『土竜の唄』18巻の感想
漫画『土竜の唄』18巻(高橋のぼる・小学館)の感想を申します。ネタバレだらけですから、ご注意ください。
玲二は、刃、月原とともに、ロシアンマフィアのヌレイエフと合流。警視庁マルボウ(組織犯罪対策課)の桃川千晶、雷、そして厚生労働省マトリ(麻薬取締部)の福澄が、埠頭に待機していますが、肝心なMDMAは見つかりません。実は、月原が、108頭の犬の腹内に、妊娠をよそおって詰めこんでいたのでした。エックス線検査をクリアするためです。
確認のため、ヌレイエフが犬に吐き出させたのを見届けた玲二は福澄へ、突入のサインを送ります。取引は終わり、ヌレイエフが去って、玲二が気をもんでいたところ、福澄がダンプカーに乗って来襲。取り囲まれ、窮地におちいった阿湖義組の面々ですが、月原は刃に、犬を解き放つように命令。MDMAを腹中に隠した犬が、いっせいに逃げ出し、マトリのメンバーは大混乱になります。
ここでようやく、業を煮やした桃川、雷が動きます。100人の警視庁メンバーは、巡視船、ヘリコプター、照明等など最新機器で、阿湖義組三人を取り囲み、玲二は内心ほっとします。が、自らMDMA中毒の刃は、半狂乱で銃? ライフル?を乱射。照明灯が破壊され、ヘリが撃墜されます。そのまま、三人は、沖に停めてある月原のクルーザーを目指して、猛ダッシュ。月原、続いて玲二は海へ飛びこみますが、カナヅチの刃がまごついているうちに、雷と警官隊が発砲します。全身を撃たれて、刃はのた打ち回り、見ていられなくなった玲二は戻って、刃とともに海中に入ります。ひん死の刃は、まだ顔を知らない実父(実際は轟周宝)、修道女からストリッパーへと身を持ち崩し、薬物中毒になって干からびて死んだ母、組を立ち上げたことなどを、夢うつつにたどるのでした。
玲二は刃を背負って、やっと月原のクルーザーにたどり着きます。タラップを上がろうとしたところ、月原は、「その担いでいるゴミは、海に捨ててもらおう。」と言って、銃口を向けてきます。ここまでが、あらすじ。
最後まで読むと、刃を捨てるのか、玲二? しかし、刃を負ぶってタラップを上りかけたその態勢では、反撃なんて不可能だぞ! と、私は心中で叫んでしまいましたね。有利なのは、阿湖義組側か、それともマルボウやマトリなのか。逆転につぐ逆転、予想できない展開は相変わらずですが、おもしろかったです。玲二の立位置が、暴力団だが、実際はモグラ(潜入捜査官)で、組にも警視庁にもバレてはいけないという、微妙で困難だからこそ、おもしろいのでしょう。
また、玲二の性格のよさにも原因があるのでしょうね。薬物中毒で支離滅裂な行動を取る刃は、月原がゴミ扱いするのも無理はないと思います。それを決して見捨てず、発砲してしまった警官に、救急車を呼んで刃を助けるように要請するとは、泣かせるではありませんか。
それから、マニアの方々に朗報です。玲二が海中で死にそうになっている刃へ、口移しで酸素を与える、つまり、男性作家による珍しい男同士のキスシーンが、大ゴマ、次の1ページで全身像と、2ページに渡ってあります。玲二は若くていい男ですが、刃は白目をむいていますから、エロくありませんけれども。本当に、玲二は芯から立派な男です!
私は新しいペットか、観賞植物を飼うことになったら、名前は、玲二、カイジ、仲村みう、佐藤寛子の中から選びます!
