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2010年6月16日 (水)

『鉄腕バーディーEVOLUTION』(ゆうきまさみ)4巻の感想

『鉄腕バーディーEVOLUTION』(ゆうきまさみ 小学館)4巻の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。
『EVOLUTION』になってから、雰囲気がやや暗くなったというか、それともテーマが重厚になったというべきでしょうか? つとむ、バーディーともに、楽しく笑うことができなくなっているようで、私としても、時々辛くなります。べ、別に、エロいシーンが減って残念だなんて、思ってるわけじゃないんだからねっ!!
 4巻冒頭で、バーディーを診察した医療船が、巨大艦船に捕縛されてしまいます。それはただの宇宙船でなく、「帝国城塞艦ラヴァンタン」で、領主「エオン公ヴィルム・テール」のものでした。
 中杉と連絡が取れないことが、気がかりなつとむでしたが、彼の自宅へ、早宮と須藤が押しかけ、昨日のバーディーとの暴走がテロとして、ニュースになっていると、なじられます。バーディーが交代して事情を説明し、二人の納得は得られましたが、アグニケミカルの犯罪の証拠を何一つ持ち出せなかったことは、やはり大きな失点でした。水面下で、アグニの研究開発は進み、自衛隊の4特は増強予定、さらに、中杉の母の香世子に、PMIの県(あがた)なる人物が接近してきます。 やがて、つとむは早宮によって、中杉が交通事故で意識不明であることを知らされ、彼女と一緒に見舞いに行きます。その病院で出会ったのは、早宮には右目に眼帯をつけた、ケガを負っている少女に見えましたが、つとむとバーディーには忘れられない、宿敵の人形、オンディーヌ! けれども、オンディーヌはかつてのような攻撃を示さず、つとむに強い好奇心を示して見入り、PMIの県の保護下にあって、通称、「さやか」と呼ばれていました。

 案の定、バーディーは高圧的な上司ギューイ(正式名は何だっけ? オウム人間です)から今回の失態を非難され、当分の間、謹慎を命じられます。その間、火之宮水晶=クリステラ・レビは渡米し、アルタ帝国一九二代皇帝、アイオロス=シド12・アルティラと謁見(アルタ人のもっとも偉い人は、地球にいたのですね)し、大きな信頼を得ることができました。が、レビも側近も、年老いて生命維持装置? を使用している皇帝は、余命わずかであろうと予測。エオン公ヴィルム・テールは、皇位継承権があっても、遺伝的に問題があり、新しい血の導入、つまり、旧王家に連なるイクシオラ(調べてみましたが、わかりませんでした。アルタ人の一タイプだったかと、思います)を、レビは勧めます。加えて、レビはアメリカの国家緊急警告機構(NEWS)のアンカーマンとも会見し、酔魂草による人体強化や超空間航法等の提供を申し出ます。
 レビ側が着々と、恐るべき陰謀を進めていく一方、つとむ=バーディーの元へ、バーディーの元教官でトカゲ? 恐竜? 人間のスケルツォが変装して訪れて励まし、自室には久しぶりに、上司であるネズミ人間、二代目キディ・フォルテ(初代はインド洋で魚のエサになったそうで)が来訪。バーディーの友達で犬人間のクレド・ガッハウもイルマの店に来ましたが、さて、こちらは役立ってくれるのでしょうか? 後手に回っているバーディーですが、着々と、次の行動への舞台は整えられつつあるようです。
 あの奇妙なオンディーヌ、「さやか」は、実はPMIによって、中杉の記憶を移植されていました。彼女は裸足でヨットパーカー1枚をまとった姿で、PMI研究所へ行き、あの恐るべき右手の爪の力によって、人形5体を瞬時に倒し、所内のシミュレータを破壊します。さやかは中杉の事故直前の記憶に従って、佐々木所長の「あってはいけないもの」である研究を妨害しようとしたようです。さやかは県に回収されますが、つとむに対する想いは強く残っています。数日後、一見女子高生のようなスーツを着たさやかは、つとむの自宅を来訪。自らを「なかすぎさやか」と名乗り、「千川くんに会いに来た・・・・」と告げ、つとむは唖然とするのでした。

 うわあぁ、お話が一度に大きく動いてきました! どうやら、レビの野望は、皇帝に臣従することを名目に、地球の60億人を支配下に治めるつもりのようです。そして、自分の知っているイクシオラを新しい血として導入するということは・・・・バーディーを、皇帝にするつもりでしょうか! あるいは、ヴィルム・テールと結ばせて、バーディーに皇族の子を生ませよう、とか! いずれにせよ、レビの思う壺になってしまいます。なのに、バーディーは事実上、捜査不可能とは、大変ですわ。スケルツォ、フォルテ、ガッハウが身近にいるし、あらすじでは省略しましたが、アンカーマンのそばにはカシュー・ゲーゼがいるけれども、大丈夫なのでしょうか。
 それから、どう見ても女性のようなレビを、バーディーは「彼」と呼んでおり、どっちだろうかと、思っていたのですが、レビが皇帝に、10年前に連邦から逃れるために姿を変えた、と説明していましたから(P102)、性転換手術でもしたのでしょうかね。
(いっぱい名前が出てきて小難しいですね。くわしく知りたい方は、小学館様の回し者のようですが、『鉄腕バーディー』全20巻をご購入されることをお勧めします。込み入った人間関係もまた、魅力の一つなのです!)
 あぅ、中杉がまた、想像を絶する大変なことに。オンディーヌに記憶を移植されたことは明白なのですが、もしかして、中杉の脳の一部、もしくは脳が丸ごと、移植されているのでは! バーディーが負けるとは思えませんが、もし「さやか」と戦闘になり、破壊してしまったら、中杉も死んでしまうかもしれません! 高柳縁に続いて、罪がない一般人、しかもつとむの彼女が死ぬなんて、一読者の私としても辛すぎます。がんばれ、バーディー&つとむ! 暴走に走って、大切な人を失わないでください。またまた目が離せませんよ。今月末には、5巻が発売されると思いますが、続きを見るのが楽しみなようで、少し怖いです。それでは。


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