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2011年8月 7日 (日)

『土竜の唄』26巻(高橋のぼる)の感想

 漫画『土竜の唄』26巻(高橋のぼる・小学館)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 26巻は本編の他に、人気グループ『湘南乃風』とのコラボ読切短編漫画(玲二や日浦がゲスト出演しています。たぶん、ストーリーは曲のイメージと合っています)、さらには、湘南乃風メンバーと高橋のぼるさんの対談が載っています。湘南乃風は、たぶん、皆様の方がくわしいと思いますが、写真撮影もされているので、高橋のぼるさんの姿格好がわかって、非常に興味深い。玲二をほうふつとさせるどころか、穏やかそうな方ですよ。ただ、眼力が強そうでした。

 26巻のあらすじは、毬子や蝉丸に悪さをされたとはいえ、ボスの眼前に祖ちんを露出させておいて、轟周宝に許されるはずがありません。即刻、玲二はボディーガード失格と見なされた上、ボブカットの強い眼差しの美女、轟の娘、迦蓮(かれん)からも、「二度と私の前に、その汚い顔とチンポを見せるなよ。」と、股間を踏みつけられて、落胆するものの、死に物狂いで轟に追いすがり、車に同乗します(タフだなあ、玲二。こういうところが、うらやましい)。恒久中国料理店で、轟と対峙した相手は、何と、警視庁 東・東京署 署長、三地元彦! 彼らの会話から、三地は、轟から流用した情報によって難事件を解決し、ノンキャリアから署長に昇り詰めたことを、玲二は知り、息をのみます。一見、なごやかそうな会食でしたが、突然、轟は三地に背信の意図があることを告げ、激しく責めます。土下座してあやまる三地でしたが、轟は許さず、玲二にオトシマエをつけさせろと、要求。先ほどの失敗を挽回しなければなりませんが、玲二はとても三地の指を詰めることはできあせん。迷った結果、クレイジー・パピヨンになりきろうとしました。
 まず、玲二は、ナイフとフォークで三地の両手をテーブルに縫い止め、それから、「北京ダックならぬ、詐欺(ペテン)ダックのペニスダック!」と告げて、三地の皮をはぎ(察してください)、北京ダックの要領で食べさせます。実はフェイクだったのですが、三地はたまらず、号泣して絶対服従を誓います。そして、玲二は、轟からやっと認められたのでした。次に、轟は三地に、これから始まる、日浦と仙骨竜の闘争を大目に見ることを命じ、代償として、難事件の有力情報を教え、少し前とは別人のような温厚な表情で、三地の娘の留学費用に大金を渡します。三地は泣いて感激。轟の、飴とムチの見事な使い分けを見聞し、玲二は彼の手腕の見事さを思い知らされるのでした。
 それから、目の保養にと、轟は一同を連れて、銀座の高級会員制クラブへ行きます。そこには、ママやホステスまで、目がくらむような、フェロモン系美女が大勢! 玲二は先刻の褒美で、轟と差し向かい、しかも、店のナンバー1とナンバー2の美女二人(小百合と智美。どちらがナンバー1か2か、ちとあいまい)から、両脇をサンドイッチする形で座られ、緊張します。しかも、轟から彼女達のうちの一人をお持ち帰りしていいと言われ、もう興奮MAX。轟は中座し、ボディーガードの蝉丸がトイレやおしぼり係のホステスを確認しますが、異常なし。ようやく、轟がトイレに入ったところ、ホステスは、おしぼりの皿から細いひもを取り出して、背後から轟の首に巻きつけます。愕然と、顔色を変える轟。ところが、玲二は美女達に夢中。早く気づけ、急げ、玲二。このままでは、轟が絞め殺される!

 玲二でなく、轟が絶体絶命のピンチという、また予想を上回るラストでした。もっとも、『土竜の唄』について、いい意味で予想はできず、期待を高めていただけますが。いつも思いますが、これほどの長期連載で、パワーもテンションも下がらないまま、ぐいぐい引っ張っていける作者様の力量はすばらしいですよ。まあ、轟は死なないとは思いますが、どのように持っていくのでしょう? 27巻が楽しみ!
 あらすじでは、さらっと流しましたが、轟の娘、迦蓮がまた、母の毬子にも増して強烈。いくら気が強いからとはいえ、初対面の男を股間を踏みつけ、蹴りますかねえ。鋭い目つきながらも、清楚そうな外見ですから、かなりのクセ者。もっとも、私はそういうタイプが大好きですけど(私もクセ者!)。うーん、やっぱり、(若木)純奈と(桃川)千晶の存在が危うくなってきました。
 26巻は、土竜のグルメはありません。轟と三地が食べている、北京ダックだけではね。次巻以降に期待しましょう。
 ラストページと27巻予告ページの、轟の、断末魔とも死相ともとれる表情には、本当に仰天してしまいました。彼が無事でありますように(おいおい)。それでは。

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