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2011年7月31日 (日)

『鉄腕バーディーEVOLUTION』7巻(ゆうきまさみ)の感想

 漫画『鉄腕バーディーEVOLUTION』7巻(ゆうきまさみ・小学館)の感想を申します。ネタバレを含んでおりますので、ご注意ください。また、この作品の特性上、登場人物が多いですが、わかりにくく思われる方は、単行本を入手なさった方がいいですよ。

 7巻は、何と、クリステラ・レビが自らの過去をバーディーに語るというもの。バーディーや連邦関係者は、レビを男性と見なしているのに、火之宮水晶として暗躍する彼は、どう見ても女性。そして、怪しげな雰囲気こそありますが、優秀な人材だったレビが、なぜ凶悪テロリストになったのか? 今までのストーリーの大きな謎が、一気に解ける、重要なお話です。気の毒なのは、つとむで、主人公のはずなのに、バーディーの内部で、ツッコミ役兼ナレーター担当になっているだけ。8巻でがんばれ、つとむ。

 あらすじは、連邦の神祗庁、奥の院の特殺部隊は、速やかに、火之宮水晶=クリステラ・レビのいる、浄火学館総本山に来襲。彼らは信者達を巻きこみながら攻撃しますが、火之宮、その息子の永遠、千明、バーディーは、自衛隊4特の協力も得て、ヘリに同乗して脱出します。ここで、火之宮は自らがレビであり、性転換手術は受けておらず、性別を選べないことを明かし、「私はあなたと同じ。奥の院によって生み出された化け物だからよ。」と言って、バーディーに自らの生い立ちを語り始めたのでした。
 まず、レビは7.8歳でオリオテーラ神学校に入学し、マクセール・ペリダンという、アルタ人ながらも型破りな年上の男子学生、続いて、同年輩ながらも聡明で、神秘的な魅力をまとった神祗官の少女、チュニカ・シフォンと知り合います。教会から一度も出たことのないチュニカの、常識はずれっぽい言動に戸惑うものの、レビは彼女と仲よくなり、外のアルタ人街を案内しますが、突然の爆破事故に巻きこまれます。レビは軽傷ですんだものの、チュニカは死亡。この事件が元で、レビは神学校をやめて故郷へ帰りますが、突如として、自らが女性化してしまい、驚きます。女性化が、しばしば起こる一方、知らないはずの古語が読めるようになって、知らないうちに、チュニカの知識が取り入れられたことを悟るのでした。
 オリオテーラに戻ったレビは、元はチュニカのものである、豊富な知識を生かして、異例の大出世を遂げます。そのため、教会改革に取り組んでいたペリダンと再会でき、連邦が隠蔽していた、イクシオラ(「調整アルタ人」という意味だっけ?)についての、発生過程、遺伝子貯蔵や改良研究など、非人道的な行為を知るのでした。そうやって、苦心しながらも、レビはついに、チュニカ死亡事件の三次元映像を見つけます。爆破事故発生直後、レビをかばったチュニカは、虫の息ながらも生きていましたが、すでに再生不可能状態。奥の院は、チュニカの持つ知識が失われてしまうのを惜しんで、レビの体へ、研究中の人体融合技術を試みたのでした。明確になった、チュニカの記憶をレビは体感し、彼女が言いなりなのを利用して、高位聖職者は性的虐待を行なっていたことまで悟ります(このへんは、私も気分が悪い・・・・)。さらに、神祗庁奥の院は、真実を知ったレビを罷免し、協力者のペリダンを異端と認定して、自殺に追いこみます。こうして、絶望的な気分になったレビは、テロリストになった、というわけです。
 さすがのバーディーも狼狽するものの、ヘリが浄火学館東京本部に到着するや、宇宙船との交信ができなくなります。不審がるバーディーの前に、現われたのは、奥の院特殺部隊のリーダー、ネーチュラー・ゲーゼ! 質問もさしはさませず、攻撃してくるネーチュラーからレビを守ろうと、バーディーはかばいますが・・・・その体に、何本もの針が突き刺さる!

 いいところで、「続く」です。惜しい! 以前は協力してもらった、巨乳神祗官、ネーチュラー・ゲーゼとバーディーは、戦うことになるのでしょうか。それにしても、バーディーも皮膚と一体化したスーツをまとっていますが(乳首の線がわかるほどに、ピッタリフィット。エロい)、ネーチュラーも同じであるようです。8巻は、セクシー対決になるのでしょうか。
 いや、そんなことはあるわけがありません。なぜなら、『EVOLUTION』になってから、ほのぼのやコメディ部分が、ほとんどなくなり、全体的にシビアでハードになっていますから。今回の、レビがテロリストになった理由だって、このままでは、全アルタ人が連邦および奥の院の都合がいいように扱われ、苦しみながら死んでしまうからなのでしょう。自分の役割に疑問を持たないバーディーより、納得がいきます。でも、テロは許せませんが。バーディーが、「同情の余地はあるが、逮捕する」という考え、いつもながら、わかりやすいなあ。バーディーとつとむは、この作品の良心というか、天使みたいな存在かもしれませぬ。
 レビは、チュニカの記憶と知識と性を、完全に移植されていたのですね。それでいながら、チュニカの人格部分は消えてしまった、と。また、バーディーとつとむの関係と似て非なるというより、チュニカにとっては気の毒です。私も、バーディーが言ったように、レビは性転換手術をやったのだろうと予想していましたが、見事にはずれました。すばらしいです、ゆうきまさみさん。精神的土下座!
 7巻の『鉄腕バーディーEVOLUTION』のエロシーンですが(ワタシ的シリーズにするつもりらしい)、第71話、外出するため、少年のレビはチュニカに着替えるように言ったところ、チュニカは即座にケープを足元へ下ろし、マッパに! 彼女が平然と、「大丈夫ですか?」と気づかい、レビは顔を隠しながら、「他人(ひと)前で裸になんか、なるもんじゃないよ! 早くこれ着て!」と、いう一連のシーンですね。あんなに小憎らしいほど、知的で冷静なレビも、普通の男子中学生みたいな時期もあったわけです。さあ、次はネーチュラーVSバーディーの対決でしょうかね。それでは。

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