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2011年8月31日 (水)

『ベルセルク』2巻(三浦建太郎)の感想

 漫画『ベルセルク』2巻(三浦建太郎・白泉社)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。物語の根幹をなす、重要アイテムが登場いたしますよ。
 あらすじを申しましょう。

 でたらめな位置に目、鼻、口がついた卵のようなものは、ベヘリットと言い、七年前に、伯爵がそれを入手してから、怪物に変じてしまったと、右目、鼻、両足を伯爵にもぎとられた男、バルガスは訴えます。伯爵に妻子を食い殺された復讐を、バルガスはガッツに依頼しますが、ガッツはその代償としてベヘリットを譲り受けます。そのベヘリットこそ、「この世界と異なる もう一つの世界との扉を開く鍵・・・・/太古から 人間の闇の歴史を支配してきた 異次元世界の化物ども・・・・/五人のゴッド・ハンドを呼び出す鍵だ」と、ガッツは語るのですが、肝心な呼び出し方がわかりません。いったん、ガッツとパックはバルガスと分かれたところ、バルガスは伯爵の分身に捕らえられ、翌日に斬首されてしまいます。パックは、バルガスを助けないガッツの薄情さに愛想を尽かして、乱入を試みますが、逆に伯爵に捕まって、鳥籠の中へ。そうして、伯爵の一人娘(10歳前後か)、テレジアの元へ運ばれ、彼女と仲よくなります。一方、無視を決めこんでいたガッツは、バルガスの怨念に満ちた首を見、死霊の群れに襲われるうち、「ふざけるな!! オレは貴様らの同類(なかま)なんかじゃねえ!!(中略)これはオレの戦いだ!! 血と肉を持った このオレのな!!」と叫んで、単身、伯爵の城へ乗り込みます。
 城内には、兵士達、伯爵の分身に寄生されたゾンダーク(複数の魔物が取り憑いたかのようで、人間の形をしていません)が待ち構えていましたが、ガッツはどうにか撃破。ついに、伯爵は、牙を持った巨大ナメクジかアメフラシのような全身に、小さな頭をつけた本性を現します。猛烈な怪力にガッツは翻弄され、壁などに激突して気絶。パックが来たけれども、助けになりません。どうなるの?

 虫、ナメクジ、グロ全般が苦手な方は、ご注意ください。ゾンダークが寄生される際、巨大な人間の顔を持つ芋虫を、ハゲのおっさん(伯爵ね)から口移しされていますよ。こんな死に方はいやですな。
 ところで、初期ガッツは、まったく、主人公らしくありませんね。いくら何でも、自分のせいで醜くなったわけでないバルガスを、さんぜん罵倒して、蹴りつけています。ぶっきらぼう、無愛想、無口ではないが、礼を言わない、挨拶もしないと、こんないやな主人公は珍しいかも。しかし、『ベルセルク』には、ヒーローらしくない、ヒロインらしくない、クセ者だけど、なぜか妙に納得させられる、ユニークな人物がぞろぞろと出てきますから、お楽しみに。
 伯爵の本性、切ってもすぐに再生する、怪力巨大ナメクジ? に対して、ガッツはどのような策と技で挑むのか。3巻で明らかになると同時に、新章が始まります。ま、これ以上は明かせませんね。それでは。

 

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