今回は、「土竜のグルメ」はありません。しかし、それをおぎなって余りある、おなか一杯、次回が待ち遠しい、おいしさ、いや、おもしろさです。それでは。
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コメント
今回は桃川に罵倒されたときの雷警部のへタレっぷりが印象的でしたね。
以前から思っていたんですが、雷警部があれだけの失態をおかしたにもかかわらず、今回の極秘合同捜査本部の指揮を執っていられるのは、今後の数奇矢会と蜂乃巣会との抗争で起こるであろう失態を全て雷警部に被せて保身を図ろうとしている警察庁上層部の陰謀を感じます。
警察庁上層部「桃川君、これから警視庁組織犯罪対策部に 出向し、雷 吾郎という男の行動を監視し、
随時我々に報告して貰いたい。」
桃川「・・・・わかりました。」
のようなやりとりがあったのではないかと。
玲二が刃を見捨てずに助けたのは玲二の性格を考えれば当然かなと思います。
桃川にあれだけいびられても泣き言一つ言わずに情報屋となり懸命に捜査協力できる程の器ですから。
強制捜査時の桃川の玲二に対する仕打ちですが、今思えば自然な流れだったんじゃないかなあと思うんですよね。
今回さんざん忠告したにもかかわらず、なかなか行動に移さなかったへタレっぷりを見れば桃川は以前から雷警部に対して相当の不満があったに違いないのです。
なんでこんな奴の下で働かなきゃならないんだよと。
もしも玲二相手にストレスを発散していなければ桃川は恐らく雷警部を半殺しにしていたでしょう・・・
玲二はそんな桃川の心情を汲み取って全てを水に流したのかもしれませんね。
投稿: 隆明 | 2010年7月29日 (木) 02時03分
隆明様、コメント、どうもありがとうございました。
上層部の陰謀について、私はまったく眼中にありませんでしたよ。なるほど、そうですね!
単純に、桃川の、「キンタマついてんのか!」の罵倒に、ちょっと笑いながら、萌えてしまいました。
桃川は雷より、玲二と組んだ方が、ストレスがたまらなくていいでしょうね。
しかし、それこそ、玲二がモタモタしたり、ドジを踏んだりしたら、桃川から厳しくお仕置きされそう。
下手をすると、イライラしのぎに、また股間を鷲づかみにするかも。怖いですね、桃川。
また、そういうところが、桃川がいい女であるポイントですけど。
連載はどうなっているのでしょう? 早く、再登場してほしいものです。
投稿: 紅林真緒 | 2010年7月29日 (木) 23時48分
玲二は桃川と組めばモタモタしたり、ドジを踏むような事はないと思うのです。
なぜなら玲二は強制捜査が入ったときに、桃川には肉体的にも精神的にもこれ以上ないと言えるくらい徹底的に痛めつけられていますから、もはや桃川の言う事には逆らえない体になっているでしょう・・・ 睨まれたら睾丸が縮こまるような条件反射ができていそうです。
戦死する恐怖よりも、背後にいる上官(桃川)への恐怖が勝ると、兵士(玲二)は死に物狂いで戦うと言われていますから。
でももし桃川が警察庁のキャリア組で上層部の指示で雷 警部を監視するために警視庁に出向させられているとしたら、それだけでも相当ストレスが溜まっているはずですから、結局はイライラしのぎにまた股間を鷲掴みにされる運命か・・・
ぐりっ・・・
玲二「痛いッ!!!・・・な、なんでこんな酷いことを・・・ッッ」
桃川「お前に口答えする権利はない。 全ては私の気分次第
だ。」
花山「どうした?玲二」
桃川「なんでもない。 ただの触診だ。」
花山「・・・・・?」
玲二「(違う、違うんだ・・・二代目助けて・・・)」
ー翌日ー
純奈「大丈夫・・・玲二君・・・パンパンに腫れてるけど
・・・」
玲二「その話はよしてくれ・・・(クソ!!ッなんで俺がこ んな目に・・・)」
純奈「負けないで・・・玲二君」
(前回の続き)
至近距離でチーターに遭遇したインパラは身動きがとれなくなるという・・・
絶対に逃れられないという絶望からパニックに陥るためといわれるが・・・
ここに居合わせた複数の警察官の状態はまさにそれであった・・・
だが、桃川と花山は60兆の細胞からなる生命危機をうった
えるサインを、意志でねじふせ範馬勇次郎と対峙していた。
2人ともわかっていたのだ。
もしもここから逃げ出そうなどと考えたら「ヤられる」と。
勇次郎「一見筋肉質には見えないその体躯・・・その実一切
無駄がなく鋼のように鍛えあげられているのが、
スーツの上からでもわかる。」
「良い素材だ。」
「運が良かったぜ。」
「こんな絞りカスみてえな連中を何人喰らったところ
でなんの腹の足しにもなりゃしねえッッ」
失禁する雷警部をまるでゴミでも見るような目で見て勇次郎は吐き捨てた。
桃川「範馬勇次郎大臣官邸襲撃事件って知っているか?」
「当時総理大臣だった中曽根氏が範馬勇次郎に襲撃され
た事件だ。」
「100人の機動隊員を素手で屠り、極められた腕力が
警察力では止められないことが証明された事件だ。」
「個人の暴力で国の代表を窮地に陥れることができる
とはさすがは地上最強の生物・・・」
「なんて言うわけねえだろうがよーッッッ!!!」
「お前のようなゴキブリはなーッッッ!!!」
「からなず刑務所にブチ込んでやるッッ!!」
勇次郎「エフッ」「エフッ」 「エフッ」 「エフッ」
謎の怪音を立てて勇次郎は笑った・・・
勇次郎「オレを刑務所にブチ込むだとーッッッ!!!」
「オイオイ、聞いたかよッ、オレを刑務所にブチ込む
だってよーッッッ!!!」
「怖いもの知らずもここまでくるとよーッッ!!!」
「気の毒すぎてなにもツッコメねえよッッ」
(次回以降につづく)
投稿: 隆明 | 2010年7月31日 (土) 09時06分
隆明様、コメント、ありがとうございました。
一昨日、自転車で片道40分のリサイクル本屋さんへ行ってきましたが、バキの在庫がありませんでしたよ。
感想は、お気長にお待ちください。
読むのと感想を書くのは、遅いですが、非常にすきなのですよ。
軽薄な表現をさせていただいて、よろしいでしょうか?
