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2010年5月13日 (木)

『大奥』第四巻の感想

 漫画『大奥』(よしながふみ・白泉社)第四巻の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 この本は、歩いて20分の近所にある、古本屋様で見つけました。第五巻まで、出ていたのではないでしょうか? 私は読むのが遅いので、ご容赦ください。
 第四巻の表紙は、誰かいな? と思いましたが、どうやら、万里小路有功(までのこうじ ありこと)の元部屋子「玉栄(ぎょくえい)」で、将軍家光の側室となった「お玉の方」ですね。私は女将軍家光と有功の恋物語がなおも続いていたことを知って、驚いてしまいました。
 あらすじは、男子減少のため、必然的に増えてしまった女大名とともに、女将軍家光が本格的に政に乗り出します。大奥から解雇した百名を吉原へ送って、女性達に安い価格で健康な男の体を得られるようにしたり、百姓達を締めつけたりして、社会の安定を図ります。そんな最中、家光は以前同様、有功を求めますが、有功は、お褥(しとね)辞退を願い出、「あなた様には御子が あらしゃる!! けど私には あなた様しかおりませぬ!!」と、悲痛に叫んで拒絶。家光はやむなく許しますが、有功こと「お万の方」を大奥総取締に任命します。やがて、家光は27歳で死去。お玉の方は出家して、桂昌院を名乗るも、有功は家光の遺言により殉死もできず、ひっそりと涙を流すのでした。

 やがて、社会は、男の数が女の四分の一という状態に落ち着きます。女は男名で家督を継ぎ、またすべての労働を行ない、男はちやほや育てられ、時に金銭のやり取りをして子作りだけを行なうようになりました。
 次の四代将軍家綱(もちろん女です)は、「左様せい様」とあだ名されるほど、政に無関心。ただ、有能な幕閣が多かったため、由比正雪の乱、明暦の大火も見事にしのぎます。有功はこの家綱に求愛され、恐れおののいて、大奥を辞去。それさえも、家綱は「左様せい」と承知します。有功は剃髪し、後に89歳で亡くなります。
 子を生さなかった家綱の次に、五代将軍綱吉即位。同時に、彼女の父親である桂昌院が大奥に復帰します。しかし、綱吉は早々にとんでもない暴挙を働きます。牧野備前守成貞(まきのびぜんのかみなりさだ。女)邸へ何度も訪れて、かつて側室だった阿久里(あぐり。成貞の配偶者。男)を強引に求め、さらには彼の一人息子(既婚者)を大奥へ入らせます。息子の妻は失意のあまり、自害。息子と阿久里は心労が重なってか、病死。一人取り残された成貞は、領地を返上して隠居し、牧野家は壊滅してしまったのでした。この機に、柳沢出羽守吉保(やなぎさわでわのかみよしやす。しつこいようですが女)が綱吉の寵臣となり、綱吉は喧嘩両成敗で、大名家を取り潰す、厳しい処置を始めます。
 折りしも、綱吉の御台所、信平が、同じく京出身の側室候補を呼び寄せます。貧乏公家の息子と、桂昌院はあなどっていましたが、彼、水無瀬権中納言の子息、右衛門佐(えもんのすけ)は、かつての有功のような美形。しかも、彼は大奥の制度から綱吉の好みまで熟知しており、「来年三十五歳になるため、お褥すべり(ご奉公不可)である」と、綱吉に告げます。その野心満々なところが、かえって綱吉に気に入られ、右衛門佐は大奥総取締に。してやられたと、桂昌院は口惜しがりますが、大奥の陰惨な争いはどのようになるのでしょうか。

 それにしても! 打っていてヒステリーを起こしそうになりましたが、男名で実は女というのは、ややこしいですなあ!
 今までの巻であった、むごい描写が今回はたぶん一つだけで、インターバルのお話であったと思います。その一つというのは、年老いた男が山に捨てられて干からびて死ぬ場面です。この漫画は、よく帯カバーや紹介文で「男女逆転大奥」とされ、男同士がいちゃついているような、和製ボーイズラブ、色物と勘違いされているかもしれませんが、専門職の者以外、当たり前の江戸時代の格好をしていますから、違和感はありません。男同士の恋愛やセクハラは、一、二巻であったと思いますが、それも今回はなかったですね。いや、私はそれ目的ではありませんから、おもしろければ何でもいいのですけれども。
 女将軍達に関しては、家光は聡明でしたが、家綱は日和見、綱吉は暴君になりそうな予感。保科正之(この作品では女)、由比正雪(男)、丸橋忠弥(男)とか、聞いたことがある名前がずらずら登場しますが、私は日本史にうとくて、史実の彼らと同じか、それとも違うのか、よくわからなくて残念です。大奥自体も、江戸城のハーレムとしか知りませんからね。それを抜きにしても、充分楽しめますから、おもしろい漫画だと思います。それでは。

  2010年5月14日(金)補足
 あらすじでは省略しましたが、綱吉時代の登場人物の一人に、「秋本」という、眼鏡のようなものをかけた青年が桂昌院、御台所のそばでご用を務めています。のん気な人柄で、狂言回しのように思われるのですが、もしかしたら、今後のストーリーに関わっていくかもしれません。

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