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2010年4月26日 (月)

『信長の忍び』1巻(重野なおき)の感想

 四コマ漫画『信長の忍び』(重野なおき・白泉社)1巻の感想を申します。ネタバレを含んでいますから、ご注意ください。
 前回のアニマルの感想で取り上げたとおり、これは四コマ漫画ですが、すべてつながっており、6ページ前後で一つのエピソードが、そしてエピソードごとにストーリーが組み立てられていっています。具体的には、「7(第7話という意味) 今川軍がやってきた 桶狭間の戦い①」「8 鳥のごとく 桶狭間の戦い②」「9 桶狭間の中心で、義元が叫ぶ 桶狭間の戦い③」という具合ですね。
 主人公は、伊賀の忍びの少女「千鳥」で、彼女は川で溺れていたところを、織田信長に助けてもらいます。そして、千鳥は信長を襲った刺客4人を手裏剣で倒し、信長は礼代わりに、髪留めの布を与えます(以降、彼女はその布を巻いて、ポニーテールのような髪型になります)。乱世を終わらせたいという信長の願いに感服した千鳥は、5年後、同じく伊賀の忍びの一人である助蔵とともに、信長に仕えることになったのでした。
 千鳥と助蔵(1巻では10歳前後か?)は、もちろんフィクションですが、他に登場する人物は、織田家武将の柴田勝家、森可成、松平元康、信長のパシリの木下秀吉、信長の妹であるお市、信長の正妻の帰蝶、秀吉の妻になる、ねね。織田のライバル、今川義元。帰蝶の父である斉藤道三、道三の息子で謀反を起こす斉藤義龍、帰蝶の甥で義龍死後の美濃大名、斉藤龍興。道三に仕えていたが、彼の死後は諸国を回っているらしい明智光秀、斉藤家に仕える謎の天才軍師、竹中半兵衛・・・と、実在した有名人が勢ぞろいしています。
 ストーリーは、千鳥と信長の出会いと就任、桶狭間の戦い。それから、若かりし頃の信長と斉藤道三の出会い、道三の討ち死に(このあたり、千鳥の出番なし)。また桶狭間後に戻って、千鳥が竹中半兵衛に出会ったのをきっかけに、信長が美濃の本格的攻略に動き始める、というもの。

 戦国時代は、日本史ファンに人気ガ高く、エピソードには事欠かないものの、どんなふうにしたらギャグになるの? と思っていましたが、これがかなりおもしろくて、笑えます。まず、信長も含めて、シンプルな絵柄ながら、特徴をよくとらえています。さらに、千鳥や帰蝶、ねねはとてもかわいい!現代ネタと絡めたら興ざめになるところを、あくまでキャラクターの個性で勝負しています。つまり。

例1)桶狭間付近で大雨に見舞われた際の3人のモノローグ(60ページ)
柴田勝家(この雨なら馬の足音を消せるぞ!!)
森可也(しかも風は追い風だ!!)
木下秀吉(やばい 洗濯物干しっ放しだ!!)

例2)斉藤道三が息子を軽んじるような発言をしたことに対し、むさ苦しい風貌の義龍が激怒(100ページ)
「おかしいと思ったぜ・・・・」
(手鏡を見ながら)「ヤツからオレみたいな美男子が生まれるはずがない!!」
家来達、「えー」と愕然。

 確か、今川義元は首をはねられるし、斉藤道三は鼻をそがれて長良川に生首をさらされたと思いますが、そういう残酷なシーンはカットされています(記憶力悪いし、日本史は苦手なくせに、変ですね、私)。軽妙ながらも、基本はがちっと押さえていますから、子供達の日本史の勉強にもなるのではないでしょうか。
  ギャグですから、ツッコミどころは当然、たくさんありますよ。まず、千鳥。信長と出会った時、5.6歳の幼女でした。それが、刺客4人を手裏剣で倒すって、あんたは『伊賀の影丸』『闇の土鬼』よりすごい(実際、桶狭間の戦いでは、先陣を切って戦っていました)。きっと、影丸のご先祖に違いありません。
 次に、マムシと異名を取る斉藤道三が、特徴付けとして首に巻いていたマムシ(実はシマヘビ)ですが、彼の最期にあたって離れ、涙を流していたのが、けなげでした。
 私のお気に入りは、イケメン(笑)の森可也と、これから登場する、松永久秀です。実は、斉藤龍興は1巻では、ぶよぶよのダメ殿なのですが、どのあたりのエピソードからなのか、突如として、私好みのワイルドな美形になります。とにもかくにも、日本史が苦手な私にも楽しめた、おもしろ楽しい漫画です。2巻も楽しみにして買います。それでは。

参照

『信長の忍び』4巻(重野なおき)の感想・補足

『信長の忍び』4巻(重野なおき)の感想

『信長の忍び』3巻(重野なおき)の感想(加筆修正版)

『信長の忍び』2巻(重野なおき)の感想

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