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2011年8月24日 (水)

『黒い家相』(高野美香)の感想

 漫画版心霊恐怖体験集というよりも、あの有名な霊感ママシリーズ、『黒い家相』(高野美香・朝日新聞出版)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。また、収録作品は、2008年以降の『ほんとにあった怖い話』や2011年『HONKOWA』に掲載されていたもので、私はほぼ読み尽くしてストーリーは知っておりますが、それでも、やっぱり、まとめて読むと、おもしろい! 単行本の上質紙だと、線やスクリーントーン(もしかして死語?)などの効果が明確だから、きれい&怖さ倍増!
 そして、この霊感ママシリーズは、私の知る以前から単行本になっていたと思いますが、怖いだけの心霊体験談と異なる内容です(そりゃあ、純粋に怖い作品も好きですけど)。作者の高野美香さんは霊感がないそうですが、主役たる霊感ママ=高野さんのお母さん、ユミさんの人柄がいい! 穏やかに優しく、心霊相談を受けつけ、時には頼ってくる霊を、静かに説き伏せてあがらせてあげます(叱りつけることもあります)。だから、怖さ濃度は割りと低めで、心霊体験を知りたい方にお勧めですが、要するに、癒し系でためになるお話なのですよ。
 そういうわけで、雑誌の感想と重複するかもしれませんが、感想を始めますね。

『彼岸の人々』、霊感のある人は、疲れやすい、いや、憑かれやすくて大変ですね。調子はいいが、ちっとも話を聞かない、霊的トラブルメーカーの小西さん登場。身近にこういう人がいたら、私はいやになるかも。床の間のタブー、供養の方法がためになります。
『永劫浮遊の旅』、高野家の面々で、ゆっくり旅行のはずが、霊感ママを頼って(?)、様々な霊が登場します。高野美香さんは、初めて怪異現象を体験したようですが、怖いものはいやだったでしょうね。私もそう。できれば、神様や精霊、天使を見たいのですけどね。
『暗鬼の咆哮』前編と後編に分かれたお話です。やはり、床の間を放置している小西さんが、狐に似た魔物を拾ってきてしまいます。たちまち、小西さんの息子夫婦が災難に見舞われ、霊感ママは不安になりながらも、懸命に対処します。「もうあなたしか頼れません」と、頭を下げたくせに、結末の小西さんは、平然としたもの。楽天的すぎるというか、また何かやってくれそう。
『導かれた客たち』、霊感ママの知人と、なつみさんという女性のお姉さんのお話。生霊がテーマです。当たり前ですけれど、家族で支え合う、ご先祖の墓に参る、亡くなった人に心の中で語りかけるって、大切なことなのですね。
『黒い家相』、これも床の間をないがしろにし、トイレの向きを間違えたために、不幸が続いてしまう、石間家のお話。供養が間違っていたために、さらに事態を悪化させていたのでした。家相と供養は、本当に重大事ですね。周囲に専門家がいないのなら、心霊にくわしい方がいて欲しいです。すべて心にしみるお話でした。それでは。

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