『きょうの猫村さん』(ほしよりこ)3の感想
漫画『きょうの猫村さん』(ほしよりこ マガジンハウス)3の感想を申します。ネタバレを含みますから、ご注意ください。
お話自体は、あらすじを書くまでもないように思います。猫の家政婦、猫村さんの勤める犬神家は、相変わらず、家族バラバラであまり変動なし。大きな変化といえば、大学生の長男、たかしが、無事につくも商事に就職が内定したことでしょうね。他に、猫村さんと反りが合わない、見栄っ張りの、こわがりの奥さん、アイドルの森コリス会いたさに、たかしと同じつくも商事に内定した、肉屋の息子が登場します。犬神家の長女、尾仁子(おにこ。暴走族のレディースというか、不良少女)の友人? 彼? の強も、どうやら、家庭に複雑な事情があるらしいです。
3は、1,2巻同様、鉛筆書きの画による緩さ、それでいて、デザインやお話の流れは、とても凝っている。内容は人間関係ドロドロなのに、猫村さんがかわいくて、妙にリアル。こういうお節介焼きな人っているよね、と思っていたら、二本足で歩行する、家政婦猫という、あり得ない設定だった! と、画もお話も、どっちつかずのあいまいさが妙に癒し系で楽しいところに、いい味を出していると思います。でも、台詞が今までになく多くて、長めでしたね。
1,2巻まではよかったのですよ、楽しめましたよ。けれども、そろそろ、私は飽きてきたかな? 現実の家庭でも、夫と妻、親と子は、こういう、チクチクと、胸が痛いやり取りをして、うれしくなったり、イライラしたり、当り散らしたりしているのでしょうね。だとすると、この漫画は、猫村さんがかわいい、とばかりではすまされない、毒を含んだ、ホームドラマということになりますね。
そう、私のもう一つの不満は、3では猫村さんの猫らしい行動、かわいらしさが、今一歩、発揮されていないことです。猫よりも、人間に近くなっているみたいで、ちょっと残念。
これは、I図書館から借りてきた本です。4もあったら、借りてみます。それでは。
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