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2011年9月15日 (木)

『三国志ジョーカー』3巻(青木朋)の感想

『三国志ジョーカー』3巻(青木朋・秋田書店)の感想を申します。いくらかのネタバレを含みますので、ご注意ください。
 3巻は、どっと、シリアス度が増す一方、謎も倍増。赤壁の戦い前のエピソードとして、つかみは上々。さらに、三国志演義では、ワタシ的にもっとも悲惨な展開と思っていた、長坂橋の戦いは、どのように描かれるのかと、期待と不安が半分ずつだったのですが・・・・見事なまとまりです。加えて、馬の描き方が、なかなかおもしろい。筆を使用しているのでしょうか、劉備軍を追走する曹丕(そうひ)と、主人公の司馬懿(しばい)の主従、恐らく槍? を駆使して孤軍奮闘する、犬、じゃない、趙雲の乗馬姿など、かっこいい。精神的土下座!

 あらすじは、曹操軍に麻疹(はしか)を蔓延させようとした諸葛亮でしたが、名医、張仲景の協力を得て、司馬懿は未然に防ぎます。唖然とする曹丕に対して、司馬懿は諸葛亮から拉致・監禁された経緯と、異様な体験を物語るのでした。加えて、曹操軍を快速で疾走させ、劉備軍の間近にまでせまります。
 退却を余儀なくされた劉備軍は、総崩れになり、劉備の夫人は重傷を負い(後日に死亡)、娘の丹丹は、女装した諸葛亮と一緒に曹操軍の捕虜に。諸葛亮は、計画を邪魔した張仲景を、処刑当日まで殺そうと画策しますが、失敗。火事に巻きこまれるものの、間一髪で、趙雲に助け出されます。趙雲も諸葛亮に傷を手当てしてもらって、彼を見直し、失恋の傷も癒え(趙雲は、女装諸葛亮を、劉備の娘と思いこんでいます)、ようやく二人は和解した・・・・のかな? 丹丹は、張仲景とともに去ってしまいました。次に、劉備の元へやって来たのは・・・・。

 かわいい少女漫画絵ですが、中味はどうして、骨太ですね。戦闘および難民のシーンは、かなり悲惨でした。
 犬、じゃない、趙雲、妙にかっこいい! 司馬懿よりも目立っているではないですか! 趙雲ファン、必見です。
 そして、男の娘好きの方にもお勧め。エクステ、ゴスロリ姿の司馬懿が見られます。もちろん、彼が望んでそうなったのではなく、諸葛亮にだまされたわけです。なぜ、諸葛亮は、ここまで司馬懿にこだわるのでしょうね。ボーイズラブ的に、好きということでしょうか? そんな諸葛亮ですが、無体なことはするくせに、ムカデに悲鳴をあげています。彼は、この時代の人々を古代人とさげすんでいますけれども、上から目線すぎですがな。
 娘と父の間で、ギクシャクしている劉備と裏腹に、曹操側は皆、仲良しですね。曹操と曹丕は、和解できるかな? そんな曹操ですが、見せしめとして、劉備軍三千人の捕虜を処刑にするよう命じるのですが、私が印象に残ったのは、次の一シーン。

四者四様の反応

 上は、青ざめる、医者の張仲景。下は、真ん中が曹丕、向かって左が曹丕のお目付役の陳羣(ちんぐん)、右が司馬懿。張仲景の人間的な反応に比べて、三人の冷ややかなこと! 司馬懿がスーツを着ていてかわいくても、れっきとした、当時の、冷徹な軍人であることを感じさせられます。結果、丹丹が張仲景について行くのも、非常に納得。彼女には、その方が幸せでしょう。
 ところで、ラストページに、シルエットがチラ見えする人物も気になりますが、私は張仲景の弟子らしい、目つきが鋭く、無愛想な青年に注目です。頭に布を巻いていて、目元ぎりぎりまで隠しており、今一歩、人相がわからないのですけれども、誰でしょうね? 名医の華佗かな? 次は、いよいよ、赤壁でしょうか。楽しみです。それでは。

参照

『三国志ジョーカー』2巻(青木朋)の感想

『三国志ジョーカー』1巻(青木朋)の感想(加筆修正版)

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