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2010年9月16日 (木)

『鉄腕バーディーEVOLUTION』(ゆうきまさみ)5巻の感想

 漫画『鉄腕バーディーEVOLUTION』(ゆうきまさみ 小学館)5巻の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。
 かつてのバーディーの強敵で、現在は原因不明の昏睡状態にある、中杉小夜香の記憶を移植されている、人形、通称「さやか」が、つとむの自宅までやって来ました。続いて、県(あがた)も到着し、中杉の回復のために、さやかと話を合わせるよう、高圧的に言い渡します。つとむは承知し、さやかを、中杉と海水浴を楽しんだ思い出の地に連れて行き、さやかが中杉と同一の人格を持っていることに心を揺さぶられます。また、さやかは中杉としての人格、元々の人形としての闘争本能(バーディーに対する殺戮衝動)の両方に悩まされます。さらに、時を同じくして、クリステラ・レビは、老衰? の危機にある、大アルタ帝国皇帝の人格を永遠に生き続けさせられるよう、手配を進めるのでした。

 つとむと楽しくすごす一方、さやかの内面の混迷は深まり、「わたしは罰を受けているのですか?」と、県へ問いかけるほどになります。三年前、中杉の両親は、某軍需企業の支援により、娘の脳から採取したデータを人工知能として搭載した、自律型介護用ロボットの開発に成功。しかし、某企業の要求に応じて、殺人の目的を与えたところ、ロボットはたちまち、四人も殺した、という事件を起こしているのです。
 つまり、中杉が交通事故にあった直前の、激しい動揺の原因というのは(ちょいとややこしいので、箇条書き)。
1.ナカスギ工業を引き継いだPMIの佐々木所長が、中杉の両親が創った介護用ロボットによる暴走事件の経緯を打ち明けた。
2.そうやって、中杉に罪悪感を抱かせ、研究が継続できるよう、強引に協力させようとした。
3.中杉は驚き、激しく拒否した。
 というわけです。
 中杉の入院先が、千明とトラブルのあった、「真僕会」系列の病院であることを知ったつとむは、仰天して向かいますが、出会ったのは、当の千明! つとむは千明に力ずくで退出させられます。その真僕会飯田橋病院には、千明、勝呂などの自衛隊4特メンバー、さらにはアメリカからアンカーマン、そして謎の荷物(中味は大アルタ帝国皇帝)が搬入されてきます。
 台風による大雨で都内が水没する被害の出ている夜明け前、つとむの元へ、安達から連絡が入ります。さやかが脱走し、PMIを襲撃したのでした。彼女の次の行き先は、中杉の入院する、真僕会飯田橋病院。血塗られた研究を完全に抹殺するため、佐々木所長と、研究を行なった中杉の母、データの大元である中杉自身を殺すのが目的なのです。病院にはアメリカからの強化人間(ロボット? 酔魂草投与の人間? ちょいと不明)SPがいましたが、さやかは瞬時に殺します。さしもの4特もピンチにおちいるものの、つとむが到着し、また、千明に見覚えがあるので一時停止するものの、さやかは攻撃をやめるつもりはありません。死傷者続出の惨憺たる中、動転するつとむの目の前に、究極の敵、クリステラ・レビが登場!

 今回は、ハードSFといっても過言ではない内容です。残念ながら、バーディーの出番は巻末のおまけページのみで、彼女はつとむと会話するのみ。エロいシーンは・・・・さやかがスリップ一枚の姿で、襲撃していくところでしょうかね。だんだん、スリップが全裸状態になりますけど、貧乳の人形ですから、私の趣味じゃありませんよ(おいおい)。
 さやかが中杉として、波打ち際で遊んだり、つとむと話したりするシーンは、ほのぼのしていますが、県や佐々木の描写はもう、殺伐としています。後半はやや詰め込みすぎ、走りすぎのような気がしました。
 私は、もしや、さやかには中杉の生きた脳髄が活用されているのではないかと危ぶんでいましたが(『人造人間キカイダー』の、ハカイダー状態ね)、そうではなかったようですね。安心した・・・・けれども、中杉が意識を取り戻したら、さやかに移植された、中杉の記憶は消去されるって・・・・人間を何だと思っているのだ、県、佐々木、そして研究を行なった中杉母! 人間は記憶データ内臓装置ではないし、まして、それを軍事利用していたなんて! そりゃあ、中杉としての人格が罪悪感に駆られ、さやかは攻撃するようになった理由も納得できます。本当に恐るべきは、県、佐々木なのかも。しかし、ゆうきまさみさん、憎たらしいキャラクター、アクの強い人物を描くのがうまいですね。
 火之宮水晶こと、クリステラ・レビと、つとむ&バーディーが直接会うのは、これで二度目。今回も収穫なしでは、バーディー、あなたの捜査官としての腕前が問われますよ。でも、中杉、さやか、4特、皇帝のいる病院で、どう戦う? 何をすればいいの? 6巻も見逃せませんね。それでは。

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