『パソコン在宅ワーク術 最新版』の感想
書籍『パソコン在宅ワーク術 最新版』(笠松ゆみ・白夜書房)の感想を申します。ネタバレを含みますから、ご注意ください。
記事作成のお仕事をやっているため、私はいろいろと在宅ワークに関する本を読んできましたが、この本が現段階では、もっとも実践的で、上から目線でもなく、素直にするっと、そして熱心に読めました。こちらで紹介されているノウハウは、かなり使えると思いますので、やってみるつもりです。運命の場である、I図書館から借りたのですけれども、今もなお販売されているのでしょうか? お勧めです。
・・・・って、それだけでは感想にならないだろう、と自主ツッコミを入れて、さらに続けます。
初版2003年で、今まで読んだ在宅ワーク本の中で一番新しい、はずですが、それでも、やっぱり、情報が古いです。在宅ワークの仕事の説明で、もっとHP作成系やWEBデザインのことにも言及すべきだと思います。逆に、経理代行が紹介されていますが、個人情報保護の時代、元社員でもない外部の人間に、わざわざ、報酬をやってさせるでしょうか? 疑問です。
それから、以前の在宅ワーク本と同様の苦情ですが、載せられているHPが存在しないものがありました。せっかく、HPの必要性、有効性を熱弁しながら、どうしてあっさり閉鎖?してしまうのでしょうね? やむにやまれぬ事情ができた? それとも、いいプロバイダやドメインを見つけたら、即刻、そちらへ移るのがWEBの常識?
さらに、著者の笠松さんは、在宅ワークとは、自宅にこもって一人で仕事を行なうのではなく、同じ仲間をつくって仕事を分担していくべきなのだ、在宅ワークはSOHOという名の自営業なのだと、主張されています。その意見は、納得できますが、一人で仕事をするのが気楽な人、ほどほどの収入で満足している人に、名刺を作って宣伝をかけろというのは、ちょっと違うように思うのですけどね。
ま、繰り返しになりますが、在宅ワークは「家事や育児の片手間に行なう仕事」ではなく、「家事や育児の算段をつけながら、通常の事務所並みに必死で行なう仕事」ということです。そして、この本の内容さえ古さを感じたように、自分にできる知識や技術は、精一杯、勉強して身につけていかなければ通用しないな、と思いました。エクセルやワード程度で満足していてはいけないのです。アクセスやパワーポイントなど、いつ、何が、どう生かされるのか不明だからこそ、わずかずつでも習得してライバルと差をつけ、「私はエクセルやワードが得意ですけど、アクセスやパワーポイントの基礎もできるのですよ」と、アピールしていかなければならいのだな、と痛感しました。
そのように指摘してくれただけでも、この本はとても貴重です。本当に、在宅ワークは、「自宅で楽して稼ぐこと」ではなく、「自宅を個人オフィスとして、必死で働くこと」ですね。それでは。
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