『みんな自分ちのネコがいちばんカワイイと思ってるんでしょ?』2巻(むらさきまこと)の感想
漫画『みんな自分ちのネコがいちばんカワイイと思ってるんでしょ?』2巻(むらさきまこと・双葉社)の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。
2巻は、第10話から第18話まで収録されています。いい意味で予想を裏切られました。表紙からして、1巻のように、よもぎやれんげのような、かわいい女の子がネコとたわむれている、といった感じのものであろうと予期していましたが、同じなのはピンク系グラデーションのタイトルのみ。中央に、主人公ネコ、おまめの顔のドアップがあって、他は大小のコマで様々なネコや登場人物達の一場面が、コミカルに描かれている、ポップアート風。
中味も、登場ネコと人物が増えましたよ! まず、ネコは、しばらくおまめと生活する、生後3ヶ月の♂、モースキン(もしかしたら、もーにゃんに改名するかも)。幸町A地区幹部のまろ(3才)♂。4年前の幸町の元ボス、ジンベ(11才)ミックス♂。幸町をかき乱した、不良集団のボス、ブッチャー(5才)ミックス野良♂。ブッチャーを裏であやつっていた、南町のボスで不良集団の№2、助六(4才)ミックス野良♂。
人間の方は、よもぎの友達で、モースキンを引き取る、ともちゃん。よもぎのおやつ友達、ヒーコ。よもぎに恋する同級生、柳川幹夫(コクる以前に、よもぎにふられます)。柚(ゆず)に片思いする、暑苦しい高校二年生、鳥兜剣(とりかぶと けん)。にゃーもの飼い主で、非常にケバい外見の、むらさきまこと(32才)♀まんが家(ほんまか??)。
中味も、やや試行錯誤的だった1巻より、充実しているようです。ネコがかわいい、ネコにふり回されたり、デレデレしたりする人間達がおかしい、という、ありがちなパターンに入っていません。食い意地の張ったおまめの、カナブンや蛾を食べる悪癖は直っていませんし、ポンの飼い主、中丸大作(29才)フリーター♂は、実はパチンコ狂いであることなど、登場ネコや人物は、私達の身近にいそうなタイプばかりです。
2巻のストーリーは、1巻と地味に続いています。双葉社様と作者様の回し者のようですが、このネコ+人間コメディを楽しんでいただくには、1巻もそろえられた方がベストかと思います。さらに、2巻は四年前の幸町のネコ間抗争について述べられており(第16〜第18話まで)、いかにしてセガールがボスになったか、なぜ柚がセガールを怖がらないのか、などの謎が解明されています。それにしても、四年前、当時女子高生の柚は、腰まで届きそうなロングヘアだったのに、抗争がきっかけで、今の、肩口で切りそろえたスタイルになったわけですか。気の強い美人、柚ファンは必見です。
私のお気に入りエピソードは、まんが家、むらさきまこと。左ききで、巨乳、担当編集と不倫の関係を望んでいますが、顔が怖いというか、インパクトありすぎ。まあ、作者様であるわけがないでしょうけれども、勇気あるエピソードを描きますな。
それから、幸町抗争編に登場する、助六は、真っ黒なネコです。ブッチャーをリーダーに立てて、幸町と南町をまとめて仕切ろうとたくらんでいた、腹黒の性悪ネコなのですが・・・・ネコにも、イケメンがいるのですね! 助六、何か猛烈にかっこいいのです! ブッチャーもセガールも、皆、さん付けで呼び、ですます調で話すところが、ワタシ的好みの知性派ワルにベストヒット! 野望破れた現在は、すっかり凡庸になったブッチャーの相手をしてやるなど、妙に苦労していて、笑ってしまいました。3巻でも活躍してくれると、うれしいです。それでは。
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