『魔百合の恐怖報告 総集編』2011年秋の号(朝日新聞出版)の感想
構成は2つに分かれていて、実在霊能者、寺尾玲子さんの活躍を描く『魔百合の恐怖報告』(山本まゆり)と、また玲子さんとは異なるアプローチをする、やはり霊能者の、天宮視子さんが主人公の、『霊感お嬢★天宮視子』シリーズ(ひとみ翔)。毎回おもしろいので、こちらも映像化してくれないかと思います。
それでは、『魔百合の恐怖報告』から、『死を呼ぶ手紙』。どんなに優しくても、自殺者には同乗してはいけない、のかも。まあ、迷惑を垂れ流すような人だから、一方的に思いこんで、自殺してしまうのかな。
『大陸に消えた夢』、戦争による悲劇です。以前も、感想を述べたように思いますが、何度読んでも恐ろしいお話。玉砕、天皇陛下のために、とは、私としてはわかったようで、理解できません。辛い思いをした満州の人々が、安らかにあがってくれますように。
『支配する影』、視ちゃんシリーズともども、動物霊が取り上げられています。説得がきかない相手のせいか、玲子さんが慎重。こういう霊を駆使して、問題の相手は楽しい? 満足するのでしょうか? 小金持ちにはなれても、大勢に尊敬される人にはなれないでしょうな。
『情念の集う街』、描き下ろしで、巻頭カラー。依頼者は、あの超コワ漫画と『スピ☆散歩』の、伊藤三巳華さん! 伊藤さんによる、体験ショート漫画も載っている(玲子さんの描き方がおもしろい!)から、ファンの方にお勧めです。知人に頼まれて、伊藤さんは除霊したものの、事態が悪化してしまい、玲子さんがピンチヒッターに、というもの。方位、霊道と、複雑な要因がからんでいたようで、無事に解決できて、よかったですな。今度は、玲子さんと伊藤さんのコラボ漫画を希望いたします!
『霊感お嬢★天宮視子』シリーズからは、描き下ろしの、『退魔の翼』。視っちゃんの知り合い男性の先輩は、どうやらケモノ憑き。影響されまいとして、視っちゃんは骨を折りますが、事態は悪化し、寺尾玲子さんにも協力してもらうことに。解決のポイントとなった神社様へ、私も参拝してみたいです。あのきりっと、緊張していて、しかも清らかな、神社仏閣の雰囲気がすきなのですよね。玲子さんの解決方法、視っちゃんの直感と、周囲は絶句の連続でしょうね(でも、ちょっと、私も見聞きしたい)。問題の男性みたいな、高圧的で押しつけがましく、傲慢な人って、結構、いますよね? あるいは、それと真逆の、いじけまくって、「どうせ、私なんかダメ」と言って、意識してか、それとも無意識なのか、自分を特別扱いされたがる人。どっちも相手にすると疲れるので、私は苦手ですけれども、極力、関わりを減らしていくしかないのでしょうね。単に怖いというだけでなく、人間関係など、考えさせてくれる内容でした。それでは。
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