『進撃の巨人』1巻(諫山創)の感想
漫画『進撃の巨人』(諫山創・講談社)1巻の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。
あらすじは・・・・って、主人公と目星をつけていた、強くて心優しい少年、エレン・イェーガーが、1巻終わり近くで、友達のアルミンを助けた後、巨人に丸飲みにされてしまいました! しかも、左足は、やはり巨人からかじり取られ、左手しか残らなかったという、何ともむごい死に方で。2巻の主人公は誰? 土壇場の臆病さのためにエレンを死なせた、アルミン? それとも、エレンの幼なじみで、焦点のぼやけた瞳が印象的な、少女兵士、ミカサ・アッカーマン? 『ジョジョの奇妙な冒険』みたいに、主人公がバトンされていくのでしょうかね? あ、まだ2巻を読んでいないので、答えていただかなくて結構ですよ。
とにかく、驚異、圧巻、斬新な設定と展開の連続で、作者様の個性的な絵柄を受け入れた方ならば、唖然としながら、一気に読めるのではないかと思います。そう、『進撃の巨人』の大きな欠点として、どシリアスな作風なのに、絵柄が雑なところがあります。そのような感想をブログやWEB本屋様で読んでいましたから、私は覚悟していたのですけれども、予想したほど見苦しくなかったですね。ただ! 悪の根源であり、真の主人公とも言うべき巨人が、全身を描かれると、手足が細すぎて、とても違和感があるのです。2巻以降で、治ってくださるとよいのですが。
ジャンル的には、あり得ない大きさの巨人が人類を襲撃し、食い尽くしていくという流れですから、ダークファンタジーなのでしょうか。世界観も独特で、謎ばかりなのですが、1巻でわかるだけのお話を申しましょう。
107年前、巨人達によって、エレン、ミカサ達のいる街以外の人類は、食い尽くされました。生き残った人々は、王宮? を、二重三重の長大な壁で丸く囲むようにして、巨人を防いで生きてきました。しかし、845年(恐らく年代のことでしょう。唐突に、「845」という数字が書き表されたのです。辛うじて、107年間は平和でした)、突然、50メートルを越える超大型巨人によって、先端の壁「ウォール・マリア」が破壊され、巨人達の侵入を許してしまいます。エレンはなす術もなく、母が食われるのを見つめるしかありませんでした。
850年、人類の活動領域は、ウォール・マリアより内側の第二の壁、ウォール・ローゼまで後退してしまいましたが、エレンはミカサとともに、10名の上位成績者として訓練兵を卒業します。彼は王の元にいる安全な憲兵団でなく、壁外の巨人領域に挑む、調査兵団を選ぶつもりでいます。ミカサ、さらには体力不足のアルミン、他の仲間もそうするつもりであると言い、エレンは、「人類の反撃はこれからだ−−」と、希望に胸をふくらませた・・・・矢先! あの5年前の超大型巨人が現れて、壁を破壊し、エレンが応戦する間もなく、登場と同じほどに突然に消え去ります。
人々は恐慌状態で避難していき、エレン達は急遽、駐屯兵団に加わって、侵入してくる巨人達の迎撃に加わることになりましたが、全員、激しく動揺します。巨人達は頭を吹き飛ばされても、1〜2分で元に戻るという、驚異的生命力を持っていますが、たった一つの弱点ともいえる致命箇所は、後頭部の下から、うなじにかけての部分。エレン達は立体機動装置による縦横無尽な体術で接近し、巨人の弱点を2本の刃で削ぎ落とせるよう、訓練を受けてきたのでした。
「スピード昇格 間違いなしだ!!」「だれが巨人を多く 狩れるか勝負だ!!」と、互いに痛ましく励まし合い、前進しますが、すでに、巨人のうちの「奇行種」によって前衛は総崩れで、到着するや、仲間のトマスがくわえられ、丸飲みに。果敢に挑んだエレンは、左足を食われて倒れ、全員が恐怖に打ちのめされます。アルミンは皆が食われていく光景を、逃げることもできずに立ち尽くしているうちに、彼もまた巨人の口の中へ。間一髪、傷ついたエレンが飛びこんでアルミンを引っ張り出したものの、自身は出られなくなり、左手を差し伸べながら、「お前が教えてくれたから・・・・オレは・・・・外の世界に・・・・」と告げるや、巨人の口が閉じ合わさります。呆気なく千切れるエレンの左腕を前に、アルミンは号泣。このエレンの凄惨な死を、後衛部隊に回されたミカサは、まだ知らずにいるのでした。
どうでしょうか、なかなか恐ろしいお話でしょう? 内臓系はないのですが、人類は巨人に勝てない、食われてしまう、という、すさまじい恐怖と絶望感が、私の方にも、じわじわと伝わってきます。長大な壁に取り囲まれた小さな地域(人類にとって、唯一の安全な世界)で起こるため、逃げ場がないこともあるのでしょう。超大型巨人は50メートルで、普通の巨人でも15メートル。そんな巨体を二本足で維持できるのか、などとツッコミを入れたくなりますが、いつの間にか忘れて、夢中で読み終えてしまいました。巨人の全体像に難はあるのですが、デザインはなかなか見事です。大半は男のような格好、全裸だけど生殖器はなし。最初に登場した超大型巨人は、皮膚がなく、筋肉繊維が露出しているかのようでした。すごいなと、私が思ったのは、巨人が人間を見つけたり、捕食しようとしたりする瞬間に浮かべる、醜悪としか形容のない笑みの表情です。目鼻のある人間の顔をしているのに、そのような時にだけ、口が大きく裂けて、無数の細かい歯がむき出しになり、怪物としか言いようがなくなります。立体機動装置を使ったアクションも、垂直の壁にはりつく、巨人の体を登る等、目新しい仕掛けだなと思います(言葉では説明できないので、興味のある方は購入してください)。
ところで、あらすじで省略しましたが、優秀な医者であるエレンの父は、845年から行方不明で、エレンに何かの処置をしたらしい様子。肝心のエレンも、思い出そうとしても頭痛がするばかり。さらに、アルミンとエレンは、(壁の)外の世界にあこがれていましたけれども、王政府が外へ出ること自体をタブーしているのは、本当に人類を安全に保つため? もっと、いっそうの重大な秘密、驚くべき展開がありそうですね。2巻が楽しみです。それでは。
参照
『進撃の巨人』4巻(諫山創)の感想
『進撃の巨人』3巻(諫山創)の感想
『進撃の巨人』2巻(諫山創)の感想・訂正と加筆
『進撃の巨人』2巻(諫山創)の感想
| 固定リンク | 0
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 『道玄坂探偵事務所 竜胆』(原作:花村萬月 画:市東亮子 秋田文庫)の感想(2024.10.05)
- 『真琴♡グッドバイ』(高橋葉介・朝日ソノラマ)の感想(2024.09.28)
- 『ベルセルク』11巻(三浦建太郎・白泉社)の感想(2024.09.21)
- 『ベルセルク』10巻(三浦建太郎・白泉社)の感想(2024.09.16)
- 『新九郎、奔る!』17巻(ゆうきまさみ・小学館)の感想(2024.08.25)
コメント