創作文は小説、それともシナリオですか? 格闘ハードボイルド風味ですよね。
玲二、桃川に対してはMになりそう? サポーターをつけて、タマを大事に守りなさいよ(笑)。
桃川、女王様というより、女帝! そばにいたくないけど、身近にいたら、ずっと見ていたいです。眼福。
純奈は天然? 何だか、かわいい。
花山は玲二にさりげなく玲二に気づかって、いいやつですね。顔は怖いけど、面倒見がいい?
勇次郎、怖い! 迫力ありすぎ! しかし、彼にびくともしないで、逆に、きれいだけれども強烈に鋭いあの視線を放って凄んでみせる、桃川はすごい女で、最高の女刑事ですね。それでは。
投稿: 紅林真緒 | 2010年8月 1日 (日) 01時28分
私のオススメのエピソードのうち、花山vsスペックに関してはファンアンケートでも全シリーズを通じてベストバウトに選ばれており、板垣先生自身も最高の出来と自画自賛していますので「読んでがっかり」ということはないと思います・・・たぶん。
花山の年齢が19歳と知ったとき、あの容貌とたたずまいから驚きと衝撃を隠せませんでした。 玲二より1歳年下ですよ・・・
そう考えたら24歳という若さで警視庁組織犯罪対策部の捜査員を束ねている桃川も凄いですね(雷警部はただのお飾り)。
桃川にお仕置き(イジメ)されている玲二は気の毒ですが、
桃川にも同情の余地はあると思うんですよね。
雷警部の今までの行動を見ていると、意図的に桃川のストレスを溜め続けているようにしか見えないんですよ。
おそらく雷警部の思考回路は、
男社会の警察組織で女性である桃川が活躍しているのが気にくわない。
自分が追い抜かれるのは目に見えている。
だからせめてもの抵抗として徹底的に嫌がらせをしてやる。
そんな感じですね。 いつか桃川にボコボコに殴られそうな気がする・・・
自分が書いた創作文は内容的には作文の域を出ていませんが、どちらかといえばシナリオに近いと思います。
純奈「玲二君、なんだか震えてるよ・・・」
玲二「ゴメン・・・女性の体に触れるとトラウマでときどき
震えが止まらなくなるんだ・・・」
純奈「玲二君・・・一体何があったの? 話して!ッ」
玲二「駄目だ・・・オレのアイデンティティーが崩壊しちま
う・・・」
-翌日ー
花山「玲二・・・大丈夫か・・・」
玲二「申し訳ありません・・・二代目。」
「情けない姿見せてしまって・・・」
桃川「恨むんなら雷 吾郎を恨んでくれ。」
「ああやってストレス発散しなければ、私はいつかあい
つを半殺しにしてしまうだろう・・・」
玲二「(もうやめてくれ・・・純奈に合わせる顔がない)」
花山「・・・・大変だな。」
「で、用件はなんだ?」
「喧嘩しにきたってわけでもなさそうだが・・・」
桃川「月原 旬とロシアンマフィアヌレイエフ逮捕のため
捜査協力してほしい。」
「花山組にとっても悪い話じゃないだろう。」
「持ちつもたれつ、お互い命懸けで喧嘩した仲じゃない
か。」
花山「・・・わかった。」
「花山組全情報網をもって捜索に当たる。」
桃川「感謝する・・・」
花山「それにしても楽しい喧嘩だったな・・・」
「気が向いたらまた闘ろうか・・・」
桃川「ああ・・・楽しみにしてるよ・・・」
玲二「(もしかして・・・これが二代目と桃川にとっての
SEXだったりして・・・)」
「(闘争は快楽を得るための手段じゃないっつー
の・・・ッッ)」
(前回のつづき)
範馬勇次郎、奴の手足は多くの人を殺傷し、あまたの野生動物を屠ってきた。
この男の強さは才能という言葉では語りつくせない。
その強さの根源は突然変異としか思えない強靭な肉体にある。
