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2010年8月 7日 (土)

『月刊化石コレクション』no.07の感想

『月刊化石コレクション』(朝日新聞出版)no.07の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。no.07は、三葉虫特集! 化石に再現イラストに、似た生き物の写真と、虫が苦手な方には、きついかもしれませんよ?
 三葉虫は、カンブリア紀(約5億4200万年前。めまいが・・・・)からペルム紀末(約2億5100万年前。くらくら・・・・)という、古生代を生きた、代表的な生物です。恐らく、アンモナイトかそれ以上の知名度はあるでしょうが、何と1万数千種もの種類がいるそうです。知らなかった・・・・。
 ワタシ的には三葉虫が、ダンゴムシか深海のオオグソクムシに似て見えますが、厳密には節足動物の仲間。先カンブリア紀時代の有爪動物から、甲殻類(エビ、カニ、ダンゴムシ)、昆虫類、鋏角類(サソリ、クモ、カブトガニ)、多足類(ムカデ、ヤスデ)という、節足動物すべてが派生したわけです。そして、三葉虫は彼らと独立した、化石がたくさん発見される割には謎の多い生物なのです。
 重くて固い殻(カニやエビより固い、方解石でできているそうです。生涯脱皮して、抜け殻も化石になっています)、ひれがなく、口が腹側にあるため、大半の三葉虫は海底で生息していたそうです。道理で、オオグソクムシに似ているわけね。ところが、徐々に泳ぎが得意な種、浅い海に生息する種も現れてきたとか。大きさも、およそ5㎜から80㎝、目(複眼)が発達したもの、目がないもの、トゲの有無。さらには、ダンゴムシのように、丸まった化石(こうやって身を守ったらしい)まであり、相当に複雑な個体差のある生物です。

 三葉虫は大別して、8つのグループがあります。頭と尾の丸いアグノスタス類、生息期間の長かったプロエタス類、複眼が発達したファコプス類、全体的に丸みがあるアサフス類、アグノスタス類と同時期に絶滅した古いタイプのプチコパリア類、最古のレドリキア類、頭が大きくトゲを持つものもいるコリネクソカス類、頭や側葉などにトゲを発達させたリカス類です。はーっ、打つのも大変だ。
 そして、恒例で名物の、本物化石ちゃんは、「ファコプス類カリメネ」といいます。今までの化石コレクションの中で、もっとも大きく(私のものは、約8㎝)、複眼もバッチリ確認できます。やわらかい腹部は化石になりきれなかったのか、ただの石状態。三葉虫という、オーソドックスなものでありながらも、リアルで大きいから、これはオススメですね。本当に、背中側を上にして置いていると、土色をした、大きな虫のように見え、今にも動きだしそうに思われますから・・・・虫嫌いの方は、くれぐれもお気をつけください。
 付録の化石でこのリアルさですから、写真の三葉虫化石のいくつかは、本当に生きたものを撮影しているかのようです。トゲだのイボだの、ムカデ類が苦手な私は、ちょっと引いてしまうタイプもいます。きっと、三葉虫の化石専門のコレクター様もいるのでしょうね。
 そして、こんなに多くの種類がいて、目やトゲを発達させて、泳ぐ機能まで備えた三葉虫なのに、ペルム紀末(約2億5100万年前)に絶滅してしまいました。全生物の96パーセントが死んだという、ペルム紀末の大絶滅(くわしくは、no.01に)。古代生物というと、未熟で進化していないように思いがちですが、三葉虫はきっと、精一杯生き延びようとしたのだろうなと予想すると、気の毒になります。三葉虫の研究は、今なお継続中。くわしい生態はもちろんですが、ペルム紀末の大絶滅の謎が、解明するかもしれません。本当に、このオーソドックス化石は、あなどれないと思います。それでは。


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コメント

本を買うより、あなたのコメントがすばらしくて感激しています。ありがとうございます。元気がなくなったときに元気になれそうで、これからもたまにアクセスさせていただきます。

投稿: えんどう | 2010年9月23日 (木) 00時37分

 えんどう様、コメント、ありがとうございました。
 うーん、お気持ちとお言葉を喜んでいただきます。
 本人は極めて単純に、化石も石(鉱物、貴石)も、虫も動物も、イケメンも美人も、みんな好き、というだけです。
 どういうところが好きか、魅力的な理由は何か、そんなところをくわしく(あるいは、くどくどと)述べているだけなので、どうぞ、お気軽な気持ちでお読みになってください。それでは。

投稿: 紅林真緒 | 2010年9月23日 (木) 02時36分

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