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2011年10月12日 (水)

『土竜の唄』28巻(高橋のぼる)の感想

 漫画『土竜の唄』28巻(高橋のぼる・小学館)の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。

 飢ェる咬む、ようこそ! 28巻は、数奇矢会を破門された、モモンガの百治こと、桜罵百治(さくらば ももじ)VSクレイジーパピヨンこと日浦の対決で、幕が上がります。玲二は活躍していなくはないのですが、この二人のインパクトにやや隠れてしまったかも。

 あらすじを申しますと、桜罵と日浦は、たちまちのうちに決裂、対決! 桜罵のハンマー拳に、日浦のハイパー義足が激突します。日浦の右義足はネジがはじけて壊れますが、桜罵の右拳も複雑骨折(この描写が猛烈に痛くて、生々しい!)。第二、第三の桜罵からの攻撃に、日浦の左義足も破損してしまいますが、桜罵は左手骨折、右拳が砕けてしまい、いったん引き分けを告げ、破門の真相について打ち明けます。桜罵は轟周宝から大金を渡されて、武器調達に失敗したところを、「勝手に金を持ち出して、不良外国人から武器を密輸し、クーデターをたくらんだ」と、轟側から一方的にみなされた上で、破門されたのでした。そして、桜罵は、轟を裏切って手を組もうと、日浦に提案しますが、日浦は、「武器を押収されるというヘタを打ったお前が、マヌケなだけだ。」と断言し、「オレが手を組むのは心底 楽しい、トッぽい青虫だ。」と、玲二のことをほのめかして拒絶。桜罵は激怒して、日浦殺害を宣言します。
 一週間の鍼治療で、玲二はどうにか元の顔に戻りましたが、額には桜罵につけられた、三本煙草の焼きあとが、信号機のようなおかしな形で残っています。そして、轟周宝に、妻の毬子、娘の迦蓮のボディーガードを命じられて、銀座へ出かけます。が、わがままな彼女達に、玲二はふり回されっ放し。エステで、全裸姿をながめる役得もつかの間、玲二は迦蓮の、バージンを奪ってほしいとの頼みを、純奈を思い浮かべてことわってしまったため、彼女のきげんをそこねてしまいます。10日後、迦蓮の誕生日、高級フランスレストラン(恐らく)で毬子と迦蓮はディナーを楽しみ、玲二が同席していたところ、五人ほどの怪しい男達がテーブルを取り囲みます。そのうちの一人の額に、中国マフィア、仙骨竜の刺青! 玲二はたった一人で、仙骨竜軍団と闘うことに!?

 冒頭の、ののしり合いから始まる、桜罵と日浦のバトルが、大迫力です。対する玲二は、女性二人の買い物の箱を抱えたり、ドキワクして、勃起したりするだけですから、印象がやや薄れたのも仕方ないですね。バトルの結果、闘えないであろう桜罵と、立てなくなったけれども、両腕は生きている日浦では、私は日浦の事実上の勝ちだと思いますが、いかがでしょうか? 強いなあ、クレイジーパピヨン。そして、今回、山田が重要な指摘をしています。桜罵が轟におとしいれられた一連の手口は、現在、日浦に負わされていることと一緒のパターンである、と。轟の冷酷非情さからすると、山田の考えは合っているかもしれません。ただ、日浦は「オレは人間を恨んでいない。」と言い放ちますが、 「恨みを原動力にして生きている人間」=桜罵とは、そこが一番の大きな違いなのですね。うーん、ワタシ的に、プラス思考で好感の持てるのは日浦ですけれども、桜罵の憎悪や屈折も非常に納得できます。彼らの対決は怖い反面、見てみたいですね。
 さて、今回、「土竜のグルメ」はありません。毬子や迦蓮の食べているフォアグラのソテーなんて、全然イメージが湧きませんがな。本当に、玲二は踏んだり蹴ったりです。女二人にあごでこき使われ、何度も罵倒されたり引っぱたかれたり、迦蓮の水蜜桃のような全裸に少し触れるだけで必死でこらえ、ラストでは強敵が出現したのですから。玲二もまた、桜罵にリベンジを誓っていますが、うまくいくのでしょうか。ラスト近くで、蝉丸のような人物がいましたけれども、もしかして、仙骨竜をレストランへ手引きしたのは蝉丸? 謎が生まれてしまいました。
 単行本が次々に発行されながらも、ストーリーの盛り上がりと、次回への引きは、相変わらず、お見事。ちっとも、テンションが下がらないのもいいですね。29巻も、期待しています。それでは。


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