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2011年3月 5日 (土)

『戦国武将列伝』2011年4月号の感想

『戦国武将列伝』2011年4月号(リイド社)の感想を申します。いくらかのネタバレを含みますので、ご注意ください。

『腕』第二陣(原作:南條範夫 作画:森秀樹)、がま剣法の屈木頑之助VS槍術の笹原修三郎ですが、メインは屈木。つい、『シグルイ』と比較してしまいますが、こちらもなかなか、テンポよく進みます。この屈木は、迫力と醜悪さがせめぎ合う異様な容貌で、そりゃあ千加(よく言えばしとやか、悪く言えばつまらない美人)も、悲鳴をあげるわな。意外と、笹原が強面の大男ながらも、情に厚そうでした。
『無常草子』(しりあがり寿)、新連載で、名君と言われた殿様のお話。わずか8Pで、このおかしさと不気味さはすごい。戦国時代のある国のエピソードのはずが、現代の日本の置かれている情勢に酷似しているような? だとしたら、ラストページが怖すぎ!
『らんせのじかん』(そらあすか)こちらも新連載で、四コマ漫画。いきなり苦言を申しますが、ゆるふわと、手抜きは違います。ゆるふわでいくなら、かわいい、あるいは、男性向けか女性向か、いずれかの萌え系でいくべきでしょう。
『陣借り平助』(原作:宮本昌孝 作画:長谷川哲也)、六角氏と浅井氏の争いに対して、平助が浅井側に仕えます。無闇に強い平助よりも、浅井久政と、息子の長政が強烈でした。特に、浅井長政は、『信長の忍び』、私が小学生だった頃のつまらない歴史漫画でも、なかなかのイケメンに描かれていたのに、有能で豪胆ながらも、目つきの悪い、二重あごの巨漢です。確か、こちらの長政の方が史実に近いのでしたっけ? 平助、今後、パワーインフレを起こさないといいのですが。
『戦女~バテレンお彩~』(原作:白川晶 作画:フカキショウコ)読切ですが、この少女漫画絵は雑誌カラーと合っていない! 遊女のヒロインをわざわざ、バテレンにする必要があるの? シスターだとよくない? 巫女や比丘尼の方が、コスチューム的にセクシーなのでは? 寝食が足りて健康であってこそ、人間の本能は性に向かうと思うけど、死にかけの兵士に、セックスなんぞできるの(人肌が恋しくなるのは、わかりますが)?  せめて、女性の裸が多く描かれているのなら、チラリズムとかムッチムチとか、色っぽく演出してほしかったなあ。
『乱破~関東三国志外伝~』第二話(木村直巳)、紅毛碧眼の赤子は朱馬(しゅま)と名付けられ、風間の里でも異端視されています。今は子供ですが、炎(ほむら)と恋に落ちるフラグ、剣丸と命がけで激突フラグが立っています。どうなるのかなあ。
『真田幸村』(長沢克泰)、こちらも新連載ですが、ワタシ的に今回の一押し。大坂冬の陣で、劣勢にある真田は、大御所(徳川家康)と対決し、前田利常・松平忠直軍を撃破します。徳川側の出番が少ないのは当然ながらも、彼らは数に任せた愚か者でないのがよろしい。とうとうと、真田の生き残りを説く、父の昌幸の亡霊? 幻? に向かって、信念を貫く決意を述べ、激しく拒絶する幸村が、ぞくぞくするほど、かっこいい! かなりかっちりした、リアル絵で、他の作品も読んでみたくなりました。次回も楽しみです。それでは。

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