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2011年3月 3日 (木)

『吉原遊女絵伝』(千之ナイフ)の感想

 漫画『吉原遊女絵伝』(千之ナイフ・リイド社)の感想を申します。いくらかのネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

 A5サイズで900円の単行本は、久しぶりに買いましたなあ。ワタシ的には大満足です。収録されているのは、独立した短編で、第一景~第五景の五本。第四景と第五景を、私はコミック乱増刊で読みましたから、すべてそれに掲載されていたのかな? 掲載誌名と時期が載っていないので、ちと不明。タイトルのとおり、吉原の遊女、花魁、禿(かむろ)の、華麗にして醜悪、妖艶でありながらも切実ではかない、不思議な情念の物語です。遊郭の内儀、番頭、若い衆、情夫(いろ)なども登場しますが、はっきり言って、男はあまり目立ちませぬ。遊女達のプライドと恋の情熱、同性愛にも似た、強いきずなを描いていますから、確かになまめかしい情景は満載ですが、遊女達の独り言や語りといった内面描写が多い・・・・ゆえに、この漫画は逆説的にエロいのですけどね。寝床や入浴、仕置きの場面など、全裸、半裸の姿もありますけれども、巨乳ちゃんは少なめ、いや、どちらかというと、禿はもちろん、遊女までも貧乳気味ですね。
 作者の千之ナイフさんは、ちょっぴりコメディもある推理物、『闇のシルエット』や、男性向け成人指定漫画も実家にあるほど、私はファンなのです。以前よりも、『吉原遊女絵伝』は、いっそう細かく、華やかになったように感じられます。遊女や禿の顔立ちは、非常に目を強調していて、造作に難があるでしょうが、つややかな黒髪とあいまって、生身でない、冷たく固い人形のように見える・・・・そこがまたエロいという、不思議で、独特の雰囲気を持つ絵です。
 ストーリーもなかなか、凝っていますよ。第三景では、ギリシア神話のピグマリオンが下敷きになっているように思われました。それにしても、さすが、お人形を描くと、本領発揮ですね。第二景は、一卵性双子姉妹の、離れ離れになっていたはずが再び結ばれ合う、数奇な運命のお話。
 第一景は、ストーリー的にもっともおもしろく、また、吉原や遊女達の予備知識を得るためにも、いいお話だと思います。紅(くれない)花魁が、月光楼に身売りされてから、紅葉(べには)花魁の禿となり、紅葉の急死後、花魁として花開くという半生を、情夫に語ります。が、その情夫の正体は、紅を吉原へ送り込んだ張本人でした。彼は紅を見受けしたいと申し出るのですが、すでに「菩薩の心」を持つようになった紅は、優しく拒んで、落ちぶれたその男を、吉原の大門で静かに見送るのでした、というもの。さて、紅は本当に、情夫を思いやったのでしょうか? それとも、零落した男を、優雅に拒絶することによって、復讐したのでしょうか? 答えを知りたい方は、ぜひご一読ください。
 そして、あらすじでは省略しましたが、紅が紅葉花魁や姉女郎にからかわれたり、床技を教えられたりする場面が、超エロいのです! 私は百合ものも好きですが、せいぜい、「かわいい」「エッチ~」程度の感じしか持たないのに、これには初めて、精神的鼻血を吹きました。なぜなら、私の大好きな、言葉責めチックですから。

「小紅(紅が禿だった時の呼び名)や もっと舌をからませんと。」
「し・・・・舌がうまく うごかせなくて・・・・」

「何だい小紅 こんなにしとどに濡らしやがって」
「や・・・・やめてぇ。」

「あっああっ はっ入る!!」
「ほぉれ 腰はこうしてふるんだ。」
「あっ。」
「ほぉれ ほぉれ。」
「あぁっ」

 誰がどの台詞か、どんなことをやっているか、質問しないでくださいね! とにかく、和風エロと百合好きの方にお勧めです。これで完結でしょうか。続きが出たら、私は絶対買いますよ。それでは。

 公式サイト
  ↓ ↓
 千之ナイフ美術館 http://www.ceres.dti.ne.jp/~nekoi/SENNO/SENfirst.html

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