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2011年10月21日 (金)

『凍牌~人柱篇~』1巻(志名坂高次)の感想(加筆修正版)

 漫画『凍牌~人柱篇~』1巻(志名坂高次・秋田書店)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 完結しながらも、『凍牌』は新シリーズが開局いたしました! 今までは、サブタイトルか宣伝文句が、「裏レート麻雀闘牌録」でしたが、『人柱篇』では、「麻雀死闘黙死譚」にパワーアップ! 表紙も、単色+黒+白のシンプルカラーから、フルカラー+テーマ色に進化。Kのイケメン度も、精神的鼻血レベルに成長。彼はもはや美少年にあらず、イケメンなのです(うれしい悲鳴!)。気になる方は、最寄の本屋さんへ行くか、オンライン本屋様をのぞいてみてください。そんな目の保養的絵柄ですが、肝心なストーリーというか、あらすじを申しましょう。

 入院中のアミナを誘拐したのは、北海道の大金持ち、羽鳥という青年。羽鳥は政治家だった亡き父から受け継いだ、謎の名簿とアミナを引き換えに、Kに対して麻雀勝負を挑みます。羽鳥につくのは、以前、Kを苦しめた、あの狡猾な関。Kには、高津が入ります。高津側は、50億もの大金を用意してきますが、この対戦ルールは、かなり変則的なものでした。

○事実上、Kと羽鳥の一騎打ちで、持ち点は、Kが3万点、羽鳥が5万点。
○振り込んだとしても、得点は増えず、減点される。
○持ち点が0を割ったら、負け。
○高津のチョンボはKが、関のチョンボは羽鳥が、罰符として支払う。
○Kは持ち点6千点減るごとに、人質を一人ずつ、縛り首にして殺される。

 そう、『人柱篇』とは、人質のこと! その五人は、大辻殺しの男、Kの父、母、イケ、そして優! 吹き抜けになった部屋から、両親や優を認めて、一瞬、唖然とするKでしたが、冷徹に縛り首の順番を決めます。そして、開局早々、背後でやたら騒ぎ立てていたヒットマン(大辻殺し)を、Kはチョンボをしてしまい、罰符8000点ゆえに縛り首にして黙らせてしまいます。最初こそ、コンビ打ちなどして調子がよかったKですが、徐々に、羽鳥が本領発揮。彼はネット麻雀100万人のトップに立つ、「アイスマン」というハンドルネームの持ち主。羽鳥は、「麻雀は無理せずに 流れに沿って打つのが一番」と言い、高津は彼の打ち方が、欲やプレッシャーがなく、地道に効率的にあがることであることを悟り、自分とKの不利な立場を痛感します。そうこうするうちに、Kの点数は削られていき、ついに、父が吊るされることに。そこで、Kは借金返済のため、両親が弟、孝を殺して保険金を得たことを知っていると、淡々と告げますが、父が最期に、「ごめんな」と言った直後、Kの表情が変わります。次は、母が危ない。羽鳥の強運の流れが消えず、追い詰められたまま、Kは、「この局に流局はない/最悪 死んでもかまわない・・・・攻める」と、鬼のような形相で宣言。羽鳥の癖、もしくは弱点のようなものをつかみかけたところで、Kの逆転勝利! このまま、Kの起死回生なるか? それとも?

 このお話で一つ、残念なのは、Kの弟、孝の描き方。気の毒な少年ですが、顔の輪郭が真っ四角みたいで、あまりかわいくありませぬ。それ以外は、あぅ、カットしたエピソードがもったいないほどの魅力があります。羽鳥へ、Kが極限のような計算、神経戦で減点を最小限にとどめていく場面は、目が離せません。単なる室内ゲームが、ここまで盛り上がるなんて、毎度ながら、精神的土下座をするしかありませぬ。それでも、牌を積んだり捨てたりと、アクション自体は(あがった時を除いて)、地味なのですけどね。今までの『凍牌』で、関や大辻、上野など、インパクトのあるキャラクターは多かったですが、この羽鳥の穏やかな非情ぶりも、なかなか見事。彼があがりかけたり、あがったりした際の、冷酷な表情は、ちょっと引いてしまうほどの迫力があります。
 今回のKは、苦戦を強いられているせいか、後半の、怒りをあらわにした表情が、また荒々しくていい!  奇跡の逆転を期待せずにいられませんよ。2巻も購入いたします。それでは。

(追加事項)
 Kの名前は、圭だそうですが、姓はまだ不明。今時珍しい、シンプルさですね。

-おわび-
 前半の文章を訂正し、(追加事項)をプラスしました。申しわけありませぬ。2011年10月22日16時55分

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