桃川は勇次郎の肉体から考えられるあらゆる情報を読み取り、どうやって勝機をたぐり寄せるかを分析していた。
身長、体重、攻撃力、耐久力、スピードは奴の方が間違いなく上だろう・・・ならば集中力と持久力から活路を見出す以外にない。
ここは殺気を隠しながら集中力を持続させる事で徹底的に我慢比べをし、しびれを切らした勇次郎が攻めてきたときに一撃必殺のカウンターを狙う。
桃川「(奴のペースに巻き込まれるな)」
「(一瞬の気の緩みが・・・死につながる・・・)」
勇次郎「いい集中力だ・・・」
2人の闘気がぶつかり合い空間が歪むッッ!!
玲二「よくやるぜ・・・2人共・・・」
高密度な2人のやり取りに玲二は冷や汗が止まらなかった
(次回以降につづく)
投稿: 隆明 | 2010年8月 1日 (日) 18時27分
隆明様、コメント、ありがとうございました。そして、返信が遅くて申しわけありませぬ。
バキのオススメエピソードのある単行本は、もっと根気よく探してみます。作者様が大プッシュしているなんて、あまりありませんからね。楽しみ~。
は、花山、あ、あれで19歳・・・・。玲二、桃川よりも年下? あわわ、仰天して、言葉が・・・・。
私は玲二、桃川、花山、勇次郎は好きですが、雷は何となく、うっとうしいイメージがあります。やはり、桃川の足を引っ張っているように思うからでしょう。
創作文の方も、ありがとうございます。
玲二、桃川コンプレックスができつつある?
桃川に悪気はないけど、ネコがネズミをいたぶるように、無意識に玲二をつついて遊んでいますね。
花山、怖そうで老けている外見なのに、ますます面倒見がいい、よい人になっています。彼なら、私、挨拶くらいはできるかな。
勇次郎VS桃川、果たして、桃川に勝機があるのでしょうか? 私は勇次郎を見つけたら、即座に、全力で逃げます! それでは。
投稿: 紅林真緒 | 2010年8月 2日 (月) 23時24分
私も玲二、桃川、花山、勇次郎は好きです!
でも勇次郎はあまりにも強くなりすぎて板垣先生ですら制御不能になってしまっていますが・・・
100人もの犠牲者を出したにもかかわらず、警察が
「範馬勇次郎首相官邸襲撃事件」を公にしなかったのは、個人にしかも丸腰の相手に突破されるような警備しか持っていない国と他国の指導者に思われたら困るからでしょう。
世界中の犯罪者になめられますし、警察の威信も失われてしまいますからね。
でも、桃川なら「あれだけの機動隊員やSPが犠牲になったのに、それら一切が無問責なのは絶対におかしい」と勇次郎逮捕に執念を燃やすでしょうね。
-警視庁ー
桃川「雷警部、一体どういう事ですか!?」
「範馬勇次郎から手を引けというのは!?」
雷「俺じゃない・・・上層部がそう判断したんだ。」
「地上最強の生物である彼を拘束できる権力は警察にはな
とな。」
桃川「警部!なにを情けないことを言ってるんですか!」
「総理大臣官邸に配備された機動隊員、SPが合計
100人も犠牲になっているんですよ!!!」
雷「無理だ・・・範馬勇次郎を敵にまわすということは彼と
友好条約を結んだ米国を敵にまわすことになる。」
桃川「キンタマついてんのかコノヤローッッッ!!!」
「上層部や米国があーだとかこーだとか屁理屈並べてる
けどよーッッ!!!」
「結局は範馬勇次郎が恐くて逃げてるだけじゃねーかよ
ッッッ!!!」
雷「・・・・・・・・・・ッッッ!!!」
-都内某所ー
玲二「赤桐ッ!!、テメエ一体どういうことだよッ!!」
「なんなんだよあの範馬勇次郎って奴はよーッッ!!」
「桃川千晶っていう警視庁の女刑事がよ・・・奴の逮捕
