« 『バビル2世』3、4巻の感想 | トップページ | 浅田真央、世界女子フィギュア選手権、二度目の優勝、おめでとう! »

2010年3月28日 (日)

細部にこそ、神が宿る-『バビル2世』における気づき

 細部に、神宿るとは、いかにもA型である、私らしい気づきだなと思います。今回は、重箱の隅をつつくような、つまり、批判めいたことを申しますから、真面目な横山光輝さんおよびバビル2世ファンの方は、ご注意ください。少年チャンピオンとか、秋田書店様についても自在に申します。関係者とファンの方は、失礼な表現がありましたら、ごめんなさい。悪意というより、不勉強なやつの気ままな感想ですからね!

 バビル2世は、スピンオフ作品も発表されていますし、私が気にかけようがかけまいが、ロングセラー人気作でありましょう。しかし、恐らく、90パーセントの人に喝采されても、10パーセントの人には受けつけられないと思います。作品の個性および特徴は、欠点と背中合わせなのですが、バビル2世は心理描写が乏しいですからね。情緒的なものを好む人には、それこそ、砂漠の砂を噛まされる思いがすることでしょう。ヨミがなぜ、「有限会社 世界征服」(冗談です。漫画界には、「株式会社 正義の味方」〈あばしり一家・永井豪〉もありますからね)なんて組織をつくったのか、由美子と浩一の間で、本当に恋愛感情はなかったのか、とか。でも、そういうエピソードを入れると、スピーディーな展開と鉄壁のストーリーでなくなってしまう・・・・。
 ああだこうだ考えた挙句、私の出した結論は(たかが知れてますけれどね)。
 設定だけが秀逸ですが、いかにも少年漫画らしい、パワーとノリだけが取り得の作品と思わせておいて、意外と大胆かつ緻密に、ストーリーが練られているのではないでしょうか。何となく、私は横山さんが執筆はしながらも、頭の中では、先の先の先まで、ストーリーを考えていたような気がしてならないのです。
(もし、横山さんのエッセイを見つけて、『毎回、締切に間に合わせることだけで必死だった』とあったら、大間違いですが。ま、単なる仮説です)

 1巻で、ロプロスが迎えに来たから、「お世話になりました」と、両親にあっさり挨拶してバベルの塔へ旅立つ浩一、いや、バビル2世には、今なお違和感があります。ついこの間までは、平穏な中学生だったはずなのに、次々に起こる異常な状況、自らの超能力、命の危険さえも、状況に応じて、戦うか、逃げるか(いや、彼はよく逃げていますよ。疲労すれば、しもべにサポートしてもらうし、戦闘不能になれば隠れもします)しているのですよね。そういう行動タイプなところが、私にO型?と思わせる理由ですが、ただ、O型の人は寂しがりやが多いのですよね。3巻では、バビル2世は広いけれども、殺風景な石造りの寝室?で、天蓋つきのベッドに仰向けに寝転がり、かたわらには、飲み物を入れているらしいポットとカップの備えたお盆を載せている、サイドテーブルがありました。珍しい、彼のプライベートの一コマです。
 推測するに、ヨミとの戦い以外では、コンピューターとしゃべるのも味気ないものですから、ロデムがお相手しているのでは? まさか、液体化していないでしょうから、ネコ科らしく、やわらかく、ぬくぬくの体になって、バビル2世にすりすりしながら、話し相手になっているのだと思います。
 猫好きの私には、萌える・・・・いや、うらやましい! うちのマンション、ペット禁止ですから! そんなお気に入りのロデムなのに、3、4巻では台詞なし。残念! 5巻以降では、もっとしゃべってほしいです。
 ところで、秋田書店から発行されているこの豪華愛蔵本ですが、表紙をご覧になって、「あれ?」と、奇妙に思われた方はいらっしゃいませんか? 私はネット書店の単行本を見てみたのですが、それに比べて、愛蔵本の表紙イラストに描かれているバビル2世は、妙に太っているというか、重たそうに見えます。描き方が変わった? 色が濃いから? とにかく、単行本では、私が絶賛していた、「わかりやすく、躍動感のある絵」なのに、何が起こったのか、あったのか。ちなみに、この愛蔵本は、中表紙や目次を含めた最初の6ページがカラーで、単行本より大きいから絵に迫力があり、経年劣化に強い、のですが、それくらいしかメリットがありません。評論や、横山さん自身の創作秘話、大きな書下ろしイラスト、単行本表紙イラストとか、何かプラスアルファが欲しかったです。タイトル文字も、こぎれいな写植じゃなくて、連載中に使われていたものを転用していればなあ。愛蔵するにはいいけれども、値段が高すぎですね。
(これで、私、秋田書店さんの懸賞に当たらなくなるでしょうね。関係者の方が、こんな辺境ブログを見つければ、の話ですが)
 I図書館では、続編の『その名は101』は置いていません。リクエストしたら、いつまで待つことになるのやら。ついでに、ネット書店で、101の単行本や愛蔵本他をチェックしたのですが・・・・久しぶりに、二次元キャラで、精神的鼻血っ!! い、い、一体、ど、どうした、バビル2世! 無敵の君が、どうして、上半身裸で拘束されているっぽいのですか!
 漫画通にたずねてみたら、『その名は101』は、私にとって微妙だということでした。逆上するかもしれないというのです。その代わりに、『あばれ天童』と『闇の土鬼』を勧められました。そうあいまいにされると、かえって興味が湧いてしまいます。まだバビル2世を読了していませんが、上記3種類は入手して、読んでみたいと思っていますが、よろしかったら、そのレビューにもおつきあいください。それでは。

ご協力お願いします。
人気ブログランキングへ

| |

« 『バビル2世』3、4巻の感想 | トップページ | 浅田真央、世界女子フィギュア選手権、二度目の優勝、おめでとう! »

横山光輝作品」カテゴリの記事

コメント

 どうして、私って毎回、誤字、打ち損ない、意味不明な表現が多いのかなあ。
 それで、今、こそこそっと、修正していましたが。
(すみません!)

 今週も、ようやく無事に終わります。

 バビル2世に明け暮れた週でしたねえ。
 来週は、『土竜の唄』やバーディーのブックレビュー・フェアにしたいものです。
 穏やかに、ココログのブログネタに初参加してみるのもいいですよね~。
 

投稿: 紅林真緒 | 2010年3月28日 (日) 22時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 細部にこそ、神が宿る-『バビル2世』における気づき:

« 『バビル2世』3、4巻の感想 | トップページ | 浅田真央、世界女子フィギュア選手権、二度目の優勝、おめでとう! »