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2009年12月26日 (土)

『サザエさん』13の感想

 漫画『サザエさん』13(長谷川町子全集13巻・朝日新聞社)の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意ください。
『サザエさん』13は、朝日新聞に昭和37年5月から昭和38年5月まで掲載されており、姉妹社版37巻から39巻に収録されたものをまとめています。これで、『サザエさん』の感想もラストです。
 特筆すべき部分は、姉妹社版37巻(?)に掲載されたであろう、磯野家のご先祖のこと。カツオが、「うちの先祖で有名な人は?」と、たずねてきたので、波平は答えたのです。
「ご維新の頃、磯野藻屑源の素太皆(いその もくず みなもとのすたみな)という人手、お彼岸におはぎを38食べて、大評判になった」
 何巻だったか、そのご先祖が波平の夢枕に立ったエピソードがありましたが、外見は波平そっくりでしたね。あれが、藻屑源の素太皆だったのですか。私としては、サザエ、カツオ、ワカメのいとこ、おじやおばについても語ってほしかったですね。伊佐坂一家は、どうなったのやら。
 それでも、磯野家には、実は現代人と大きく異なる美質があるのです。すべてのお話を読んだ今だから、申し上げましょう。

1.登場人物全員、基本はとても働き者である。サザエが「生地を買ってきて、自分なりに仕立てようとする」エピソードは、いくつかありました。私が洋裁を習っていたのさえ、かなり珍しがられましたから、今では自分が仕立てることさえ少ないと思います。
2.いたずらや失敗はしても、品がある。サザエがシュミーズ(死語)姿になるのも、夏の暑さゆえで、疲れてだらっとすることはあっても、汚い格好、だらしない着こなしはありませんでした(着こなしに失敗するのは別として)。
3.年中行事を熱心に行なう。まあ、時事ネタはありますし、朝刊の漫画という性質もあるでしょうが、それにしたって、すごいなと思います。大晦日の美容院が、お正月からきれいでありたい女性で満席になる、お正月はカツオもワカメも着物を着ているなど。
4.他人との距離が極めて近い。 磯野家の面々は、見ず知らずの人とよくしゃべりますが、ホームレスの人が話しかけてくることもありました。今、ホームレス自体、住宅街にいませんよね? 連載初期には特に多いのですが、ご近所の人が酒や調味料を借りたり、おかずや果物をおすそ分けしたりするのは、すぐれた美質だと思います。同じような困ったことが起きたら、今ならば、猛ダッシュして、スーパーやコンビニに駆け込むでしょう。たくさん料理しすぎたら、他人にあげるよりも、冷凍保存してしまうと思います。
「昔の人は偉かった」なんて、大嫌いな言葉ですし、言いたくはありませんが、『サザエさん』を読んでいると、現在は物理的に豊かになった代わり、人との触れ合い、関心、好意、信頼が薄れてしまったなあと、感じてしまいます。日本人は、フランス流の個人主義が、肌に合わないのかもしれません。だから、ゴミ屋敷や、モンスターペアレンツなどが増えてきたのでしょうか。問題を起こしている人たちは、本当は寂しくて、誰かに話を聞いてほしくて仕方がないのではないかと、私は思うのです。それでは。

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