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2011年2月18日 (金)

『ハカイジュウ』2巻(本田真吾)の感想

 漫画『ハカイジュウ』2巻(本田真吾・秋田書店)の感想を申します。多少のネタバレを含みますので、ご注意ください。

 恐れ入りました、本田真吾先生! せがわまさき先生、永井豪先生に続き、今月、三回目の精神的土下座です。1巻で、ワンパな展開になりそう、設定がありきたりと、私は批判調でしたが、こんなに盛り上げてくださるとは、うれしすぎる誤算です。ありがとうございます!

 ささやかなお礼として、ご本人のブログをご案内します。
   ↓  ↓  ↓
 本田真吾の「きょう、はんばあぐをたべた。」

 さて、疾風怒涛の2巻と申し上げたいところですが、大筋は、1巻と変わっていませぬ。が、それでも充分な読み応えがありました。その理由は、次のとおり。

1.食人生物、2タイプ参入。
 2巻表紙になっている、エビとナメクジを足して、真っ赤な複眼を五つつけた面をしたものは、今まで登場したうちで、特大を除けば、最強最悪かもしれませぬ。全体的に細長いですが、四つ足が非常に長く、棒状に擬態します。その足先は、刃物状になっており、人間を切断したり、串刺しにしたりする他、リーチを生かして素早く移動することも可能。さらに、二本の前足から猛毒を発します。それを注入されるか、わずかに触れただけでも、人体が異様に膨張し、爆散して死にます。もう一つは、触手と似て非なるタイプで、がっちりした胴体、足を持っており、かなり巨大。

2.登場人物が増えた、けれども?
 立川駅前の地下の映画館に逃れた主人公達は、経営者の老夫婦、カップル、ものぐさリーマン、おたく風の青年、そして彼らのリーダー格の武重満と合流。さらに、陽(あきら)は偶然、中学校時の同級生、桜麻子(さくら まこ)と出会います。ところが、武重は頼りになる反面、陽や白崎を支配したがります。そして、桜は、未来についての重大な事実を知っているらしいのですが、詳細は不明。

3.事態はいっそう謎を秘め、絶望的に・・・・。
 1巻で陽達が遭遇した、底知れぬ穴は一つではありませんでした。立川を包囲するかのような巨大な溝となっており、しかも、自衛隊の駐屯地が陥没して(?)なくなっている! 自力脱出は、ほぼ絶望的。それでも、食人生物は襲ってくるのに、外部からの救出は、なおも来ない! 立川の異常事態が、外部に知られていないということはあるのか?

 あらすじとしては、陽は映画館で武重らと合流しますが、未来のことが心配で、武重、白崎と一緒に捜索します。そこで、デパート屋上から、立川を囲む巨大溝を発見します。デパート内にいた、桜や他の人々を避難させようと、武重は皆を誘導しますが、上記で説明した、足長食人生物が襲撃! デパートの人々は、桜を除いて、ほぼ全員殺されてしまいます。なのに、陽はなおも未来捜索に固執するうちに、宙から巨大触手が降ってきます。陽は怪物どもの中に取り残され、武重は白崎、桜を連れて映画館へ逃げます。陽は気絶から回復した後、触手の出産(?)、新種の食人生物に呆然と見入りますが、辛くも逃れ、元の映画館に帰ってきました。が、そこにいたのは、武重一人。血で汚れ、焦点のない瞳をした彼は、「この映画館で 大変なことが起きたんだ」と、何か恐ろしいことを語ろうとします。
 はい、2巻はここまで。私にしては、シンプルに書けました(苦笑)。何度も怪物に襲われて死にかけ、周囲が無残に殺されていくのを目の当たりにしながら、未来を捜そうとする陽は、究極のKY? それとも、異常事態に直面しすぎて、正常な判断力を失っている、とか?
 おかしいといえば、武重が怖い、奇妙すぎます! 白崎に対して、妙に親切だと思っていましたが、後半、彼女を抱えて逃げたあたりから、視線が変になりました。白崎だけをにらみ、脅迫するような言葉を吐くとは! 武重はもしかして、危ない人?
 白崎が唯一まともと言いたいところですが(たぶん、まっとうなのは、不良の田所)、彼女も少々、言動が怪しいです。まあ、陽や武重に比べれば・・・・いや、もっと大変なのでしょうか? 陽が未来を好きなのは充分承知しているくせに(「かわいい彼女さんだね・・・・」と、言っています)、「私の命は あなたのもの」と告げて、自分から陽について行きます。異常事態の真っ只中とはいえ、白崎のこの台詞は恋の告白? 言った彼女自身は平然としていますが、コクられた陽は「・・・・へっ!? え・・・・あ・・・・」と、赤面して絶句(そりゃそうだ)。そうして、白崎はデパート内の惨劇や触手の襲撃にあっても、陽と行動を共にし、彼の安否がわかるまで、その場にい続けます(武重によって、強引に引き離されましたが)。
 ごめんなさい、そんな一途な白崎の姿に、私はつい、『進撃の巨人』のミカサをダブらせてしまいましたよ。もちろん、作品も作者様もテーマも別なのですから、安易な比較はできないし、してはいけないのはわかっているのですが、クールな言動だけで熱い内面を持ち、しかも美人でけなげなところが似通っているな、と思うのです。陽よ、未来から白崎に変えてもいいのではないですか?
 食人生物やその周囲の状況に関する謎が深まる一方、人物模様は混沌としてきましたね。陽と白崎の目指すものは、地獄からの脱出でしょうか、それとも、別の何か? 怪物との戦いというのは、勝てる見込みがありませんね。とにかく、予測不可能というのはスリリングです。グロテスク生物系と、流血、絶叫、激痛等の惨劇描写が苦手な方は、ご注意ください。友情、団結、勝利といった明るさとは真逆の、凄惨、恐怖、絶望の、この徹底的ダークっぷりゆえに、癖になるかもしれませぬ。できることならば、「東の『進撃の巨人』、西の『ハカイジュウ』」と、言われるように、人気が上がることを願っています。3巻が楽しみ。それでは。 

参照

『ハカイジュウ』4巻(本田真吾)の感想

『ハカイジュウ』3巻(本田真吾)の感想

『ハカイジュウ』1巻(本田真吾)の感想

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