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2010年5月 5日 (水)

『ほんとにあった怖い話−霊障ファイル・因縁の恐怖特集』の感想

 コンビニ専用漫画雑誌、『ほんとにあった怖い話−霊障ファイル・因縁の恐怖特集』の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意ください。
 人気の『魔百合の恐怖報告シリーズ』(山本まゆり)は、好評だし安定しているし、大勢の人が感想を述べているからという理由で、私は割とスルーしてきましたが、今回の「過去との清算」「現世の使命」は、なかなかおもしろかったです。「過去との清算」は、先祖の悪行のために、様々な霊に取り憑かれてしまう女性のお話。ラストで、彼女の前世だった巫女が、蓮の葉の上で安らかに眠っているのは穏やかでいい場面でした。「現世の使命」は、突然、髪の毛を含むすべての体毛が抜け落ちてしまった女性の因縁について(これは恐ろしい)。どうやら、実家周辺が霊的によくない場所であるから、怪現象にも見舞われたようですが、前世であり先祖である尼僧のために、相談者は大変な目にあったのです。霊能者の寺尾玲子さんは、何もかも霊に結びつけず、目の前に存在する問題と真摯に立ち向かって、ということを「ほん怖」の心霊質問箱で何度か答えていますが、自分に手の負えない奇怪な事態が起こった場合は、霊感のある方に頼っていいようです。先祖や前世が理由であれば、霊感ナシ人間はお手上げですよ。

 今回は、読者体験、短編漫画の怖い度は普通です。私だけの感覚ですから、参考程度にしかなりませんけれども。上記の山本まゆりさんのお話に加えて、永久保貴一さんの『永久保怪談・恐怖耳袋』が2話、掲載されているのがポイントです。第一話が、ホテルの従業員の恐怖、第二話が購入した新居で起きる家族達の恐怖、というものです。永久保さんが、おふざけっぽくナレーター役をしていて、一見怖くなさそうですが、かなりきますよ!
 自らの首を腕に抱えている幽霊、目の焦点がずれている子供の霊、霊か邪気?に憑かれて狂乱する母親など、かなりぞっとします。どちらも、1997年の「ほん怖」に掲載されていますから、やや古い作品ではありますが。霊的なことをマンガに描いていると、あちらの世界に関わっているそうですが(第二話)、それは私も聞いたことがあります。さらに、友人知人に霊感のある人がいると、最初はなくても、だんだん感じられるようになるのだとか。あああ、私はもう、思い当たるフシがありまくりです。
 それにしても、永久保貴一さん、体調は回復されたでしょうか。雑誌の休刊と体調悪化は、たぶん関係ないと思うのですが。それでも、ベッドに伏せながらも、「今の私になにが起きるか・・・・楽しみですね・・・・どうなるか?」」と、余裕ある発言をしているところ、やはりタフですなあ。永久保貴一作品をまだご存じない方にも、お勧めです。それでは。

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