、シンプルでほのぼのした絵柄ながら、私のような既婚女性にとっては、なかなか身につまされる、思い当たる、結婚の夢と現実について語られます。四コマではなく、普通の漫画の形式です。デフォルメが効いていて、かわいくないわけではありませんが、下品になるギリギリというところですね。
エピソードの合間に、「汚い夫のしつけ方・神経質な妻の慣らし方」など、おもしろ痛いコラムやアンケート結果などが入ります。
おもしろかったです。が、できれば、もう一つ味つけが欲しかったですね。たぶん、新婚1年目の私が読めば、もっと身につまされているように思います。もう、すっかり既婚者になりきっていますからねえ。それとも、「結婚生活は大変だけど、それでも幸せ」と、現状肯定的なのが、ひねくれ紅林には気に入らないのでしょうか。
(おーい、同人誌製作者諸姉、結婚なんてこんなものなのですよ。だから、新婚ネタ本なんて、空しくないかーい?)
少なくとも、新婚や育児など、多忙でたまらない時こそ、ネタの海に溺れているという、部外者からは、うらやましい状態ですよね。寸暇を惜しんで、描く、書く、表現する者の勝ち、ということでしょう。私は書いていたつもりでしたけれども、この作品を読むと、まだ足りなかったなと、反省してしまいます。
このお話は、実に素直に、妻の側から見たエピソードのみなのですが、夫から感じた・考えた結婚生活とは何なのでしょうか。一度、そういうエッセイや漫画も読んでみたいです。
私は、作者のけらえいこさんを知りませんでしたが、『あたしンち』を描いておられるそうです。それでは。
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