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2011年7月 2日 (土)

『信長の忍び』4巻(重野なおき)の感想

『信長の忍び』4巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。いくらかのネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

 最初に・・・・精神的土下座! ヤングアニマル嵐に、『戦国雀王のぶながさん』を連載していらっしゃいますから、ご多忙ゆえに、『信長の忍び』の方は、ライトなギャグか、時事系(「ラブ注入」とか)になるのではないかと、私は予想していました。が、これは、とてもおもしろい! もしかすると、四コマではトップクラスで、普通の漫画を含めても、かなり上位にいくかもしれませぬ。
 キャラクター達の個性を活かした、ギャグの勢いとパワーは相変わらずで、今回は織田軍にとってもっとも苦しい戦い、「金ヶ崎の退き口」をメインに、朝倉義景配下の猛将達との戦い(軍師の竹中半兵衛、大活躍!)婚姻関係だった、北近江の浅井家、さらには、信長にとってかけがえのない、妹の市との決別が描かれ、5巻における怒涛の姉川の戦いへの布石となっています。形式は四コマですが、ギャグにシリアス、その上、ピンチと巻き返しの連続で、敵も味方も(文字どおり)退かない、金ヶ崎の退き口は、「62歴史の分かれ道」から「69さよなら金ヶ崎」までの長いお話! 殿(しんがり)部隊の秀吉軍(明智光秀、千鳥、助蔵も)メインに、信長本隊(松永久秀まで!)まで息をつく間のない、エピソードの連続です! 夜、寝る前にお読みになれば、睡眠不足になるかもしれませんよ?

 何といっても、殿部隊の兵力はわずか3000で、対する朝倉軍2万の精鋭を、信長本隊が逃げきるまで食い止めなければならない! 朝倉軍は、朝倉宗滴の後継者でリーダー格の、山崎吉家、甲冑をも斬る、「真柄の大太刀」の勇猛な使い手、真柄直隆(まがら なおたか)がおり、最初、秀吉側は善戦するものの、千鳥でさえも負傷。矢も鉄砲の弾も使い果たし、あわやという時に、ギリギリで逃れます。
 そして信長本隊は、やたらと松永久秀の出番が多く、「ナレーター? 解説役かな?」と首をひねっておりました。すると、松永は朽木谷越えを勧めておきながら、信長を迎撃せんと待ち構える浅井家の同盟者、朽木元綱(くつき もとつな)の軍勢を前に、「今まで世話になり申した/運が良ければ また御会いしましょう」と、卑劣にも一人で戦線離脱??(「第66話真柄無双」のラスト)。ところが、松永の目的は別にあったのです。かくして、殿部隊と本隊は、無事に生還できたのでした。
 ああ、困りました。真柄直隆、朝倉宗滴、どちらも敵なのですが、とてもかっこいい! 片やワイルド、片やインテリと、私のツボにはまりまくりです! そして、織田軍は、何やかんやと大活躍のサル、いや、秀吉はギャグとシリアスの両面でいい味を出していました。私はやはり、いつも薄笑いを浮かべている、「裏切りは計画的に」(第63話)という美学の持ち主で、「(うららかな春の光景をながめながら)謀反したいなー」と、つぶやく(第58話)、松永久秀は一番印象的でした。
 今回、アップダウンの激しいストーリーで、登場人物も多かったから、肝心の信長の存在が・・・・と申したいところですが、ラストの「第76話そして姉川へ」のお話で、またまた予想をくつがえされました。夫の浅井長政のそばにいると、市から絶縁宣言をされ、信長は人相が変わるほど激しく落胆します(ダークサイドに堕ちたみたい)。そこへ、妻の帰蝶が散歩へ連れ出して語りかけ、信長はようやく平常心を取り戻すのでした。本来、帰蝶はこの漫画では天然系なのですが、少し、しんみりしてしまいましたね。
 おもしろい作品は、本当に、「おもしろい!」としか言えません! 巻末の解説は、日本史講師の金谷俊一郎さんで、この方もご推薦です。楽しみながら、戦国時代を知りたい、勉強したい方は、ぜひどうぞ。それでは。

参照
『信長の忍び』4巻(重野なおき)の感想・補足

『信長の忍び』3巻(重野なおき)の感想(加筆修正版)

『信長の忍び』2巻(重野なおき)の感想

『信長の忍び』1巻(重野なおき)の感想

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