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2010年5月16日 (日)

『僕の小規模な失敗』の感想

 漫画『僕の小規模な失敗』(福満しげゆき・青林工藝舎)の感想を申します。ネタバレが含まれますから、ご注意ください。
 主人公は、漫画家を目指しているものの、友人がほとんどおらず、女の子とも縁がないし、外見もパッとしない「ぼく」。いかにも暗そうな表情の青年? 少年? が一人、階段に座って、アックスという雑誌を手に取っている姿が、表紙に描かれています。これがお話のテーマだと思いますね。「ぼく」は工業高校を中退し、働いたり、漫画を描いたりしながら定時制高校、夜間大学へ通いますが、投稿作品は小品は採用されても多くは却下、勇気を出して同窓会に行ったり、ホームレスにあこがれたりしても、ことごとくうまくいきません。やっと好きな女の子が現れたというのに、家族からストーカー扱いされて、交際を禁止される始末。 けれども、彼女(次に紹介したい、同じ作者様の『うちの妻ってどうでしょう?』の妻)の存在自体が、「ぼく」を揺り動かし、理解されよう、別れまいと一生懸命になるうち、彼女の両親にも認められ、同棲→入籍へ。彼女も、チャラチャラした外見と言動から、しっかりした大人へと変身します。けれども、漫画家への道は思うように行かず、(これから どうなるんだろう・・・・)と不安を抱えている、いう感じで終わっています。

 それでは、マイナス点を申し上げましょう。癖の強い作風です。主人公も彼女も、顔が横長にデフォルメされていますが、それでいながら、どシリアスな内容ですから、気が滅入ります。本当に落ちこんでいる方、切実な問題に直面している方は、いっそう不安にさいなまれるかもしれません。
 そんな中味とあいまって、昔風の漫画のように細かく描きこまれていることが、いよいよ暗い雰囲気をかもし出しています。最大の欠点としては、後半へ進むほど、なぜか異様にコマが小さくなり(最小約2センチ×1センチほど?)、それに手書きの台詞、絵が加わるともう・・・・。私の耐えられるギリギリでしたよ。
 それから、これは欠点でないのかもしれませんけれども、表紙が内容と、やや差異があるように思います。表紙は確かに暗いですが、あらすじのとおり、ちゃんとサクセスしています。「ぼく」は友達も彼女もできないと悩んでいるくせに、柔道部をつくって指導し、バイトで一生懸命働くし、ホームレスの人達としゃべり合うし、後半はかわいい彼女をつくって入籍までしてしまうのです。漫画家としては今も困難だ、とストーリー上でなっていますが、こうしてちゃんと、出版しているではありませんか! 何をぜいたくな! と思います。
 それでも、内向タイプの私としては、友人作りの難しさ、ごちゃごちゃと余計な言動をするから、いっそう皆から引かれてしまうジレンマなど、思い当たることがたくさんありますので(ついさっきの関西コミティア36でも、いろいろな人から親切にされたのに、ぶすっと無表情でした。ああ・・・・)、屈折はしていますが、その屈折ぶりを自己分析し、漫画として表現できるのですから、福満さんは芯から正直で聡明な人でしょう。やはり、創作物は個性よりも、率直さがものをいうのかもしれません。
 でも、そんなふうに親近感を持っていても、福満さんがどんな漫画家を目指していたのか、どのようなマンガを投稿していたのか、不明のまま。できれば、知りたかったですね。後半、エロマンガに挑戦していたみたいですが、カバー裏とかに、ちょっぴり載せてほしかったのにね。
 実は、入手したのは『うちの妻ってどうでしょう?』の1巻が先で、この本はご近所の本屋さんで見つけて、思いきって購入したのです。私の男性研究に役立つことを期待していましたが、思いがけず、自分の内向悪循環スパイラルについて考えさせられました。つくづく、「思考する」のと「くよくよする」のは、まったく違うことだと痛感いたします。買ってよかった。福満さんに感謝いたします。それでは。

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