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2011年1月18日 (火)

『蛟竜−風雲児 黒田如水伝』(横山光輝)の感想

『蛟竜(こうりゅう)−風雲児 黒田如水伝』(横山光輝・講談社漫画文庫)の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。

 これは初めて単行本化された作品だそうで、初出は『ボーイズライフ』(小学館)1965年4月号から1966年2月号まで。戦国時代に、播磨(兵庫県)で、わずかな手勢ながら毛利元就の水軍を撃破した、黒田如水こと黒田官兵衛の活躍を描いています。タイトルの「蛟竜」とは、いつもは水中にいるけれども、雲や雨にあえば天に昇る、想像上の生き物のことで、活躍こそ目立たなかったのですが、一度も敗戦したことのない、主人公、黒田官兵衛を差しているようです。
 昔風の丸っこい絵柄で、コマには、順番を示す数字が載っており、一見したところ、古臭いかも、ついていけるだろうかと、うなってしまいましたが、予想外におもしろく読めました。何と言っても、官兵衛やその部下達のみならず、敵側の毛利軍までも生き生きと描写されているのがよろしい。
 ただ! この作品、掲載雑誌が休刊されでもしたのでしょうか? 毛利水軍を退却させた、羽柴秀吉と合流だ、さあ、新たなる官兵衛の活躍が始まるぞ! という、よく言えばキリがいいところ、悪く言えば、次のクライマックス間近で終了しています。だから、評価を高めたくとも、できないのですよ。
 そして、この魅力ある官兵衛が、どのような経験や生い立ちによって、比類ない知恵を身につけたのか、そのような描写もない! いきなり、播磨攻防戦が始まって、終わって・・・・もったいないですなあ。私はきっとこれから起こるであろう、官兵衛とその子、長政との確執、秀吉が二人の天才軍師、官兵衛と竹中半兵衛をどのような気分で見つめていたのか、また、官兵衛と半兵衛の共闘作戦等々、想像いたします。それだけでも、見どころがいっぱいありそうなのに、惜しいことです。
 しかしながら、実在した人物を描く歴史物は、想像以上に難しいことはわかります。どうしても、歴史の教科書のようになりがちですからね。そこを、史実に忠実に、人物達を生き生きと、なおかつ魅力的にアレンジしなければいけない。そういう意味でも、他の歴史漫画短編や長編も読みましたが、やはり、横山光輝さんは天才だな、と思わずにいられませぬ。『蛟竜』はやや消化不良でしたが、また機会があれば、黒田官兵衛や竹中半兵衛の横山光輝さんや他の方々の歴史小説・漫画などを読んでみたいです。それでは。

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