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2011年9月10日 (土)

『永久保異聞 闇の考証』(永久保貴一)の感想

 漫画単行本、『永久保異聞 闇の考証』(永久保貴一・朝日新聞出版)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この『永久保異聞 闇の考証』は、すでに『HONKOWA』または『ほんとにあった怖い話』の感想で、アップしているかもしれません。が、おもしろいものは、やはりよい! というわけですので、改めて述べます。
 掲載されたのは、2008年から今年まで、『HONKOWA』および『ほんとにあった怖い話』に掲載されていました。おまけは、10ページもある、コワおもしろいエッセイ、『酒呪雑多』(しゅじゅざった)。漫画の中味は、『謎と伝説の女王・卑弥呼を追え!!』と『闇の考証アフター』は、ほぼ続き物ですが、他2本は短編。歴史ミステリー解明ものなのですけれども、文書だけに頼らず、永久保貴一さん、編集長、あの霊能者の寺尾玲子さんと一緒に現地におもむいて、玲子さんの霊査していくという内容。しかも、その舞台は、奈良、平安初期、そして古墳と、謎だらけの時代! 非常にユニークなアプローチです。だから、奈良県内の本屋様は、この本を歴史コーナーで平積みにしておくべきだと、私は思いますね。

『平安の政争・薬子の変』『古都 奈良・血統と権力の争い』、いきなり、2編もまとめてすみませんが、中味が少々難しい。血縁および婚姻関係がネックで、たぶん、他の歴史書を読むよりはわかりやすいと思うのですが。
 両方に登場する、井上(いのえ)内親王は、なかなかインパクトがあります。このような深刻な争いを招いたのは、天智天皇、天武天皇から始まる確執からでしょうか。新興勢力のはずの藤原家も、なかなかいやな感じですね。玲子さんの霊査によれば、歴史書や伝説どおりであったり、異なっていたりと、なかなか、おもしろい。しかも、事件の関係者は全員、当時の思いを抱えているようです。
『謎と伝説の女王・卑弥呼を追え!!』『闇の考証アフター』、果たして、奈良は邪馬台国の地であるのか? だとすれば、それは奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡なのか? 玲子さんの見立てと、永久保さんの説が語られます。答えは秘密。そして、西殿塚(にしとのつか)古墳の主(強力なサイキッカーの巫女らしい)によって、玲子さんは思いがけないピンチに。急遽、霊感お嬢の視っちゃんも協力することになりましたが、一体、何がどうなった? これも、読んでからのお楽しみ。
 謎解きや永久保さんの語りもおもしろかったですが、玲子さんの視た、巫女達の風変わりな姿やお仕事ぶりが、とても神秘的に感じられます。やはり、巫女さんは色っぽいのかもしれませぬ。
『酒呪雑多』、日本史の有名人から怨霊まで、様々な気を酒に入れて楽しむ玲子さんて、すさまじい大物。神秘的な方というよりも、意外と、お茶目なのでしょうか。ラストページで、永久保さんが言っておられた、邪馬台国にまつわる、大阪府八尾市のミステリーについて、一度、漫画化するか語っていただきたいものです。
 三輪山、大物主神、モモソヒメ、箸(はし)墓は学校で勉強しましたし、八尾は子どもの頃からゆかりのある場所で、なつかしくも、奥深い、楽しい読後感を得られました。それでは。

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