に協力しろっていってきやがったんだよッッッ!!!」
「あんな怪物逮捕なんてできるわけねえよ・・・俺は
間違いなく殺されちまう・・・」
赤桐「・・・・知らねーよ。 文句があんならその女刑事
に直接言えよ。 こっちもいろいろと忙しいんでな
もう切るぜ」
玲二「畜生・・・何の因果でこんな目に遭わなきゃならねえ
んだ・・・」
-東京タワー最上階ー
桃川「犬、例の太古から蘇った古代人が拘束具を破壊して逃
走したことは知っているよな?」
玲二「ああ、ピクルのことか。」
桃川「今、警視庁も全力で行方を追っているんだが、なかな
捜査が進展しなくてな。」
「あくまで憶測の域はでていないが、私は花山がピクル
を保護していると見ている。」
玲二「(この女・・・スゲェ・・・完璧にバレてる)」
桃川「心配するな。」
「捕獲する気はさらさらない。」
玲二「え?」
桃川「犬、花山に伝えろ。」
「私がピクルと立合いたいと。」
「範馬勇次郎を素手で倒すためには、圧倒的な筋力差
によるハンデを克服する必要がある。」
「そのためにはピクルはぜひ倒しておきたい。」
「ピクルの持つ肉体の才能は現代人の比ではないから
な。」
「勇次郎を倒す実力を身につけるためのトレーニング
にはもってこいの相手だ。」
玲二「(コイツ・・・範馬勇次郎逮捕のためにピクルを
利用しようとしてるのか・・・)」
「そ、そんなこといきなり言われても・・・第一
二代目が承知するはずが・・・」
桃川「男が細かいこと言うんじゃない」
がしっ
「誰がサポーターなんか着けていいって言った」
メキメキッバリッッ!!
玲二「サ、サポーターがッッ!!」
「な、なんて握力ッッ!!!」
桃川「ああ・・・凄い腫れてるなあ・・・」
「どうしたんだ?」
玲二「(あ、あんたのせいでこうなったんじゃないか
・・・ま、まさかッッ!!!)」
桃川「よし、私が今から治療をしてやろう。」
むちゅぅぅぅ・・・ぐりっ・・・
玲二「痛いッッッ!!!・・・た・・・助けて・・・」
桃川「もう一度言う。」
「花山に伝えろ。」
玲二「わ、わかった・・・(もう駄目だ・・・桃川がやる
と言ったら止められない・・・)」
(前回のつづき)
勇次郎「動かない緊張感ってのも悪くはねぇが・・・」
「だが・・・こういうのは俺の性に会わねえ」
「身長、体重、攻撃力、耐久力、スピード・・・」
「それらの創意工夫は貴様等弱者の間で共有
したらいい。」
桃川「貴様等とは?」
勇次郎「俺を除く全て」
玲二「自分だけが肉食獣で、あとは全て草食動物だとでも
言いたいのか?」
勇次郎「1トンの北極熊を屠り去った猛獣の連撃ッ!!」
「受けてみるがいいッッ!!!」
(次回以降につづく)
投稿: 隆明 | 2010年8月 4日 (水) 11時46分
隆明様、コメント、ありがとうございました。
晩ご飯の後、うっかり居眠りしてしまい、とんでもない時間に返信して、すみませぬ。
勇次郎って、怪物! うわぁ・・・・やっぱり、立ち読みレベルでは知らないことが多すぎます。
創作文も、ありがとうございました。
いよいよ対決のようですが、桃川、勇次郎に勝てるのでしょうか?
満身創痍にならなければいいのですけど。心配です。
雷、ヘタレですな。こういう上司だと、桃川は苦労しそうです。
原作でも印象的ですが、女好きで、有能なのにつかみどころがない、赤桐は好きですね。意外と、桃川と気が合うかもしれません。
桃川、気持ちはわかりますが、玲二をいじめちゃ駄目ですよ。
玲二のタマが心配(笑)。花山、守ってあげてください。それでは。
投稿: 紅林真緒 | 2010年8月 5日 (木) 02時57分