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2011年7月12日 (火)

『シグルイ』15巻(完結)(原作:南條範夫 漫画:山口貴由)の感想

 漫画『シグルイ』15巻(完結)(原作:南條範夫 漫画:山口貴由 秋田書店)の感想を申します。いつものネタバレを含んでおります上、批判的な表現もする恐れがありますので、ご注意ください。毎度ながら、ずいぶん遅くなって、すみませぬ。
 あらすじは、一言で申せば、藤木源之助の辛勝です(ま、ここまで展開を引きずっていたら、普通、敗北なんてあり得ないでしょう)。真剣試合なので、清玄はもちろん死亡、いくも後を追いました。ネタバレが平気な私は、すでに、原作を立ち読みしていたということもあって、幸か不幸か、ラストの衝撃は薄かったです。「あ、ここは原作準拠か」程度。源之助は清玄との戦いに勝ちはしたけれども、かけがえのないものをすべて失った、という絶望にも似た激しい空虚感は、まあよく表現されていたかと思います。・・・・なんて、だんだん批判的になってまいりましたよ。

 自分も含めた人命をもてあそぶ、武士道を至上の価値としている以上、このような悲劇はまぬがれないのでしょうね。そういう意味で、1巻から一気に読破すれば、読書人の喜びというか、リーディングハイを味わえるかと思います。
 と、一応、おほめしましたが、やっぱり、気に入りません! 猛烈に腹立たしい! もっとも気に入らないのは二点、一つは15巻のラスト。途中、源之助と三重のきずなは、共通の敵を持ち、生活の苦楽をともにして、いっそう強まったと、さんざん繰り返しておきながら、三重は土壇場で清玄を選ぶとは・・・・。それならそれと、三重が別れても清玄を忘れられないと、ちゃんと伏線を張っておくべきでしょう。14巻などで、「源之助と三重の触れ合い、心温まるなあ」と、心地よい思いにひたり、「たとえ、原作以上の悲劇になっても、この二人の心は離れない。身は死んでも、恋は死なないとなるのかも」と期待した、私の感動は無駄だったのですねえ。
 それから(ため息)、10巻以降の展開のトロさは、もう辛かったですよ。がま剣法編などで、屈木頑之助、千加といったキャラクターをあれほど活躍させているのなら、何年かかろうと、駿河城御前試合=『シグルイ』をきちんと完結させてよ! 千加のファンだった私は、またしても肩透かしをされてしまいました。そして、源之助と清玄の戦いが終わってから、数ヶ月休載、それでは次の試合が描かれると期待していたら、『覚悟ノススメ』の続編か番外編ですと? もう期待に水を差されすぎ、疲れ果てました。
 15巻にしても、源之助や清玄の回想シーンが入って、うっとうしいには、うっとうしいのですけれども、断定いたします。

 山口貴由さんの漫画は、クライマックス前になると、展開がのろく、無駄なエピソードが多くなる悪癖がある!

 そう言えば、『覚悟ノススメ』でも、一番おもしろくなかった戦いが、ラストのVS散でしたな。

 きっと、15巻を大人買いされて読む分には、支障はないし、強い印象が残ると思います。しかしながら、連載派、単行本派のファンに、この期待はずれ演出は、納得できませぬ。
それでも、10巻までのエピソード、虎眼と清玄、最初の源之助と清玄の戦いなどは、非常に楽しめました。だから、ブラックリスト(もう二度とレビューしない作家リスト)行きは、やめます。が、『シグルイ』全巻、リサイクル本屋送りです。さよなら、『シグルイ』。君達のいた場所には、新しいおもしろい本を入れさせてもらうよ。
 せっかく、このブログにも「シグルイ」のカテゴリーを入れておいたのに。もう、残念です。どうぞ、山口貴由さん、次のお話こそ、私をうならせ、精神的土下座をさせるような傑作にしてください。申しわけありませんが、すべての山口貴由作品は様子見とさせていただきます。それでは。

(追記)ツイッターのあるフォロワー様から、三重の気持ちについて、とても的確なご指摘をいただきましたので、リサイクル本屋送りは中止いたしました。ありがとうございます。(2011年7月13日13時20分)

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